堅豆腐 / 固豆腐 (かたとうふ[42])は、現在の日本で一般的となっている製法と異なり、濃度の高い豆乳を使ったり、にがりの代わりに海水を使うなど、様々な方法を用いて保存できるようにした種類の豆腐のことで、なかには荒縄で縛って持ち運びできるほど堅いものもある。
現代に遺る日本の堅豆腐は、そもそも日本で作られ始めた当時のものに近い[42]。つまり、本来的には豆腐は堅豆腐、もしくは、それに似た「堅い豆腐」であった。例えば江戸時代の浮世絵に描かれた豆腐もその多くは大きくしっかりとした長方体の堅豆腐である[42]。現代では流通の不便な豪雪地帯や山岳地域あるいは離島などだけで変わらず作られ続ける伝統製法となっている[42]。堅豆腐を作る地域としてしばしば例に挙げられる場所としては、加賀地方(石川県)の白山麓の一円の各所がその一つであり[42]、なかでも旧・石川郡白峰村(現・白山市白峰)の石豆腐や、富山県五箇山の岩豆腐はよく知られている[42]。 大豆は唯一の原料とも言えるものである[43]。まず第一に、タンパク質の含有分の高い事が求められ、香り、また遺伝子組み換えをしているか否かなどの安全面が考慮されることが多い。豆腐に適した大豆品種としてはフクユタカやエンレイなどが挙げられる。油糧用(大豆油用)や飼料用を除く食品用大豆の国内自給率は2013年度は25%(大豆全体では7%)[44]、輸入大豆の約7割はアメリカ産である[45]。アメリカ産大豆の作付け面積の9割は遺伝子組み換え大豆であるが[46]、日本へ輸出されている大豆は非遺伝子組み換え大豆である[47]。 国産大豆や有機大豆、非遺伝子組み換え大豆など、特色のある原材料を使用していることを表示する場合、「国産大豆使用」などと表示できるのは、100%その原材料を使用している場合のみで、100%未満の割合で使用している場合は「国産大豆○○%使用」もしくは「国産大豆○割使用」などと、使用割合を表示しなければならない。なお、使用割合は切り捨てまたは最小値を表示しなければならない[48][49]。 また、遺伝子組み換え大豆を使用している場合、「遺伝子組換え」や「遺伝子組換え不分別」という表示が義務づけられている[50]。遺伝子組み換え作物の表示の詳細については、遺伝子組み換え作物を参照。
水分を減らしたもの
沖縄県の島豆腐:「生しぼり法」で作られ、豆乳の粘度が低い状態でにがりを混ぜるが、荷重と時間を多くかけて含水率を減らすため硬くなる。また、作りたてで新鮮なものが好まれるため、水にはさらさずに温かい状態で販売される。
京都府宇治市の黄檗豆腐:荷重と時間を多くかけて含水率を減らしたもので、普茶料理に使われる。
濃い豆乳
石川県白峰村の石豆腐(堅豆腐)
富山県五箇山の岩豆腐(堅豆腐)
徳島県祖谷地方(東祖谷山村・東祖谷山村)の岩豆腐(石豆腐)
熊本県球磨郡五木村の五木豆腐
海水利用
山口県祝島の石豆腐
長崎県五島列島の潮豆腐
長崎県壱岐市の壱州豆腐
沖縄県の糸満豆腐
沖縄県のシマ豆腐
製法
原料
大豆