超光戦士シャンゼリオン
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このうち前者は、キャラクターデザインを務めた篠原保のサイトなどで確認できる[14][15]
スタッフ・キャスト

本作品に携わったキャストやスタッフは平成仮面ライダーシリーズを始め、その後の特撮作品に何かと関わることが多い。その一方で、広瀬匠高橋利道といった過去の特撮作品に出演した俳優も起用している。また速水克彦役の相澤一成は『激走戦隊カーレンジャー』のオーディションを身長を理由に不合格となり、本作品を受けることになったとも語っている[16]

メイン監督である長石多可男は、当初『カーレンジャー』にオファーがあったが急遽本作品へ参加することとなった[17]。また長石の他に、小中肇や東映特撮作品への最後の参加となった蓑輪雅夫、そして本作品が監督デビューとなる諸田敏が演出陣に名を連ねている[注釈 3]。特撮監督には円谷プロで手腕を振るった佐川和夫が担当。

本作品は出演者のスケジュール調整やアクシデントに、スタッフが苦しんだ作品でもある。舞台の仕事との兼ね合いから、速水役の相澤一成は第14話、宗方役の市山登は中盤エピソードの多くに未登場となった[19]。また、朱美役の林美恵は学業との両立が困難となり、第14話でレギュラー出演を途中降板している[20]。学生のキャスティングについて東映では『有言実行三姉妹シュシュトリアン』でうまく乗り切った前例があるだけに、後年にスタッフの反省と後悔が語られている[21]。その後を継いだ、るい役の松井友香も第34・35話の収録期間中、交通事故に遭い降板を余儀なくされた[22]
造形

本作品のヒーローは透明素材により造形されている。これはかつて東映で企画され、後にOV作品『大予言/復活の巨神』の原型となった『スペクトロン』と呼ばれる作品でも試みられており[23]、同作品や前出の『ハカイダー』を手がけ、本作品にも企画段階で関わっていた吉川進プロデューサーを中心に高まっていた「今までにない新しい作品を作ろうという動き」と、前述の通り当時透明素材を使った造形物の実現に意欲を燃やしていたレインボー造型企画との思惑が一致した末の産物でもあった[要出典]。

スーツのデザインには、東映特撮で数々のキャラクターデザインを手がけてきた篠原保が携わっており、「天使の衣を纏った鬼」というイメージの元にデザインされている[10]。長年ヒーロー番組に携わってきたレインボー造型企画でも、内部が透けて見えるクリスタル状のボディという、それまでのヒーローとはまったく異なるコンセプトのスーツ製作に当たっては、透明度と強度の両立や着脱の際に必要な分割ラインの配置など課題が多く、造型は困難を極めたという[24]

あまりの重さにJACのスタッフに「これを着て演技ができるのは(JACのメンバーでも)岡元次郎だけ。他の者では首の骨が折れる」とまで言われた。主演の萩野も1度着てみようとしたところ、「(重さに耐えられず)転んで壊されては困る」とスタッフに止められたという[25]

またこれに関連して、エンディング映像の夕暮れを見つめるシャンゼリオンを航空カット撮影する際、岡元はアップ用スーツを着て浜松の中田島の浜辺で数時間立ちっぱなしにされた[25]。岡元によれば、マスクに通信機が付けられなかったため、いつ撮影が終わるのか、動いていいのか、まだ撮っているのかどうかもまったく知らされないまま立っているうちに日が暮れていき、潮が満ちていったため「あの時は1人で取り残されて死ぬかと思った」「動くのも大変だったが、動かないのも大変だった」と回想している。
映像

本作品は映像・音声の両面で、東映特撮の撮影方式の転機になった作品である。

映像面では、従来通りのフィルム(16ミリ)撮影となった超光騎士の発進・変形などの特撮パートを除き、仕上げなどの大部分がビデオテープによるVTRクリアビジョン)方式で制作されており、東映特撮作品では初めてのことである[26][3][注釈 4]。このVTR方式での制作については、スタッフの間からも当初「ビデオでアクションができるか」という反発があったものの、第5話より撮影監督として参加した松村文雄が、「フィルムのスタッフがたまたまアクションに馴れてるだけで、技術的には変わらないよ」と、そうした反発の声をねじ伏せたという逸話も残されている[27]

一方、音声はそれまでと変わらない東映特撮伝統のオールアフレコで録音された。これはVTR映像との相性が悪く、しばしば口の動きと声が合わずに違和感が生じており、第1・2話については一部リテイクも行われたという[27]。制作陣も本作品がアフレコ向きでないことは当初から認識していたものの、前述のVTR方式の導入に手一杯であったため[27]、同時録音での制作は総集編として制作された第20話で試験的に取り入れられるのみに留まっている[28]。本作品以降に制作されたビデオ撮影の作品ではオールアフレコが廃され、同時録音方式が採用されることになった。
玩具展開

玩具はセガ・エンタープライゼスおよびセガ・ヨネザワから発売された[2]

玩具でも透明素材を使用するとパーツ構成が複雑になるためコストを抑えるのが難しく、なりきりグッズを手堅くまとめることで全体の予算枠に収める形がとられた[2]

久々にバンダイ以外から発売されるヒーロー玩具として注目されたが[29]、商品購買層として想定していた低年齢層の反響が今ひとつであったため結果は芳しくなく、試作されていた新武器や大型ビークルなどが中止となった[2]。しかしセガでは、この時のノウハウが『新世紀エヴァンゲリオン』や『電脳戦機バーチャロン』などで活かされており、玩具「VDバーチャロン」のパッケージを篠原保が担当するなど人脈の繋がりも継続された[2]
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この節にあるあらすじは作品内容に比して不十分です。あらすじの書き方を参考にして、物語全体の流れが理解できるように(ネタバレも含めて)、著作権侵害しないようご自身の言葉で加筆を行なってください。(2019年2月)(使い方

シャンゼリオンの力を手に入れてしまった私立探偵・涼村暁は正義感も何もないC調ノリのどうしようもないグータラ男だった。やたら調子に乗る、借金をしまくって遊び歩く、暁の所業に翻弄され、本来シャンゼリオンになるはずだった速水克彦たちSAIDOCメンバーは受難続き。

一方、人間社会に潜り込んでいるダークザイドも、ストレスで胃を傷めたり箸袋集めが趣味だったりヒーローオタクだったりの変な連中ばかり。

ヒーローと悪の何とも奇妙な物語が始まった。
主な登場人物
涼村探偵事務所

暁曰く「何代も続く名門私立探偵」だが、暁の性分により閑古鳥が鳴き、あちこちに借金がある。都内某ビルに暁の住居兼事務所を構えている。
涼村 暁(すずむら あきら) / シャンゼリオン
本作品の主人公。どうしようもないほどいい加減かつやる気の見られない性格。探偵業の依頼人相手以外にはたとえ年上であっても敬語は使わない。その上大の女好き・遊び好きの浪費家なので、莫大な借金を抱えている。軟派をやりすぎて、速水に憤慨される。バナナパフェが好物で、辛い食べ物は苦手。口癖は「ふんわかいこうよ、ふんわか」である。不慮の事故で偶然にシャンゼリオンの力を手に入れたが、悩むこと無く「超ラッキー!」と大喜びして受け入れたため、自分の正体を隠す気は無く、むしろ自慢しようとしている。そのため、変身ヒーローのお約束である如何に変身に持ち込むか、結果的に見捨ててしまうことへの葛藤も無く、闇生物と戦う。ヒーローたるべき基本的な使命感を持っていないため、敵味方問わず平気な顔で騙すのは当たり前で、命惜しさに自分だけ助かろうとするなど、従来のヒーロー像からはあるまじき情けない行為を連発する。速水らS.A.I.D.O.Cのメンバーは勿論、倒すべき相手である闇生物にさえヒーローのあるべき姿を教授されたこともある。小学生からバカにされるほど勉強も苦手。その反面非常に寂しがり屋で、秘書が事務所を去った際は孤独を紛らわそうと女性を集めて遊び通したり、生活能力の低さもあってゴミ部屋の一部と化す堕落ぶりを見せている。こうした情けない性格が母性をくすぐり、明らかになっただけでも数十人のガールフレンドに恵まれている。一方で意外と社会をシビアに見ている節があり、それゆえ自分に甘く常に人生を楽しむことだけを求めているため、邪心があるというわけではない。彼が(色々な意味で)ヒーローっぽく見える話は両手の指で余るほどしかないが、彼なりの良心と正義感は持っており、弱者に危害を加える者や他人の心を傷つける者に対しては怒りの表情を見せることもある。不真面目でやらない時はやらないものの、やる時はやる行動力と瞬発力は、性格はさておきザンダーやガウザーからは一目を置かれている。愛車はガタがきはじめた緑のシトロエン・2CV。敵を倒した際には、「俺ってやっぱり、決まりすぎだぜ!」などのセリフとともに一回転して人差し指を向けるという決めポーズをとる。最終話の「もうひとつの世界」ではS.A.I.D.O.Cの一員として描かれる。こちらの暁は生真面目かつ冷静沈着であり、性格は全くの正反対だが、唯一の共通点はどんな苦境でも諦めないこと。暁がダークザイドの総攻撃の最中に燦然のポーズを決めたところで物語は幕を閉じた。

この「もうひとつの世界」はメインライターの井上敏樹曰く「現実の苦しい戦いをしている暁が見た夢」としており、「人生を楽しく生きたいけど、なかなかそうもいかないという現実」とも語っている[30]

暁の乗るシトロエン・2CVとして撮影に使用された車両は、満足に自走できず補修部品も手に入らない本当のオンボロ車であり、毎回トレーラーで輸送していた[31]

橘 朱美(たちばな あけみ)
アルバイトで暁の秘書をしている。18歳。暁よりはるかにしっかりしており、涼村探偵事務所の要のような存在。上京してすぐの時に、探偵業を始めたばかりの暁と出会った。だらしない暁には半ばあきれているが、暁との結婚にも満更ではない素振りを見せたり、岩手県で民宿を営む実家を継がせようとしたこともあり、それなりに認めているようでもある。アイドルの仕事に心惹かれたこともあったが、幼稚園の先生という生き甲斐を見つけ、暁のもとを去った。その後数回の再登場を果たしており、特に最終話でのシーンは第1話の冒頭シーンを再現したものである。「?かもしれない」というのが口癖。

企画書では女子大生であり、弟がいるという設定もあったが、作中では触れられなかった。

桐原 るい(きりはら るい)
物語中盤からのレギュラーで、暁のもとに依頼人として現れ、そのまま秘書の座に収まった少女。朱美とは対照的に常識や経済観念がまるで欠如しており、暁ですらあきれるほどのムダ使いは日常茶飯事で自分勝手な振る舞いが多い。「私、?なんだって」と、自分のことを他人事のように話す癖がある。実は綾乃小路財閥の跡取り娘で、本名は綾乃小路 麗華(あやのこうじ れいか)。かつては大学に通っていたことが作中にて言及されているが、世間知らずゆえに彼女の行いは(善行であっても)結果的に多くの人から反感を買うことが多く、特にはそれが原因で無気力となった者も出るなど、彼女と関わった者たちからの評判は極めて芳しくない。役者の降板に伴い、「暁の常識はずれな女性関係を知ったショックで寝込み」「亡くなった父の遺言に従い財閥の会長職を継いだ」と、劇中のテレビ番組で唐突に語られる形で物語からも退場した。
S.A.I.D.O.C

ダークザイドの侵略を察知した宗方が設立した独立機関。

職員にはCG[注釈 5]ペンと呼ばれる、ダークザイドと人間の識別や護身用のビームガンにも使える多機能なペン型通信機を携帯している。設立に当たっては宗方がその資金の多くを私費で出資しており、作中でも度々財政難に悩む描写が散見される[注釈 6]

このような懐事情に加え、宗方の古巣からの引き抜きにより元々在籍していた技術者たちも姿を消しており、メンバーは以下の3人しかいない。暁もシャンゼリオンの力を手に入れたとは言えメンバーではなく、形式上はあくまで巻き込まれた一般人の協力者である。

プロデューサーの白倉によれば、当初は『超力戦隊オーレンジャー』に登場するU.A.O.H.くらいのスケールがあり、頑張りながらも暁にしてやられて悔しがる、という図式を展開しつつ個人としての暁と組織人の速水という対比を打ち出す構想もあったという。これについては「リアリティがない」「予算が無い」という理由でボツになり[27]、特撮では珍しい正義の組織の経済的背景が描かれる財政難な組織となった。CGペンは元々アメリカのTIGERが販売していた商品であり、セガ側の要望によりストーリーにも組み込まれた[2]

速水 克彦(はやみ かつひこ) / ザ・ブレイダー
宗方にスカウトされ、厳しい訓練に耐えてきた「本来シャンゼリオンになるはずだった男」。「俺はモーレツに感動している!」「なんてこった…」などの口癖がある。甘いものは苦手で、酒は飲めない。暁とは対照的に堅物で熱血漢な好青年。正義感と使命感は非常に強く、人を守るために生身でも闇生物と果敢に戦う。その誠実さは頑なな女性の心にも届き、実はもてているが、明確なアタックを受けたことがないため本人はもてないと思い込んでいる。一方、真面目さと熱さゆえ簡単に他人(主に暁)に騙されてしまい激しく思い込んだり、命乞いをする敵にとどめをさせなかったりと、かえってヒーローに向かない人物像が次第と明らかになった。暁とラームが入れ替わったことにより、一度だけだが念願のシャンゼリオンに変身している。その後も情けなくて不真面目な暁がシャンゼリオンの力を手に入れたことに対し嫉妬しており、そこから来る心の闇に付け込まれヴィンスーの力によって闇生物化したこともある。


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