超人機メタルダー
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さらには第9話から第14話・劇場版では瞬転前の声も飯田が吹き替えていた。瞬転する際の「怒る!」のフレーズも、番組開始当初は飯田の声によるもので、妹尾の声となったのは流星の声を再び妹尾があてるようになった第15話からである。この理由について、妹尾は雑誌『東映ヒーローMAX』のインタビューで自身が当時、病気で入院していたためではないかと推測している[13]

桐原剛造役の藤堂新二や、北八荒役の河合宏など、過去に東映制作の特撮番組でヒーローを演じた俳優が起用された。また、第1話には往年の名優・上原謙が古賀博士役で出演したが、同話の脚本の出演者リストには上原ではなく浜村純の名が記されていた。

ネロス帝国の軍団員の声は、数多くの特撮番組で怪人の声を当てていた渡部猛飯塚昭三といった面々が複数の役を兼ねている。この2名とメタルダー役の飯田に加え、依田英助森篤夫桑原たけしが「声の出演」としてクレジットされているが、彼らが演じた役名は表記されなかった[注釈 2]。ナレーターには、『宇宙刑事ギャバン』『宇宙刑事シャリバン』を担当した政宗一成が、本シリーズでは4作品ぶりに担当。
あらすじ

第二次世界大戦後、アメリカに渡っていたロボット工学の世界的権威、古賀竜一郎博士が42年ぶりに日本に帰ってきた。彼が帰国したのは、世界の影でうごめく死の商人「ネロス帝国」の存在に気付き、戦死した自分の息子の竜夫をモチーフにした人造人間「超人機」を甦らせるためである。

古賀博士の帰国を知ったネロス帝国の帝王ゴッドネロスは博士を抹殺すべく、配下の四大軍団に出撃を命令した。四大軍団の攻撃により、古賀博士は負傷するが何とか秘密基地シルバーカークスにたどり着き、そこで眠っていたアンドロイドである超人機・剣流星を目覚めさせる。

しかし、博士はシルバーカークスを守り、何も知らない流星に敵の存在と人の死を教えるために自らネロスの凶刃に倒れる。それを見た流星は怒りの叫びを上げ、全エネルギーを開放。超人機メタルダーに瞬転する。しかしメタルダーはその能力を把握できないまま、ヨロイ軍団長クールギンの刃に敗れる。傷つきながらも再び立ち上がるメタルダーは自らの存在を不可思議に思い、叫ぶ。

「風よ、雲よ、太陽よ、心あらば教えてくれ! なぜ、この世に生まれたのだ!」と。

こうしてメタルダーとネロス帝国との壮絶な戦いが始まった。
登場人物
メタルダー / 剣 流星(つるぎ りゅうせい)
太平洋戦争末期、旧日本軍の起死回生のために古賀竜一郎博士によって作られた
アンドロイド[14][9][注釈 3]。戦時中に製作されたにもかかわらず、その身体には半世紀以上経った現代でも追いつけない、高度な技術が多数秘められている。通常は流星の姿であるが、体内に秘められた全エネルギーが怒りと感情の高まりとともに頂点に達することで「怒る(いかる)!」の掛け声とともに、メタルダーへと「瞬転」する。大抵の場合は戦いの最中に瞬転を行うが、サイドファントムの運転目的だけでメタルダーになることもあった[ep 1]。流星としての姿は、神風特攻隊で戦死した博士の息子である古賀竜夫の姿をモデルとしている[14][9]。そのパーソナリティも竜夫がモデルとなっており[注釈 4]、彼と同様に音楽をこよなく愛する心を持つ。そのためラプソディとの戦いで名器ストラディバリウスを前にして戦意を鈍らせたこともあった。また、流星の場合はサックスを演奏することもある[注釈 5]など、必ずしもその全てが竜夫のコピーではない、彼なりの「自我」や嗜好も備わっている。メタルダーが完成した時既に日本は終戦を迎えており、古賀博士は表向きは処分したと装い、完成したメタルダーを極秘に建造したシルバーカークスに封印した[15]。そして42年の時を経て、ネロス帝国の存在を知った古賀博士はその封印を解いた[ep 2]。起動したばかりのメタルダーは明確な一般知識や目的もインプットされておらず、当初ははただ単に無我夢中で戦っていた。また「生」の概念の乏しさから、バーベリィの追撃を受けた際には、偶然通りかかった舞を囮にしたこともある[ep 1]。その後、現代社会を知らないまま見知らぬ物に満ちた世界に興味を持ち、舞をはじめとした人間たちとの交流やネロスとの戦いを通じ、人間としても戦士としても成長を遂げていった。長きにわたる戦いの末にネロス帝国を壊滅させるも、ゴッドネロスとの戦いで自身の超重力制御システムが損傷。増大する超重力エネルギーによって地球破壊の危機が迫る中、メタルダーは八荒に超重力エネルギー装置の破壊を頼み、超人機の能力と流星としての姿とを引き換えに地球を守った。その後舞と八荒に感謝の言葉と必ず甦るという決意を残し、スプリンガーと共にどこともなく旅立って行った[ep 3]

メタルダーのデザインは村上克司が頭部を、それ以外のボディは森木靖泰がそれぞれ担当している[16]。森木によると赤と青のカラーリングには最後まで抵抗したという[17]

仲間たち
古賀 竜一郎(こが りゅういちろう)
メタルダーの製作者で、ロボット工学の権威。家族は学生時代に結婚した妻と
[ep 4]、その間に出来た息子の竜夫がいる。竜夫は戦争さえなければバイオリニストになれたほどの音楽の才能の持ち主と称され、21歳のときに海軍少尉になるが、1944年10月に最初の特攻機に搭乗し戦死した[18]。東京帝国大学工学部を卒業後は同大学で教授を務め、戦中は日本軍部の指導の下、大学内に古賀特別研究室が設立され、そこで超人機の開発を行っていた。終戦後はアメリカに渡りNASAに所属。退職後もケンタッキー州に一人で住んでいたが、ネロスの企みを察して日本に帰国し、メタルダーを覚醒させる。その直後メタルダーに闘争心のきっかけを作り[14]、死の意味を伝えるため、自ら身体を張ってネロス帝国の軍団員に殺される[ep 2]。死後、流星の手で山中に埋葬されており、信吾が帰国した際は舞や八荒と共にその墓標に手を合わせた[ep 5]。メタルダーからは当初「古賀博士」と呼ばれていたが、人間のことを理解するうちに「お父さん」と呼ぶ場面も見られた。
スプリンガー
メタルダーの相棒のドーベルマン型ロボット。第2話から登場。元々は超人機開発の前段階で実験用として開発された。人語を解し[8]、鼻は本物の犬以上に利く。メタルダーこと流星に人生の様々なアドバイスをし、彼のメンテナンスやサポートを行う[8]。テレビ好きという一面も持っており[8]、特にアニメを好んで視聴する(たいていコンバトラーVが流れている)。舞とは第18話、八荒とは第20話で初めて顔を合わせた。ネロス帝国との戦いが終わった後、旅立つメタルダーへと付き従っていった[ep 3]
仰木 舞(おおぎ まい)
『週刊アップ』と契約しているカメラマンで、流星が古賀博士以外に初めて出会った人間。第2話から登場。母とは死別し、また父である信吾も通信社の支局特派員として海外に赴任していることが多いため、マンションで愛犬のマミーと暮らしている(外観は1985-86年に竣工したばかりのN.T.K.ハイム(9話)あるいはコーポキタなどが使われた)。明るい性格でカメラマンということもあって好奇心旺盛。世界を知らない流星は彼女を通じて世界を知り、彼女も流星の素性を知ってから、彼に協力するようになる。流星に好意を抱いているらしく、流星と一緒にいる怪盗レッドパンサーことユイに嫉妬したこともあった[ep 6]。メタルダーの願い通り、彼の超重力制御システムを破壊しようとする八荒を止めようとするが、メタルダーと八荒の友情に打たれ、その結末を見届けた[ep 3]
北 八荒(きた はっこう)
モトクロス選手権を目指す新人GPライダーで、元暴走族という経歴を持つ。第16話から登場。血液型はO型(RH-)。生身の人間ゆえに格好が付かないことが多いが、それでも助勢する人情に厚い勇敢な性格の持ち主でもある。一人暮らしをしているためか料理が得意。取材にやって来た舞に思いを寄せており、当初は流星を恋敵として意識していたが、後に彼がメタルダーであることを知り、次第にネロス帝国との戦いにも協力していくようになる。ジャック電撃応援団と呼ばれるオートバイ仲間がおり、軽闘士レベルなら互角以上に奮闘していた。最終決戦ではメタルダーの願いを果たすべく、彼の超重力制御システムを破壊する[ep 3]

@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}物語の中盤から登場したが、登場予定は企画段階からあったという。また当初の設定ではネロス帝国のスパイで、スパイ目的でメタルダーと接するうちに真の友情に目覚め、仲間になるという物語が展開される予定だった。[要出典]

マミー
舞の愛犬で雌のセント・バーナード。第5話から登場[注釈 6]


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