水にさらさず直接容器にすくい上げたものは「寄せ豆腐」「おぼろ豆腐」と言う。ほぼ同様の沖縄の伝統食品として「ゆし豆腐(ゆしどうふ)」がある。
堅豆腐(固豆腐)や五箇山豆腐など非常に硬い豆腐があり、これは濃度の高い豆乳を使用したり、多めに凝固剤を使用したり、重石で脱水したりする事による。 沖縄県地方の豆腐も、日本同様中国との交易を通じて伝来したものであり、中国の豆腐と似ていて固くしまり、ずっしりとした重量をもち、「しま豆腐」と呼ばれる[30]。中国同様、生しぼりの豆乳で製造し、強く押圧して水分をしぼる[30]。しかし、天然の石膏が豊富で内陸が深く広大な中国大陸では凝固剤として石膏が用いられることが多いのに対し、琉球列島では日本同様「にがり」が凝固剤として用いられる[30]。 ミャンマーでは「トーフー」という[30]。シャン族はヒヨコマメから豆腐を作っている(「ビルマ風豆腐」を参照)。 インドネシアでは、同じ大豆由来のテンペ(茹でた大豆をケーキ状に発酵)ほどではないが豆腐(現地名 tafu もしくは tofu)も食されている。油で揚げることが多く、料理食材に使われるほか、スナックとしても人気で、ジャワ島の都市部などでは、塩などで味付けしたでき立て厚揚げ(tafu goreng タフゴレン)の屋台が見られる。好みで干したキダチトウガラシを豆腐に差し込んで食べる。 17世紀に清で布教したスペインのドミニコ会宣教師ドミンゴ・フェルナンデス・ナバレテはその著書の中で「teu fu」を豆から作られる中国のチーズとして紹介した。18世紀にナバレテの書物の英訳を読んだベンジャミン・フランクリンは豆腐に強い興味を示し、イギリス東インド会社のジェームズ・フリントに「tau-fu」の製法を問い合わせた。フリントはフランクリンあての1770年1月3日づけの手紙で「towfu」の製法を説明した。これが英語で初めて豆腐に言及した文献と考えられている[31]。 20世紀末期以降のアメリカを始めとする欧米諸国では、高カロリー・高脂質の動物性食品や嗜好食品を多く摂る不健康な食習慣への反省と健康的な食品への関心の高まりによる健康ブームに伴い、健康の視点から優れた食品と言える豆腐が注目を集めるようになった。 しかし、1980年代までのアメリカでは、家畜のエサである大豆から作られたイメージなどから、消費者調査で不人気ナンバーワンの食品に位置づけられたこともあった。日常的にスーパーマーケットの棚に並ぶようになったのは、森永乳業のアメリカ現地法人が売り込みに成功した1990年代以降である[32]。以降、菜食主義者にとってはバーベキュー、ステーキ、ハンバーガー、ジャーキーなどの肉の代替品として豆腐が使われている。 豆腐には、薄い豆乳を凝固させて圧搾・成形した種類のもの(例:木綿豆腐、ソフト豆腐)と、濃い豆乳全体を凝固させた種類のもの(例:絹ごし豆腐、充填豆腐)とがある[33]。 今日、豆腐は木綿豆腐、ソフト豆腐、絹ごし豆腐、充填豆腐の4種に大別される[9]。
沖縄諸島
朝鮮半島」は、安土桃山時代に長宗我部元親が李氏朝鮮より豆腐職人を連れ帰り、彼らに造らせた豆腐が起源だとされる[30]。
ミャンマー
インドネシアインドネシア・スラカルタ(ジャワ島中部)の豆腐料理
欧米諸国
種類
豆腐の一般的な分類
木綿豆腐
豆乳に凝固剤を加えて凝固させたものをいったん崩し、穴の開いた木綿豆腐用の型箱に布を敷いて流し込み圧搾して水抜きし、成形した豆腐[33]。表面に布目が付くことからこの名がある[33]。普通豆腐ともいう[34]。英語表記はregular tofu[34]。絹ごし豆腐よりも固く、型崩れしづらいため、煮炊きする料理に向いている。表面を焼いて焼目を付けた「焼き豆腐」と呼ばれ、より崩れにくく、主に鍋料理に使われる。脱水と成型という過程を通じ水溶性ビタミンの含有量が大きく減少するもののタンパク質、カルシウム、鉄などが多く含まれている。カルシウムが欲しいなら絹ごし豆腐よりも木綿豆腐が優れている[35]。
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