豪勇イリヤ_巨竜と魔王征服
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しかし、カリン王は、ワリシーサとイリアの間に生まれた子を自分の息子ソコーリニチェクとしてイリヤに差し向け、さらに巨大な三つ首竜を呼び出してイリヤに襲いかかるのだった[5][6]
キャスト

イリヤ:ボリス・アンドレエフ

ウラジミール大公:アンドレイ・アプリリコソフ

アリョーシャ姫:ナタリー・メドウェージェフ

ワシリーサ:ニネリ・ムイシコフ

ソコーリニチェク:アレクサンドル・シュウォーリン

カリン王:シュクール・ブルハーノフ

製作

ソ連初のシネマスコープ長編映画である[7][8]。また、同じくソ連初の4チャンネルマルチトラックステレオ映画である。製作、監督のアレクサンドル・プトゥシコは、1946年にソ連初のカラー映画[9]『石の花』を監督していたが、モスフィルムのファンタジー映画の重鎮として再びメガホンを撮った[6]
映画の規模

ソ連映画界の総力を結集し空前の巨費と4年の歳月を費やして映像化したスペクタクルファンタジーである。のべ10万6000人のキャスト、1万1000頭の馬を使い、シネスコ画面を埋め尽くす大軍団の戦闘が再現された。また、キエフの城壁や宮廷の巨大なセットも実物大の迫力がある。敵役のカリン王は、常に数十人の男に担がれた神輿に座り、山を作れと命じた際は数百人の奴隷が重なり合ってそれに馬で駆け上がるなどのシーンを、特撮を用いず人海戦術のみで撮り切っている[7]
疾風魔神

疾風魔神(劇中では「ウグイスの盗賊」en:Nightingale the Robber)では、特殊メイクの技術が効果を上げている。フォームラテックスの皮膚を圧搾空気で膨らませ、顔の表情を変化させるという表現手法は、後にロブ・ボッティンハウリング で確立した手法であり、20年以上先駆けている[6]
巨竜

クライマックスに登場する三つ首の巨竜(ズメイ。劇中では「ゴルイニチの大蛇」、また米国では「ズーマの火吹きドラゴン」、日本のDVDでは「キング・ドラゴン」とも)は、合成用のミニチュアと実物大のものが作られた。特に後者は、巨大な城壁のオープンセットの前で実際の火炎放射器の火を吹きながら群衆と戦う迫力のシーンが展開された。この巨竜は、後に日本の怪獣映画にしばしば登場する怪獣キングギドラに強く影響を与えた[6]
その他

印象的な邦題は、日本公開当時
新東宝の社長だった大蔵貢の命名[7]。大蔵は『明治天皇と日露大戦争』や『原子怪獣と裸女』のように「と」で言葉を繋ぐタイトルを好み、本作もこの例に倣っている。

この映画のファンに手塚治虫筒井康隆がおり、二人の共著『イリヤ・ムウロメツ』がある[6]

関連項目

ロシアの映画

脚注^ 日本での公開日はIMDBによると3月10日となっているが、allcinema他日本国内のサイトでは3月27日となっており、こちらを採用した。
^ オリジナルの上映時間は、Allcinemaでは105分、1989年に「ソビエトSF映画祭」で配布されたパンフレットでは91分、[要出典] IMDBやDVDソフトでは87分となっており、87分を採用した。
^ 公開時タイトル『豪勇イリヤ 巨竜と魔王征服』。のちの日本ヘラルドでの再公開時タイトルは『イリア・ムウロメツ 巨竜と魔王征服』、またビデオ発売時に『キング・ドラゴンの逆襲 魔竜大戦』と題されたこともあった。
^ 83分に短縮され英語吹き替えられているが、その際に登場人物の名前も変更されている。
^ Ilya Muromets - IMDb(英語)
^ a b c d e 「ソビエトSF映画祭」パンフレット1984年マウント・ライト・コーポレーション
^ a b c 『映画秘宝Vol.7 あなたの知らない怪獣マル秘大百科』洋泉社1997年刊 p.234
^ 新東宝が日本で公開した際は「ソ連スコープ」としてシネスコ版で上映されたが、米国公開時、及び日本再公開時は左右がトリミングされたスタンダードサイズで公開された。現在発売されているDVDはスコープサイズで収録されている。
^ ソホカラー。ドイツ侵攻時に押収したアグファを元に撮影。

外部リンク

映画「イリヤー・ムーロメツ」
(1956年)YouTube Киноконцерн "Мосфильм"チャンネル

豪勇イリア/巨竜と魔王征服 - allcinema

豪勇イリヤ 巨竜と魔王征服 - KINENOTE

Ilya Muromets - オールムービー(英語)

Ilya Muromets - IMDb(英語)


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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