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アテネオリンピック の金メダリスト、エレーナ・スレサレンコによる背面跳び
走高跳(走り高跳び、はしりたかとび、英語: High Jump)は、陸上競技の跳躍競技に属する種目で、助走をつけて片足で踏み切り、飛び越えるバーの高さを競う競技である。近代陸上競技としては19世紀のイギリスで始まった。「はさみ跳び」「ベリーロール」「背面跳び」などの跳躍方法があり、現在では「背面跳び」が主流となっている。2021年現在の世界記録は、男子は1993年のハビエル・ソトマヨルによる2.45m、女子は1987年のステフカ・コスタディノヴァによる2.09mである。
ルール
シューズ
靴底のスパイクは長さ12o以内のものが11本まで取り付け可能で、靴底の厚さは20o以内のものが使用できる[1]。
マーカー
助走の目安となるマーカー(目印)を2個まで置くことができる[2]。
主催者側がマーカーを用意していない場合は、選手側が用意した粘着テープなどを使うことができるが、チョークやその類似品、消えないマーカーは使用できない[2]。
試技時間
試技開始の合図があってから、競技者が4人以上の場合は1分以内、競技者が2-3人の場合は1分30秒以内、競技者が最後の1人の場合は3分以内、競技者が2人以上の場合で同一競技者が同一の高さを連続して試技を行う場合は2分以内に、試技を行わなければならない[3]。
混成競技の場合は、競技者が4人以上の場合は1分以内、競技者が2-3人の場合は1分30秒以内、競技者が最後の1人の場合は2分以内、競技者が2人以上の場合で同一競技者が連続して試技を行う場合(高さが変わっても適用)は2分以内に、試技を行わなければならない[3]。
試技
審判員より事前告知された高さのうち、競技者は任意の高さから開始してもよい[4]。
跳躍は、片足で踏み切らなければならない[5]。
跳躍中の動作により、バーが落下した場合は無効試技(失敗)となる[5]。
バーを越えずに、バーの向こう側に触れたり身体の一部が出た場合は、無効試技(失敗)となる。ただし、跳躍になんら有利でないと審判が判断した場合は無効試技とはならない[5]。
3回続けて失敗すると、次の跳躍をすることが出来ない。[4]。
ある高さを跳ばずにパスをして次の高さを試技することができる[4]。
ある高さの1回目あるいは2回目を失敗した状態でパスをすることもできるが、次の高さは「3?(前の高さで失敗した回数)」回しか試技が行えない[4]。
最後の1人の試技では、試技者の希望の高さを聞いてバーを上げる[6]。
順位決定方法
複数の競技者で最後に超えた高さが同一の場合は、順位を以下のように決定する。
最後に超えた高さの試技回数が最も少ない方。
上記1が同一の場合、試技全体(最後に超えた高さおよびそれまでの高さまでを含めた試技数の全体)のうち、無効試技数の少ない方。[7]
なおそれでも1位が決定しなかった場合は当事者どうしの決戦試技(ジャンプオフ)がおこなわれる。ただし、競技者は決戦試技を拒否することができ、この場合は同率1位となる。[8]2位以下の場合は同順位となる。[9]
跳躍方法1928年アムステルダムオリンピックの金メダリスト、エセル・キャサーウッド によるはさみ跳び
はさみ跳び(英語:Scissors jump)
「はさみ跳び」および「:en:Scissors jump
バーに近い脚→バーから遠い脚を交互に振り上げてバーを超す方法[10][11]。1874年頃にはすでに用いられており[11]、 ウィリアム・バード・ページ(William Byrd Page)が1874年にバーから遠い脚をやや後方に配置する跳び方に改良した[10][注 1]。バー正面からの直線助走で行う「はさみ跳び」は日本においては「正面跳び」と呼ばれた[13][11]。