赤毛のアン
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当初、村岡は『窓辺に倚る少女』という題を考えていた[8]が、刊行する三笠書房の編集者・小池喜孝が『赤毛のアン』という題を提案し[9]、当時の社長の竹内道之助が村岡にこれを伝えた。

村岡はこれを一旦断るが、これを聞いた村岡の娘のみどり(当時20歳)が『赤毛のアン』という題に賛同し、これを強く推した。このため村岡は、娘のみどりのような若い読者の感覚に任せることにし、『赤毛のアン』という邦題を決定した[10]。しかし、こうして刊行された『赤毛のアン』の表紙に描かれていたのは、どう見ても金髪の少女[11]であった[12]

@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}なお、イタリア語訳の題名も「赤毛のアン」を意味する Anna dai capelli rossi となっているが、これは、翻訳書の刊行よりも先に、日本のアニメ作品が、この題名でイタリアで放送されたことが影響していると考えられている[要出典][13][出典無効]。
主な訳例

Well now - マシューの口癖。村岡花子訳、松本侑子訳では「そうさな」、きったかゆみえ訳では「そうだな」、神山妙子訳、アニメ版では「そうさのう」。

bosom friend - アンとダイアナの間柄を評した言葉。村岡花子訳、松本侑子訳では「腹心の友」
[注釈 4]、神山妙子訳、アニメ版では「心の友」。

may flower - その名の通り5月頃にプリンスエドワード島内で咲くツツジ科イワナシ属(芳香の強いピンクや白花のアメリカイワナシ(英語版))であり、この花のない国に住んでいる人がかわいそうとアンに言わせている[14]。村岡花子訳、神山妙子訳、きったかゆみえ訳では「さんざしサンザシ)」としているが実際には別の花である(さんざしはバラ科サンザシ属)。松本侑子訳、アニメ版では「メイフラワー」。

Lake of Shining Waters - プリンスエドワード島に実在する湖。作中では、元々地元で Barry's pond (バリーの池)と呼ばれていたものをアンがこう命名したことになっている。村岡花子訳、神山妙子訳、松本侑子訳では「輝く湖水」、アニメ版では「きらめきの湖」。

scope for imagination - アンの言動に頻出する言葉。村岡花子訳、松本侑子訳では「想像の余地」、神山妙子訳では「想像/空想の余地」、きったかゆみえ訳では「空想する楽しみ」。

raspberry cordial - 村岡花子訳、神山妙子訳、きったかゆみえ訳共に「いちご水(イチゴ水)」、松本侑子訳では「木苺水」。アンがこれと間違えてワインをダイアナに飲ませてしまう。

patchwork - きったかゆみえ訳、松本侑子訳では「パッチワーク」、神山妙子訳では「つぎはぎ細工」、村岡花子訳では「つぎもの」[15]

quilt - 松本侑子訳では「キルト」、きったかゆみえ訳では「キルティング」、村岡花子訳、神山妙子訳では「さしこ」[15]

アン・シリーズ一覧

各タイトルは村岡花子訳に準拠する(『アンの想い出の日々』のみ、その孫である村岡美枝訳に準拠する[注釈 5]。)。一般に、『赤毛のアン』から『アンの想い出の日々』までのアンを主人公とするか準主人公とする9冊の本を、アン・ブックスと呼ぶ。これに対し、追加の2冊は短編集で、アヴォンリーの村を舞台とし「アンの物語」と同じ背景設定であるが、大部分の作品はアンとは直接に関係していない。総じて題名が示す通り「アンの周囲の人々の物語」である。なお、4冊目「アンの幸福」の原題は、イギリス版はAnne of Windy Willows、アメリカ版はAnne of Windy Poplarsとそれぞれ異なり、内容も多少異なる。アンの作者ルーシー・M・モンゴメリーの墓(プリンスエドワード島

書名原題出版年アンの年齢物語の年代
赤毛のアンAnne of Green Gables190811 - 161877-1882
アンの青春Anne of Avonlea190916 - 181882-1884
アンの愛情Anne of the Island191518 - 221884-1888
アンの幸福Anne of Windy Willows193622 - 25(1888-1891)
アンの夢の家Anne's House of Dreams191725 - 271891-1893
炉辺荘のアンAnne of Ingleside193933 - 391899-1905
虹の谷のアンRainbow Valley191940 - 411906-1907
アンの娘リラRilla of Ingleside192148 - 531914-1919
アンの想い出の日々The Blythes Are Quoted200940 - 751906-1941
以下はアンとの関連が薄い短編集
アンの友達Chronicles of Avonlea1912――
アンをめぐる人々Further Chronicles of Avonlea1920――

派生作品
小説作品

『こんにちは アン』Before Green Gables
(2008年)

「赤毛のアン」100周年を記念して、モンゴメリ財団から依頼された児童文学作家バッジ・ウィルソンが執筆した作品。

アン・シャーリーが両親を失い、マシュウとマリラの兄妹に引き取られるまでの11年間を物語る。この原作を元にしたアニメ作品が『こんにちは アン ?Before Green Gables』として日本でテレビアニメ化されている。


映画作品

『天涯の孤児
(英語版)』(1919年)

ウィリアム・デズモンド・テイラー(英語版)監督、フランシス・マリオン脚色、メアリー・マイルズ・ミンター主演のサイレント映画。プリントは現存しないとされている。


『紅雀(英語版)』(1934年)

RKO製作、ジョージ・ニコラス・ジュニア(英語版)監督、ドーン・オデイ(英語版)主演のモノクロ映画。オデイはこの映画以後、芸名を「アン・シャーリー」とした。

上記の2作品は、いずれも原題はAnne of Green Gables。『紅雀』は日本では1935年に公開され、当時、日本では原作が未だ刊行されていないためこのタイトルとなった(『天涯の孤児』も同様)。

『そよ風の町(英語版)』Anne of Windy Poplars (1940年)

RKO製作、ジャック・ハイブリー(英語版)監督、アン・シャーリー(英語版)主演。日本では1949年に公開。現在の『アンの幸福』。上記の作品と同じ日本では原作が当時未刊行のためこのタイトルとなった。


CBCが製作したミーガン・フォローズの主演のテレビ映画、『赤毛のアン』は、初めてプリンス・エドワード島でロケを行ったことで話題となった。更に、『アンの青春』とその続編の計3作のダイジェスト版が劇場公開されている。第3作目は小説版での第3作『アンの愛情』とはかけ離れたオリジナル・ストーリーである。製作、監督、脚本はケビン・サリバン(英語版)。

赤毛のアン』(1985年)

『続・赤毛のアン アンの青春(英語版)』(1987年)

『赤毛のアン アンの結婚(英語版)』(2000年)ステファン・スケイニ監督。

『赤毛のアン 新たな始まり(英語版)』(2008年)ケビン・サリバン監督。


『アンを探して』(2009年)

宮平貴子監督、穂のかロザンナ・ザンボン紺野まひる主演の日本映画。


ジョン・ケント・ハリソン(英語版)監督、エラ・バレンタイン(英語版)主演[16][17]、サラ・ボッツフォード(英語版)、マーティン・シーン出演の3部作のカナダのテレビ映画。製作総指揮は原作者の孫娘ケイト・マクドナルド・バトラー(英語版)[18]

『赤毛のアン (2016年の映画)(英語版)』(2016年)[19][20]

『赤毛のアン 初恋(フリジア語版)』(2017年)[21]

『赤毛のアン 卒業(フリジア語版)』(2017年)[21][22]


テレビ映画

Anne of Green Gables (1956 film)
(1956年)

CBC製作のテレビ映画。ドン・ハロン監督、Toby Tarnow主演。


Anne of Green Gables (1972 film) (1972年)

英国で製作された、全5回のミニシリーズ。ジョーン・クラフト監督、キム・ブレーデン主演。


"Anne of Avonlea" (1975年 TVシリーズ)キム・ブレーデン主演。


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