堅豆腐 / 固豆腐 (かたとうふ[42])は、現在の日本で一般的となっている製法と異なり、濃度の高い豆乳を使ったり、にがりの代わりに海水を使うなど、様々な方法を用いて保存できるようにした種類の豆腐のことで、なかには荒縄で縛って持ち運びできるほど堅いものもある。
現代に遺る日本の堅豆腐は、そもそも日本で作られ始めた当時のものに近い[42]。つまり、本来的には豆腐は堅豆腐、もしくは、それに似た「堅い豆腐」であった。例えば江戸時代の浮世絵に描かれた豆腐もその多くは大きくしっかりとした長方体の堅豆腐である[42]。現代では流通の不便な豪雪地帯や山岳地域あるいは離島などだけで変わらず作られ続ける伝統製法となっている[42]。堅豆腐を作る地域としてしばしば例に挙げられる場所としては、加賀地方(石川県)の白山麓の一円の各所がその一つであり[42]、なかでも旧・石川郡白峰村(現・白山市白峰)の石豆腐や、富山県五箇山の岩豆腐はよく知られている[42]。
水分を減らしたもの
沖縄県の島豆腐:「生しぼり法」で作られ、豆乳の粘度が低い状態でにがりを混ぜるが、荷重と時間を多くかけて含水率を減らすため硬くなる。また、作りたてで新鮮なものが好まれるため、水にはさらさずに温かい状態で販売される。
京都府宇治市の黄檗豆腐:荷重と時間を多くかけて含水率を減らしたもので、普茶料理に使われる。
濃い豆乳
石川県白峰村の石豆腐(堅豆腐)
富山県五箇山の岩豆腐(堅豆腐)
徳島県祖谷地方(東祖谷山村・東祖谷山村)の岩豆腐(石豆腐)
熊本県球磨郡五木村の五木豆腐
海水利用
山口県祝島の石豆腐
長崎県五島列島の潮豆腐