涼村暁がシャンバイザーを介して光の粒子を集め、強化ボディスーツ・クリスタルスーツを纏った姿。この現象は「燦然(さんぜん)」と呼称され、宗方の長年の研究を元にS.A.I.D.O.Cが開発した「クリスタルパワー」を浴びることによって可能となる。当初は速水克彦がなる予定だったが、クリスタルパワーを運ぶトラックがダークザイドの襲撃を受けた煽りで暁がクリスタルパワーを浴びてしまったことにより、彼がシャンゼリオンとして戦うこととなった。
人間の数十倍の運動能力に達するが、前述のように基本的に暁が頑張らないため、大抵が「超ラッキー!」で勝利する[3]。
またクリスタルパワーはラームに付着するため、暁と速水のラームが入れ替わった際には速水が燦然したこともある。 シャンゼリオンをサポートする目的でS.A.I.D.O.Cが開発した3体のロボット。シャンゼリオンやS.A.I.D.O.Cメンバーの要請を受け、即座に駆けつける。いずれも高度な人工頭脳と人語による意思の疎通能力を有しており、戦闘のみならず暁の選挙活動のサポートまでこなしたこともある。 3体ともシャンゼリオン並かそれ以上のパワーを有するが、敏捷性にやや難がある。施設の電力不足のために当初は起動できず、S.A.I.D.O.C本部が闇生物の襲撃を受けた際の偶発的に発生した高圧電流を受けてようやく覚醒した。 クリスタルステーションが登場する第9話以降は、同基地からの発進シーンが描写されるようになった。 諸元リクシンキ 諸元クウレツキ 諸元ホウジンキ 諸元シャイニングバスター 第32話より登場した第2のヒーロー。速水克彦が「バージョンアップ」の掛け声とともに変身し、高笑いと共に登場する。「命の闇の種」を飲み込んだことにより図らずも変身能力を身につけたもので、その能力は梅干しを食べることによって、ごく短時間意識を失ってから発現する。基本カラーは緑で、マッチョな外見に相応しく格闘戦を得意とし、動きは俊敏。 速水の真面目な性格が反映・助長され、市民レベルの些細な善行にも活躍し大人気となるが、そのために闇生物との戦いを放棄してしまうことも。変身のメカニズムおよび速水本人が変身していた事実を忘れる理由はナレーション[32]で事細かに解説されるが、あまりに長すぎるため説明し終わるのはいつも戦闘終了直前であり、また一部省略されることもある。 最終話の「もうひとつの世界」では速水は意識を失わず、ポーズを取るだけで変身している。 元々は別世界・闇次元を住処としていたモンスター。闇次元が滅亡の危機に瀕したため、止むを得ずに人間の世界へと密かに移住してきた。人間の姿に化けており、こちらの世界で生きるには人間の生命エネルギー・ラームが必要不可欠である。 組織ではなく種族であるため、上下関係がそれほど強いわけではなく、幹部に対して反抗的な態度を取る者もいる上に、各々が自分勝手にラームを捕食するために活動している。また人間を「食料」として見ているが思考・行動様式は人間とほとんど変わりがなく、多くがごく普通に人間社会に溶け込んでいる。そのため、従来の特撮怪人とは異なり人間を強く見下してはおらず、むしろガウザー/黒岩省吾のように人間に恋愛感情を抱く者もいる。中には人間界の生活に適合不全を起こした挙句ディープな趣味に走る者、人間関係に疲れて胃潰瘍になる者や、うつ病となって自殺する者さえいる。 他方、種の存続のための「人知れず、密かに」を基にした規律は存在しており、それを破った者には幹部から制裁が下される。人間体でも常人をはるかにしのぐ身体能力の持ち主も多く、片手だけ本来の姿に戻ることも可能。一種の流行なのか、人間体で片耳にアクセサリーをしている者が幾人も登場している。人間体から闇生物に戻る際に決まった掛け声を発する者もいる。 戦闘員の類は存在しないが、アトラクションのヒーローショーにのみオレンジと黒の衣装を着た戦闘員が登場している[35]。
装備
シャンバイザー
クリスタルパワーを制御し、シャンゼリオンに変身するための道具。暁の「燦然・シャンバイザー!」の掛け声と共に暁の頭に出現し、バイザーを下ろすことによりクリスタルパワーを発現させ、暁の姿をシャンゼリオンへと変える。初変身時のみ宗方の手で被せられている。
シャンディスク
胸部に収納されている、8センチCD型のディスク。各種武器を出現させる際に使用する。劇中ではレッド、グリーン、イエローの3種類が登場している。
シャイニングクロー
シャンゼリオンの右腕に装着される、鉤爪付きのガントレット型の武器。レッドディスクで打撃力を高めた「クローパンチ」を発動、イエローディスクで銃身から「クローバースト」と呼ばれる光線を発射可能。
シャイニングブレード
光の長剣。グリップの部分が出現し、鍔の部分が左右に開いてブレード部分が伸びる。ブレード部分が金色のものと透明のものが存在する。「一振り!」ほか、気合を入れた掛け声で相手を斬り裂いて大きなダメージを与える。
ガンレイザー
クリスタルエネルギーを打ち出す光線銃。銃身の内部のシリンダーで光のエネルギーを圧縮、充填し、破壊光線を連射する。シャイニングクロー同様、シャンディスクを装填して使用する。
スクラムブレイザー
ガンレイザーにシャイニングブレードを合体させることにより、銃のエネルギーに剣のエネルギーを加えることでより強力な破壊エネルギーを加えた破壊光線を発射する光線銃。
シャイニングアタック
シャンディスク上部に右腕をかざし、技名を叫んで発動。胸のシャンディスクにクリスタルパワーを集め、シャンゼリオンの姿を模したエネルギー体を発射。そのエネルギー体が変形した弾丸で敵の胴体を貫く。メイン必殺技であるが、初使用時のみ反動で後ろに転んで尻餅をついていた。
超光騎士
企画段階では超光騎士も透明にするという案もあったが、色味が乏しくなることから定番の三色になった[2]。変形ギミックはスーパー戦隊シリーズとの差別化のためブロック構成にはせず、トランスフォーマーシリーズのような変形が意識されている[2]。
全高2 m
重量512 kg
リクシンキ(陸震輝)
陸戦用のサポートロボットで、無人走行可能なオートバイに変形し、最高速度は時速600km。超光騎士形態では両手の計6門の砲門からリクシンバクカンやショックビームを放つ。
全高2.1 m
重量1024 kg
クウレツキ(空裂輝)
ロケット型のブースターに変形し、シャンゼリオンと合体してマッハ1.5での飛行が可能。超光騎士形態では両腕からクウレツビームを放つ。素直な性格で、暁が情けないのは仲間が甘やかしすぎだからと説教され、肯定して帰っていったこともある。
全高2.3 m
重量768 kg
ホウジンキ(砲陣輝)
移動砲台に変形し、二門のスーパーキャノンと機体下部からの光線で長距離攻撃を行う。砲台形態では時速128kmでの飛行が可能。超光騎士形態では右腕をマジックハンドのパワーシザースに、左腕を1秒200回転のジェットドリルにそれぞれ換装することが可能。超光騎士最高の腕力と防御力を持ち、強力なパワーを生かした肉弾戦を得意とする。
全長6.3 m
全幅2 m
総重量2276 kg
シャイニングバスター
3体の超光騎士が超光合体した最終攻撃形態。マシン状態でリクシンキの後部にクウレツキ、前部と下部にホウジンキが組み合わさる形で完成する。最高飛行速度マッハ8を誇り、逃走する敵を追撃する際に活躍する。超光騎士それぞれのビームを一条の光線と化す必殺武器のバスタートルネードは、ダークゲートを破壊するほどの威力を有する。
クリスタルステーション
第9話より登場。宗方が家屋敷を抵当に入れて完成にこぎつけた秘密基地で、S.A.I.D.O.Cの各種施設の他、超光騎士を格納、出動に備えメンテナンスが行われている。また、最上部にクリスタルパワー発生装置を備え、太陽光線などから作り出したクリスタルパワーが超光騎士に供給されている。
ザ・ブレイダー
速水克彦がザ・ブレイダーに変身することは企画当初から考えられており、「マッチョなタイツヒーロー」をコンセプトに、筋肉の部分は造形ではなく縫製によって表現する構想も当初はあったという[33]。また特徴の一つである、頭部からタテガミのように生えている毛は、第21話に登場したミミンガの毛の造形が良かったことから篠原がデザインに取り入れたものである[28][33]。カラーリングは当初「赤」のイメージでデザイン作業が行われていたが、超光戦士との兼ね合いもあり、並行して存在していた「緑」という案を採用[33]。緑色でちょっとしか出番がないという繋がりから、色分けは『光戦隊マスクマン』のX1マスクに意識的に近づけている[33]。
ザ・ブレーダーはテレビマガジン(講談社)が募集した3つの候補(グリーンファイヤー、ザ・ブレーダー、スピーダー)の中で最も多く寄せられたことから令名した[34]。
技
ザ・ブレイダーキック
前方宙返りと共に両足でジャンプキックを敵の胸部に放ち、後に物理法則を超えて顔面を蹴って後方宙返りで敵から離脱するブレイダーの必殺技。
ザ・ブレイダーアタック
近くにあった新聞紙で、ゴキブリを倒す際に使用。
ダークザイド
デザイン面では、聖幹部の3人には共通して「黒」をイメージカラーとして設定している[36]。また各回のゲスト怪人に相当する闇生物は、企画当初から器物をモチーフとすることが決定しており、モチーフを抽象的にバラして構成、配置するという『機動刑事ジバン』のバイオノイドに近い手法でデザイン作業が行われた[37]。さらに「過去の怪人のデザインが、どこまで現在でも通用するか」という試みから、過去の特撮作品に登場した怪人[注釈 7]を、表向きのデザインモチーフとは別に隠しモチーフとして盛り込んでいる[37]。
闇将軍ザンダー(やみしょうぐんザンダー) / 片桐 一樹(かたぎり かずき)
3人の「聖幹部」の1人で最高指揮官的な存在。将軍の名に相応しい勇猛果敢なファイターで、戦闘では青龍刀型の大振りの剣を振るう。感情の昂りで甲殻状の仮面が開き、中に隠れていた素顔を見せることもある。人間界に潜むための姿は当初固定されていなかったが、中盤からギャンブラー「片桐一樹」の姿に固定された。本来の姿に戻る際の掛け声は「ダーク・バースト」。従来の特撮作品に見られる「悪役の征服行為」を行おうとする。シャンゼリオンを倒すためには複数で狙ったり、卑怯な手段も辞さないと語るが、ダークザイド全体を考えての現実的判断によるものである。事実、暁を捕らえた際は、速水を代わりの人質にしたいという暁の申し出を聞き入れている。ガウザーとの関係は険悪であるものの、互いの実力を認めているのか重みのある対峙を繰り返している。劇中ではシャンゼリオンとの最終的な決着は描かれずに終わった。
鎧のイメージから、甲殻類をデザインモチーフとしており、何も考えずひたすら自分好みのデザインを突き詰めていったものとなっている[36]。
神官モードス
「聖幹部」のうちの1人。幹部の中で最も冷静で理知的な雰囲気を漂わせており、闇生物たちの現状もよく把握している。闇法廷裁判長というもう1つの顔があり、法で裁けない悪行への裁判を公平に執り行っている。左肩に「キーバード」と呼ばれる鳥型の闇生物がとまっており、ザファイアの封印を解く鍵の役割を担っている。第23話で暁を闇法廷で裁こうとしたが失敗、戦闘ではシャイニングアタックを劇中で唯一無効化する実力も見せたが、最後はシャイニングバスターを受けて倒される。その後モードスの元を離れたキーバードは、ザファイアの封印を解くと同時に息絶えた。
デザインモチーフは植物系で統一されている。またデザイン作業の段階ではキーバードの方が本体で、モードスの方は実体がない存在というスタイルをやりたかったと後に述懐しており、演者の左手でマペット操作する、腹話術みたいなイメージも欲しかったという[36]。
博士ヴィンスー
「聖幹部」のうちの1人。肥満体型を自分でも気にしており、幹部の中ではコミカルな印象がある。人間を闇生物へと変異させるなど、呪術的な能力を持つ。序盤の人間体は老人だったが、暁たちと対峙したときは中年の清掃員に化けていた。健康な老人のラームを好んで集めていたが、第36話でこのことが暁たちに露見し、戦闘ではシャンゼリオンの放ったシャイニングバスターをも呑みこむが、内部から破裂して絶命した。
デザインモチーフは爬虫類系の要素のみで構成されている。また聖幹部のうち1人だけ、ガウザーと共に時期を外してデザインを提出しており、その時点でカラーコピーの濃度が薄くなっていたからか、造形では前述したイメージカラーである「黒」よりも青の印象が強い塗装が施されてしまい、篠原にとっても残念な思いの残るものとなったという[36]。
暗黒騎士ガウザー(あんこくきしガウザー) / 黒岩 省吾(くろいわ しょうご)
中盤より登場。日本刀型の剣を振るい、ザンダーと互角の実力を誇る。闇生物では異端な存在、野心家としてその名を知られているらしい。本来の姿に戻る際の掛け声は「ブラック・アウト」。「自分に惚れた女」のラームを好む。自分の実力と矜持に則った上で戦う傾向にあり、卑怯な手段を取る者は闇生物であろうと容赦なく始末する。人間体である黒岩は「黒岩相談所」の所長を務める若き俊才。自信家でプライドが高く、ことあるごとに図書館などで調べてきたよく分からない(細部が間違ってたり、真偽不明の俗説のときもある)薀蓄を「知っているか!」のセリフと共に垂れるのが特徴。当初は相談所で人間社会に馴染めない同族を励まし、アドバイスや仕事を仲介していた。後にその仕事を通じて集めた選挙資金と人脈を活かし、「人間社会のルールに則った征服」を目標に都知事に立候補。対抗して出馬した暁が予想外に追い上げるものの、当選を果たす。終盤では暁に東京都知事の座を譲り引退。その後東京都独立クーデターを起こし「東京国」の初代皇帝に即位。また自分の敵となりうる暁には先んじて金と女と権力を与え放蕩により無力化するなど、策略と人脈を最大限に駆使した征服行為を行ったが、目的のために始末した人々の子供たちから拳銃と手榴弾による復讐を受けて絶命、戴冠式を前にその野望は絶たれることになる。その結末に至る経緯があまりにも衝撃的だったため、黒岩の最後の登場回となる第38話は重要な回であるにもかかわらず、一部の地域で欠番扱いにされて未放送になっている。
メインライターの井上敏樹は彼を「人間を征服する皇帝などと言いつつ、その実人間になりたかった奴」としており、「暁では相手にならず、自滅する他なくなった」としている[30]。
デザインモチーフは魚類。聖幹部とは異なるライバルキャラクターとして設定されていたことから、イメージカラーも「青」とされており、デザイン段階でも「旧1号のヘルメットの色」と指定されていた。また日本の鎧武者のイメージを前面に出すことで、同じく鎧の戦士であるザンダーとの差別化を図っている[36]。
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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