超光戦士シャンゼリオン
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企画段階では超光騎士も透明にするという案もあったが、色味が乏しくなることから定番の三色になった[2]。変形ギミックはスーパー戦隊シリーズとの差別化のためブロック構成にはせず、トランスフォーマーシリーズのような変形が意識されている[2]

諸元リクシンキ
全高2 m
重量512 kg

リクシンキ(陸震輝)
陸戦用のサポートロボットで、無人走行可能なオートバイに変形し、最高速度は時速600km。超光騎士形態では両手の計6門の砲門からリクシンバクカンやショックビームを放つ。

諸元クウレツキ
全高2.1 m
重量1024 kg

クウレツキ(空裂輝)
ロケット型のブースターに変形し、シャンゼリオンと合体してマッハ1.5での飛行が可能。超光騎士形態では両腕からクウレツビームを放つ。素直な性格で、暁が情けないのは仲間が甘やかしすぎだからと説教され、肯定して帰っていったこともある。

諸元ホウジンキ
全高2.3 m
重量768 kg

ホウジンキ(砲陣輝)
移動砲台に変形し、二門のスーパーキャノンと機体下部からの光線で長距離攻撃を行う。砲台形態では時速128kmでの飛行が可能。超光騎士形態では右腕をマジックハンドのパワーシザースに、左腕を1秒200回転のジェットドリルにそれぞれ換装することが可能。超光騎士最高の腕力と防御力を持ち、強力なパワーを生かした肉弾戦を得意とする。

諸元シャイニングバスター
全長6.3 m
全幅2 m
重量2276 kg

シャイニングバスター
3体の超光騎士が超光合体した最終攻撃形態。マシン状態でリクシンキの後部にクウレツキ、前部と下部にホウジンキが組み合わさる形で完成する。最高飛行速度マッハ8を誇り、逃走する敵を追撃する際に活躍する。超光騎士それぞれのビームを一条の光線と化す必殺武器のバスタートルネードは、ダークゲートを破壊するほどの威力を有する。
クリスタルステーション
第9話より登場。宗方が家屋敷を抵当に入れて完成にこぎつけた秘密基地で、S.A.I.D.O.Cの各種施設の他、超光騎士を格納、出動に備えメンテナンスが行われている。また、最上部にクリスタルパワー発生装置を備え、太陽光線などから作り出したクリスタルパワーが超光騎士に供給されている。
ザ・ブレイダー

第32話より登場した第2のヒーロー。速水克彦が「バージョンアップ」の掛け声とともに変身し、高笑いと共に登場する。「命の闇の種」を飲み込んだことにより図らずも変身能力を身につけたもので、その能力は梅干しを食べることによって、ごく短時間意識を失ってから発現する。基本カラーは緑で、マッチョな外見に相応しく格闘戦を得意とし、動きは俊敏。

速水の真面目な性格が反映・助長され、市民レベルの些細な善行にも活躍し大人気となるが、そのために闇生物との戦いを放棄してしまうことも。変身のメカニズムおよび速水本人が変身していた事実を忘れる理由はナレーション[32]で事細かに解説されるが、あまりに長すぎるため説明し終わるのはいつも戦闘終了直前であり、また一部省略されることもある。

最終話の「もうひとつの世界」では速水は意識を失わず、ポーズを取るだけで変身している。

速水克彦がザ・ブレイダーに変身することは企画当初から考えられており、「マッチョなタイツヒーロー」をコンセプトに、筋肉の部分は造形ではなく縫製によって表現する構想も当初はあったという[33]。また特徴の一つである、頭部からタテガミのように生えている毛は、第21話に登場したミミンガの毛の造形が良かったことから篠原がデザインに取り入れたものである[28][33]。カラーリングは当初「赤」のイメージでデザイン作業が行われていたが、超光戦士との兼ね合いもあり、並行して存在していた「緑」という案を採用[33]。緑色でちょっとしか出番がないという繋がりから、色分けは『光戦隊マスクマン』のX1マスクに意識的に近づけている[33]

ザ・ブレーダーはテレビマガジン講談社)が募集した3つの候補(グリーンファイヤー、ザ・ブレーダー、スピーダー)の中で最も多く寄せられたことから令名した[34]


ザ・ブレイダーキック
前方宙返りと共に両足でジャンプキックを敵の胸部に放ち、後に物理法則を超えて顔面を蹴って後方宙返りで敵から離脱するブレイダーの必殺技。
ザ・ブレイダーアタック
近くにあった新聞紙で、ゴキブリを倒す際に使用。
ダークザイド

元々は別世界・闇次元を住処としていたモンスター。闇次元が滅亡の危機に瀕したため、止むを得ずに人間の世界へと密かに移住してきた。人間の姿に化けており、こちらの世界で生きるには人間の生命エネルギー・ラームが必要不可欠である。

組織ではなく種族であるため、上下関係がそれほど強いわけではなく、幹部に対して反抗的な態度を取る者もいる上に、各々が自分勝手にラームを捕食するために活動している。また人間を「食料」として見ているが思考・行動様式は人間とほとんど変わりがなく、多くがごく普通に人間社会に溶け込んでいる。そのため、従来の特撮怪人とは異なり人間を強く見下してはおらず、むしろガウザー/黒岩省吾のように人間に恋愛感情を抱く者もいる。中には人間界の生活に適合不全を起こした挙句ディープな趣味に走る者、人間関係に疲れて胃潰瘍になる者や、うつ病となって自殺する者さえいる。

他方、種の存続のための「人知れず、密かに」を基にした規律は存在しており、それを破った者には幹部から制裁が下される。人間体でも常人をはるかにしのぐ身体能力の持ち主も多く、片手だけ本来の姿に戻ることも可能。一種の流行なのか、人間体で片耳にアクセサリーをしている者が幾人も登場している。人間体から闇生物に戻る際に決まった掛け声を発する者もいる。

戦闘員の類は存在しないが、アトラクションのヒーローショーにのみオレンジと黒の衣装を着た戦闘員が登場している[35]

デザイン面では、聖幹部の3人には共通して「黒」をイメージカラーとして設定している[36]。また各回のゲスト怪人に相当する闇生物は、企画当初から器物をモチーフとすることが決定しており、モチーフを抽象的にバラして構成、配置するという『機動刑事ジバン』のバイオノイドに近い手法でデザイン作業が行われた[37]。さらに「過去の怪人のデザインが、どこまで現在でも通用するか」という試みから、過去の特撮作品に登場した怪人[注釈 7]を、表向きのデザインモチーフとは別に隠しモチーフとして盛り込んでいる[37]

闇将軍ザンダー(やみしょうぐんザンダー) / 片桐 一樹(かたぎり かずき)
3人の「聖幹部」の1人で最高指揮官的な存在。将軍の名に相応しい勇猛果敢なファイターで、戦闘では青龍刀型の大振りの剣を振るう。感情の昂りで甲殻状の仮面が開き、中に隠れていた素顔を見せることもある。人間界に潜むための姿は当初固定されていなかったが、中盤からギャンブラー「片桐一樹」の姿に固定された。本来の姿に戻る際の掛け声は「ダーク・バースト」。従来の特撮作品に見られる「悪役の征服行為」を行おうとする。シャンゼリオンを倒すためには複数で狙ったり、卑怯な手段も辞さないと語るが、ダークザイド全体を考えての現実的判断によるものである。事実、暁を捕らえた際は、速水を代わりの人質にしたいという暁の申し出を聞き入れている。ガウザーとの関係は険悪であるものの、互いの実力を認めているのか重みのある対峙を繰り返している。劇中ではシャンゼリオンとの最終的な決着は描かれずに終わった。

鎧のイメージから、甲殻類をデザインモチーフとしており、何も考えずひたすら自分好みのデザインを突き詰めていったものとなっている[36]

神官モードス
「聖幹部」のうちの1人。幹部の中で最も冷静で理知的な雰囲気を漂わせており、闇生物たちの現状もよく把握している。闇法廷裁判長というもう1つの顔があり、法で裁けない悪行への裁判を公平に執り行っている。左肩に「キーバード」と呼ばれる鳥型の闇生物がとまっており、ザファイアの封印を解く鍵の役割を担っている。第23話で暁を闇法廷で裁こうとしたが失敗、戦闘ではシャイニングアタックを劇中で唯一無効化する実力も見せたが、最後はシャイニングバスターを受けて倒される。その後モードスの元を離れたキーバードは、ザファイアの封印を解くと同時に息絶えた。

デザインモチーフは植物系で統一されている。またデザイン作業の段階ではキーバードの方が本体で、モードスの方は実体がない存在というスタイルをやりたかったと後に述懐しており、演者の左手でマペット操作する、腹話術みたいなイメージも欲しかったという[36]

博士ヴィンスー
「聖幹部」のうちの1人。肥満体型を自分でも気にしており、幹部の中ではコミカルな印象がある。人間を闇生物へと変異させるなど、呪術的な能力を持つ。序盤の人間体は老人だったが、暁たちと対峙したときは中年の清掃員に化けていた。健康な老人のラームを好んで集めていたが、第36話でこのことが暁たちに露見し、戦闘ではシャンゼリオンの放ったシャイニングバスターをも呑みこむが、内部から破裂して絶命した。

デザインモチーフは爬虫類系の要素のみで構成されている。また聖幹部のうち1人だけ、ガウザーと共に時期を外してデザインを提出しており、その時点でカラーコピーの濃度が薄くなっていたからか、造形では前述したイメージカラーである「黒」よりも青の印象が強い塗装が施されてしまい、篠原にとっても残念な思いの残るものとなったという[36]

暗黒騎士ガウザー(あんこくきしガウザー) / 黒岩 省吾(くろいわ しょうご)
中盤より登場。日本刀型の剣を振るい、ザンダーと互角の実力を誇る。闇生物では異端な存在、野心家としてその名を知られているらしい。本来の姿に戻る際の掛け声は「ブラック・アウト」。「自分に惚れた女」のラームを好む。自分の実力と矜持に則った上で戦う傾向にあり、卑怯な手段を取る者は闇生物であろうと容赦なく始末する。人間体である黒岩は「黒岩相談所」の所長を務める若き俊才。自信家でプライドが高く、ことあるごとに図書館などで調べてきたよく分からない(細部が間違ってたり、真偽不明の俗説のときもある)薀蓄を「知っているか!」のセリフと共に垂れるのが特徴。当初は相談所で人間社会に馴染めない同族を励まし、アドバイスや仕事を仲介していた。後にその仕事を通じて集めた選挙資金と人脈を活かし、「人間社会のルールに則った征服」を目標に都知事に立候補。対抗して出馬した暁が予想外に追い上げるものの、当選を果たす。終盤では暁に東京都知事の座を譲り引退。その後東京都独立クーデターを起こし「東京国」の初代皇帝に即位。また自分の敵となりうる暁には先んじて金と女と権力を与え放蕩により無力化するなど、策略と人脈を最大限に駆使した征服行為を行ったが、目的のために始末した人々の子供たちから拳銃と手榴弾による復讐を受けて絶命、戴冠式を前にその野望は絶たれることになる。その結末に至る経緯があまりにも衝撃的だったため、黒岩の最後の登場回となる第38話は重要な回であるにもかかわらず、一部の地域で欠番扱いにされて未放送になっている。

メインライターの井上敏樹は彼を「人間を征服する皇帝などと言いつつ、その実人間になりたかった奴」としており、「暁では相手にならず、自滅する他なくなった」としている[30]

デザインモチーフは魚類。聖幹部とは異なるライバルキャラクターとして設定されていたことから、イメージカラーも「青」とされており、デザイン段階でも「旧1号のヘルメットの色」と指定されていた。また日本の鎧武者のイメージを前面に出すことで、同じく鎧の戦士であるザンダーとの差別化を図っている[36]。元々は第3話にて初登場する予定であり、実際にそれに合わせてスーツも製作されていたが、諸般の事情から実際に初登場したのは1クール終盤となった[27]

ザファイア / 小夜子(さよこ)
後半より登場。ガウザーも認めるほどの一流の戦士。「ブリリアン・カット」の掛け声で本来の姿に戻り、「ザイファイア」と呼ばれる2本のを武器に、素早い動きで敵を攻撃する。「惚れた男に尽くして尽くして滅ぼしてしまう」女性で、恋敵は倒し、彼女の愛に反した相手には復讐に転じる。並のストーカー行為を超えたその行動によって、ザンダーを含めた幾人もの闇次元界の男たちが酷い目に遭っており、それが原因で封印されたという曰く付きの闇生物。また文字通り「2人だけの世界」を理想とし、妄想として描かれたその世界は恋人と自分以外生命の無い荒野と化していた。復活した当初にナンパをかけてきた暁に尽くすが、彼が自分の愛を受け入れないことから一転して刃を向ける。なお暁を殺害する意思はなく、復讐に際しては暁を苛めると語っていた。終盤小夜子の状態ではパンクファッションに身を包み、左手の指輪から発する光線で暁たちに襲い掛かった。最終話の「もうひとつの世界」では宗方を殺害したが、シャンゼリオン、ザ・ブレイダーとの決戦でシャイニングアタックを受け倒される。

デザインに当たっては「黒人の陸上選手」をイメージした、スポーティな女キャラを志向したものとなっている[38]

闇貴族デスター(やみきぞくデスター) / 花柳 裕司(はなやなぎ ゆうじ)
第17・18話に登場。細身の剣を武器とする。言葉遣いこそ丁寧だがガウザーに匹敵する野心家で、場合によっては人質を取ることも辞さない。本来の姿に戻る際の掛け声は「ブラッディ・ウィンド」。人間体の花柳はピアニストとして活動しており、登場する際はどこであろうと常にグランドピアノで特定の曲を弾きながら現れる。ザンダーやガウザーといった他の実力者たちがシャンゼリオンを狙っていることを知り、自らも名を上げるべく「宿命のライバル」を名乗ってシャンゼリオンに挑みかかるも、るいが傷ついたことで怒った暁の猛攻を受け倒される。ザンダーより若く実力でも劣るらしく、ザンダーを挑発した際には余裕をもってあしらわれていた。

モチーフとなった器物は辞書で、隠しモチーフにはイソギンチャック仮面ライダー)が選ばれている[39]

闇魔人アイスラー(やみまじんアイスラー) / 日向 誠(ひゅうが まこと)
第17・18話に登場。右腕を変化させた剣を武器にする。登場当初は謎の風来坊として暁たちを救うそぶりをみせるが、その実、ガウザーたちを倒してダークザイドの地位を得ようとした卑劣漢であり、暁が役に立たないとみるや本性を現して襲いかかった。本来の姿に戻る際の掛け声は「グランド・クロス」。人間体ではハーモニカを愛用しており、登場する度のみならず変身する際にも吹き鳴らす。シャンゼリオンとの4対1の決戦時、2度に渡ってシャンゼリオンを背後から狙ったことからガウザーの怒りを買い、斬殺された。

デザインモチーフは冷蔵庫で、本来は第6話に登場するダチュラーとして描き起こされたラフスケッチを手直ししたものとなっている。また隠しモチーフは明確な言及こそ避けているものの、東映特撮ではなく円谷系の怪獣が念頭にあったことを明かしている[40]

ユリカ
黒岩の秘書。黒岩を愛しており、拒絶された時も自分の意思で彼の元へ戻った。黒岩と惹かれ合うエリを、自分や他者の手で殺そうとしたこともあった。彼女も闇生物のようだが、劇中では本来の姿は明かされなかった。
女王エリーザ
最終話の「もうひとつの世界」に登場した最後の幹部で、同世界における南エリの正体。戦闘時も姿は怪物じみているが、顔はエリと共通。手から光線を発し、剣と鞭が武器。

デザインは企画初期に存在した4人目の幹部「聖王女ユリコ」として描き起こされたものであり、海外セールスとの兼ね合いや登場キャラクターの数を整理する過程で登場が見送られていたところ、最終話の脚本に「エリの変身」が描写されていたことから、既に造形済みだった頭部に胴体部分の衣装を追加、エリーザとして転用されたという経緯を持つ[38]

用語
闇次元(界)
闇生物達が元々居た世界。企画書では、6億年前の次元振動によって生じた地球の“影”として設定されている
[31]。より深い闇の侵食が進んだ結果、物語後半で闇生物たちすら生活できないほど荒廃してしまった。宗方が調査に向かった際利用した洞窟など、地球との出入り口が存在するらしい。
ラーム
人間の生命エネルギーのことで、作中では人格も内包している、いわゆる魂のようにも描かれている。企画段階では「チャクラ」と呼称され[41]、また作中では光として描写されているものの、固形の物体を想定したデザインも描き起こされている[38][14]。闇生物が吸うラームの量は加減できるらしく、吸われた人間が気を失うだけの場合もあれば、肉体ごとひと飲みされる、もしくはラームを吸い尽くされた人間が跡形もなく溶けてしまう場合もある。ラームの“味”は年代や性別、果ては感情や体調で変化するらしく、闇生物たちの好みも「花嫁」「悲しんでいる者」「失血した者」など千差万別である。
闇の種
正式名称は「命の闇の種」。大きな実の中に、丸く平たい種が幾つも入っている。ラームの塊と合わせて祭壇に置くことで、空中にダークゲートを出現させる作用を持つ。ゲートから発する命の闇は地球を新たな闇次元界へと変えてしまう作用があり、直接吸った人々が苦しむ描写も見られた。宗方曰く「闇次元界の根幹にして、闇生物の生命を成すもの」であり、聖幹部たちの間ですら伝説扱いされていた。ダークザイドの弱点を知るのに役立てようと、宗方が決死の調査の末発見したが、勘違いした速水によって全部平らげられてしまった。
キャスト


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