豆腐
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

スーパーなどが増えて歩き売りをする豆腐屋が減ったものの、近年では昭和の頃のように地域に密着した商売をする人も出て来ており豆腐屋のラッパが復刻されている[22][23][24]近畿地方では、豆腐屋はラッパではなく鐘(関東ではアイスクリーム屋が用いていた)を鳴らしていた[25]

近代工業が発達するに連れて豆腐の製造作業の機械化も進み、わずかの大豆から効率よく豆腐が大量生産できるようになり、より安価で提供されるようになった。柔らかいタイプの豆腐は昭和以前には[注 3]個人経営の豆腐屋で毎日作られ、動かすことで形が崩れることの無いよう、売る間際まで店頭の水槽の中に沈められているものであった。

現代日本でも豆腐は非常に一般的な食品であり、そのまま調味料をかけて食べられるほか、様々な料理に用いられている。冷奴湯豆腐味噌田楽などのように主要食材になるほか、汁物鍋料理の具材、料理のベースになる食材として使われるなど用途は多彩になっている。

技術進歩で、常温で120日保存可能な豆腐も販売されている[26]厚生労働省によると日本では、かつて細菌の繁殖で健康被害が発生したことから、1974年に、おおむね10以下の冷蔵保存か、水槽内で冷水を絶えず交換しながら保存するなどの製造・保存基準が定められたという。国内メーカーは1986年から常温保存用の豆腐(無菌充填など)を輸出しており、これに関して業界団体は災害時の販売・配布の観点からも基準の見直しを要望してきた[27][28][29]

水にさらさず直接容器にすくい上げたものは「寄せ豆腐」「おぼろ豆腐」と言う。ほぼ同様の沖縄の伝統食品として「ゆし豆腐(ゆしどうふ)」がある。

堅豆腐(固豆腐)や五箇山豆腐など非常に硬い豆腐があり、これは濃度の高い豆乳を使用したり、多めに凝固剤を使用したり、重石で脱水したりする事による。
沖縄諸島

沖縄県地方の豆腐も、日本同様中国との交易を通じて伝来したものであり、中国の豆腐と似ていて固くしまり、ずっしりとした重量をもち、「しま豆腐」と呼ばれる[30]。中国同様、生しぼりの豆乳で製造し、強く押圧して水分をしぼる[30]。しかし、天然の石膏が豊富で内陸が深く広大な中国大陸では凝固剤として石膏が用いられることが多いのに対し、琉球列島では日本同様「にがり」が凝固剤として用いられる[30]
朝鮮半島

朝鮮半島では「??(トゥブ)」といい、中国同様固い豆腐である[30]高知県土佐国)の「一升豆腐」は、安土桃山時代長宗我部元親李氏朝鮮より豆腐職人を連れ帰り、彼らに造らせた豆腐が起源だとされる[30]
ミャンマー

ミャンマーでは「トーフー」という[30]シャン族ヒヨコマメから豆腐を作っている(「ビルマ風豆腐」を参照)。
インドネシアインドネシア・スラカルタ(ジャワ島中部)の豆腐料理

インドネシアでは、同じ大豆由来のテンペ(茹でた大豆をケーキ状に発酵)ほどではないが豆腐(現地名 tafu もしくは tofu)も食されている。油で揚げることが多く、料理食材に使われるほか、スナックとしても人気で、ジャワ島の都市部などでは、塩などで味付けしたでき立て厚揚げ(tafu goreng タフゴレン)の屋台が見られる。好みで干したキダチトウガラシを豆腐に差し込んで食べる。
欧米諸国

17世紀にで布教したスペインドミニコ会宣教師ドミンゴ・フェルナンデス・ナバレテはその著書の中で「teu fu」を豆から作られる中国のチーズとして紹介した。18世紀にナバレテの書物の英訳を読んだベンジャミン・フランクリンは豆腐に強い興味を示し、イギリス東インド会社のジェームズ・フリントに「tau-fu」の製法を問い合わせた。フリントはフランクリンあての1770年1月3日づけの手紙で「towfu」の製法を説明した。これが英語で初めて豆腐に言及した文献と考えられている[31]

20世紀末期以降のアメリカを始めとする欧米諸国では、高カロリー・高脂質動物性食品嗜好食品を多く摂る不健康な食習慣への反省と健康的な食品への関心の高まりによる健康ブームに伴い、健康の視点から優れた食品と言える豆腐が注目を集めるようになった。

しかし、1980年代までのアメリカでは、家畜のエサである大豆から作られたイメージなどから、消費者調査で不人気ナンバーワンの食品に位置づけられたこともあった。日常的にスーパーマーケットの棚に並ぶようになったのは、森永乳業のアメリカ現地法人が売り込みに成功した1990年代以降である[32]。以降、菜食主義者にとってはバーベキューステーキハンバーガージャーキーなどの肉の代替品として豆腐が使われている。
種類


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:124 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef