赤道ギニア
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ビオコ島は火山性の肥沃な土壌と豊富な降水量に恵まれるため、古くからプランテーションが開かれ農業生産が盛んだった[28]。アンノボン島も火山島でビオコ島の南西686kmに位置する[29]。海岸は急で小さな湖がある。推定2,500人の住民の多くは、伝統的なカツオ漁や鯨漁に従事している。

リオ・ムニは北をカメルーン、東と南をガボン、西をギニア湾(大西洋)に接している。主な河川は3本存在し、いずれも東から西へと流れてギニア湾へ注ぐ。最も北のンテム川はカメルーンとの国境を、最も南のムニ川はガボンとの国境をなし中央をベニト川が貫いている[29]。標高の低い丘陵や台地が多く、隣国ガボンに続くシエラ・クリスタル山脈にある大陸部最高地点であるミトラ山でも1,200mである。リオ・ムニは植生としては熱帯雨林が広がっている。海岸はマングローブの森である。

赤道ギニアの総面積28,051km2のうち、ビオコ島 (2,017km2) とアンノボン島 (17km2) からなる諸島部の総面積は2,034km2である。大陸部のリオ・ムニ (26,003km2) の近くにコリスコ島、エロベイ・グランデ島とエロベイ・チコ島からなるエロベイ諸島 (17km2) がある。コリスコ島については、ガボンとの間に領有権の争いがある。
気候

赤道ギニアの気候はビオコ島、リオ・ムニともに熱帯モンスーン気候 (Am) に属し、短い乾季がある。リオ・ムニの雨季は2月から6月、9月から12月で内陸より海岸部で雨が多い。バタでの年間雨量は2,400mm、カラトラバでは4,000mmに達することがある。内陸のミコメセングでは1,300mmである。ビオコ島より気温は低く、湿度が高い。

ビオコ島の乾季は11月から3月である。年間平均気温は25度で気温変化は少なく、空は一日中どんよりしている。南部で特に雨が多く、サン・アントニア・デ・ウレカではモンスーンにより年間11,000mmの雨がもたらされることがある[5]
経済首都マラボ詳細は「赤道ギニアの経済」を参照

伝統的にカカオコーヒープランテーションの国であり、1960年代の輸出額はカカオ38%、コーヒー25%、木材10%となっていた[30]。主力のカカオはビオコ島で主に生産され、コーヒーや木材はリオムニで生産されている[31]。独立後、マシアス・ンゲマの暴政によって一時プランテーションの産出量が激減したものの回復し、1980年代までこの構造に変化はなかった[8]

ところが1992年にビオコ島沖のアルバ油田で原油生産が開始されて以来、主産業は農林水産業から鉱業生産に依存するようになり、さらに1996年のザフィーロ油田、2000年のセイバ油田と新規油田の開発が相次いだため、2011年には原油輸出が40.3%、天然ガス輸出が25.3%を占めるようになって[32]、完全に鉱業を基盤とするようになった。2017年には石油輸出国機構 (OPEC) に加盟した[33]。政府予算もまた原油収入に大きく依存しており、2007年には歳入の約85%が石油・ガス収入によって占められ[34]、または原油生産の伸びに伴い2001年から2009年にかけて政府支出は名目上13倍[35]、インフレを考慮した後でも約8倍の増加を示した[36]

油田の創業以来経済成長が著しく、CIAワールドファクトブックによれば、2016年の一人当たりGDP (PPP) は推計で38,600USドルに達し[37]、アフリカ大陸では最も高く、先進国並の水準となっている。これによって2017年には後発発展途上国の指定を解除された[3]。ただ、2008年の世界平和度指数に基づくジニ係数は65%となっており、所得格差は世界最悪水準となっている。通貨は1985年以降、近隣国と同じく中部アフリカ諸国銀行の発行するCFAフランを使用している[29]
交通詳細は「赤道ギニアの交通(スペイン語版、英語版)」を参照

2,880 km(1,790マイル)の高速道路がある。その大部分は2002年まで舗装されていなかったが、近年から徐々に改善されて来ている。

最近ではバタとオビアン・ンゲマ大統領国際空港を結ぶ長さ175 kmの2車線高速道路を建設し、ガボンとの国境にあるモンゴモ市へ接続する計画が上がっており、同国はその計画の実行へ向けて動き出している。

梅雨の時期には四輪駆動車がないと道路が通行できないことがよくあり、現在も問題となっている面がある[38]
鉄道「赤道ギニアの鉄道」を参照

赤道ギニア国内に鉄道は存在していない。
空港マラボ国際空港赤道ギニアの空港の一覧」を参照

空運は首都のマラボにマラボ国際空港、バタにバタ空港が存在し、両空港間に国内線が就航しているほか、それぞれ近隣諸国に国際線が就航している。またアンノボン島にもアンノボン空港が存在し、マラボとバタに航空便が就航している。またラパスへの首都移転に伴い新首都近郊のモンゴメイェン(英語版)に新しい国際空港の建設が計画され、2012年にオビアン・ンゲマ大統領国際空港(英語版)として開港した[39]

赤道ギニアにはCEIBAインターコンチネンタルギニア・エクアトリアル・エアラインズクロノス航空プント・アズールエア・アンノボンといった航空会社が存在するが、2020年時点ですべての赤道ギニアの航空会社は危険性が高いとしてEU域内乗り入れ禁止航空会社に指定されている[40]
国民「赤道ギニアの人口統計(スペイン語版、英語版)」も参照
人口

赤道ギニアの人口は1963年に24万5000人だったが[30]、1986年には40万人[41]、2017年には126万人にまで増加した[26]。人口密度は2017年で1km2あたり45.2人であるが[26]、これは隣国ガボンに比べて著しく高く、近隣では比較的人口稠密な地域となっている[42]
民族ブビ人の子供詳細は「赤道ギニアの民族(スペイン語版)」を参照

住民は、ほとんどがバントゥー系で、一番多いのは大陸リオ・ムニのファン人で総人口の57%を占める。同じくバントゥー系のブビ人は10%で二番目に多く[26]、ビオコ島に住む。ビオコ島の住民のほとんどはブビ人だが、少数ではあるもののフェルナンディノと呼ばれるクレオールムラート)やヨーロッパ人もいる。アンノボン島の住民はポルトガル人とアンゴラから奴隷として連れてこられたバントゥー系の黒人の混血のメスチーソが多い為、ポルトガル文化の影響が強い。

バントゥー系には、ほかにンドウェ族(フランス語版)/コンベ族(英語版)、ブジェバ族(英語版)、バレング族(英語版)、ベンガ族(英語版)、ベティ族(英語版)がいる。イボ系には、アロ人(英語版)がいる。
言語詳細は「赤道ギニアの言語(スペイン語版、フランス語版)」を参照

赤道ギニアは長くスペインの植民地であったため、言語はアフリカ大陸で唯一スペイン語公用語としている。また第二公用語としてはフランス語も導入している[43]。現地語であるファン語やブビ語(英語版)は主要言語である。また、ポルトガル文化の影響が強かったアンノボン島の住民がスペイン語よりもポルトガル語を話す事から、ポルトガル語諸国共同体にもオブザーバーとして参加し、ポルトガル語も第三公用語としている。


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