赤い星は、共産主義国家の国旗や国章に使われていた。例えば、ソビエト連邦の国章やユーゴスラビアの国旗には、赤い星があしらわれていた。またスペインのカタルーニャ語圏のエステラーダ旗など、分離主義や社会主義のシンボルにも使われている。
「赤地に黄色い星」も、中華人民共和国の国旗やベトナム社会主義共和国などで同様の意味合いで用いられている。なお、中華人民共和国の国旗は「五星紅旗」、ベトナム社会主義共和国の国旗は「金星紅旗」という。極東共和国では人民革命軍の軍服に赤い星と同じ意味を込めて黄色い星を使っていた。また、鎌と槌のマークが、赤い星の中や下に表されることもある。なおキューバの国旗では赤地に白い星だが、これはキューバ革命以前から使用されている。
1989年の東欧民主化革命によって共産党国家が崩壊すると、新く成立した国家では「赤い星」が国旗や国章から消去された。又、「赤い星」を使用していたソビエト連邦(1991年末日解体)やユーゴスラビア社会主義連邦共和国(1992年4月27日解体)は解体され、分離独立したマケドニア共和国の国旗や国章では赤い星を使用し続けていたが、1991年から2009年にかけて消去された。
更に、いくつかの国では「赤い星」の使用が禁止されるようになった。ハンガリーでは、1993年の改正刑法により、赤い星を公的に使用したり見せたりすることは違法行為となる。しかし、ソビエト連邦軍の継承軍であるロシア連邦軍は、「脱共産化」とは裏腹に、今でも赤い星をシンボルとして使用している。又、ソビエト連邦構成国家だった現国家には、国籍識別標、軍の装備等に赤い星が残っている。ロシア連邦軍の新聞は、『クラスナヤ・ズヴェズダ』という名前のままである。
東ヨーロッパには、共産党時代(1945年 - 1989年)に創立されたプロスポーツクラブに、「赤い星」を称するチームもある。ベオグラードの『FKツルヴェナ・ズヴェズダ』、『KKツルヴェナ・ズヴェズダ』、『OKツルヴェナ・ズヴェズダ』などはその例である。
赤い星は、アメリカ合衆国など、冷戦の西側諸国の社会主義者の間でも使われていた。また1990年代に活躍したミクスチャーロックバンド、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンも彼らの急進的思想を表現するために赤い星を使用した。
マケドニア国章の変遷
マケドニア人民共和国の国章(1944年から1946年)
マケドニア社会主義共和国の国章(1946年から1991年まで)
マケドニア共和国の国章(1991年から2009年まで)
旧ソビエト連邦構成国の国籍識別標
カザフスタン軍の国籍識別標
タジキスタン軍の国籍識別標
ベラルーシ軍の国籍識別標
ロシアの国籍識別標
ロシアの国籍識別標(2010年から2013年まで)
共産主義や社会主義のシンボル
ソビエト連邦
ソビエト連邦の国旗(1923-1955年)
ソビエト連邦の国旗(1955-1980年)
ソビエト連邦の国籍識別標(1922年 - 1943年)
ソビエト連邦の国籍識別標(1943年 - 1991年)
ソビエト連邦の国旗(1980-1991年)