警察庁長官
[Wikipedia|▼Menu]
司法警察活動に際し、個別の警察官は刑事訴訟法の規定に基づき一定の指揮を検察官から受けることがあるが、警察官は正当な理由がある場合には、この検察官の指揮に従う必要はない(ただし、検察官はこの場合にも、検察庁法第6条の規定に基づき、自ら捜査をなし、または検察事務官をもって捜査をさせることが可能であることは言うまでもない)。この時、検事総長、検事長又は検事正は、国家公安委員会が懲戒権限を持つ者、つまり国家公務員たる警察庁警察官と地方警務官に対する懲戒の訴追を国家公安委員会に行うことが認められている(刑事訴訟法第194条)が、検事総長、検事長又は検事正自身には懲戒権限はないため、この正当性の判断や必要性等は国家公安委員会が独自に判断することとなっている。これも警察庁を他の機関からの不必要な干渉を避けるためのものである。国家公安委員会と警察庁長官は、検事総長と常に緊密な連携をとるものとされ、協力関係にあり、前記の司法警察活動における指揮関係は存在しない。
緊急事態の特別措置

平時において、警察庁は、国家公安委員会以外の管理監督は受けないが、警察法第71条の規定により内閣総理大臣が国家公安委員会の勧告に基づき、全国または一部の区域について緊急事態の布告を発した場合、同法第72条により内閣総理大臣はその統制権により一時的に警察を統制し、その緊急事態を収拾するため必要な限度において、長官を直接に指揮監督する。 これは、実力行使手段を持つ治安維持機関である警察をその民主主義的統制下におきながら、速やかな事案収拾を図るためのものである。

緊急事態の布告が発せられたときは、警察庁長官は布告に記載された区域を管轄する都道府県警察の警視総監又は警察本部長に対し、管区警察局長は布告区域を管轄する府県警察の警察本部長に対し、必要な命令をし、又は指揮をするものとされ、布告区域を管轄する都道府県警察以外の都道府県警察に対して布告区域その他必要な区域に警察官を派遣することを命ずることができる旨が、同法第73条に規定されている。

また、警察法第74条の規定により、内閣総理大臣は、緊急事態の布告を発した場合には、これを発した日から二十日以内に国会に付議して、その承認を求めなければならず、国会が閉会中の場合又は衆議院が解散されている場合には、その後最初に召集される国会においてすみやかにその承認を求めなければならないものとされる。内閣総理大臣は、国会で不承認の議決があったとき、国会が緊急事態の布告の廃止を議決したとき、又は当該布告の必要がなくなったときは、すみやかに当該布告を廃止しなければならないものとされている。
歴代の警察庁長官

内務省警保局長、内事局第一局長、国家地方警察本部長官(警察庁長官の前身)は含めない。

代氏名入省/入庁年次任命年月日退任後の主な公職・役職位階勲等
 
1さいとう/斎藤昇1927年
(昭和2年)1954年7月1日
(昭和29年)厚生大臣運輸大臣/正三位勲一等
2いしい/石井榮三1932年
(昭和7年)1955年7月1日
(昭和30年)社団法人全日本指定自動車教習所協会連合会会長従三位勲二等
3かしわむら/柏村信雄1934年
(昭和9年)1958年8月29日
(昭和33年)海外移住事業団理事長従三位勲一等
4えくち/江口俊男1935年
(昭和10年)1963年5月10日
(昭和38年)公害防止事業団理事長勲一等
5あらい/新井裕1937年
(昭和12年)1965年5月19日
(昭和40年)警察協会会長
都市防犯研究センター会長従三位勲二等
6ことうた/後藤田正晴1939年
(昭和14年)1969年8月12日
(昭和44年)内閣官房長官副総理法務大臣/正三位勲一等
7たかはし/高橋幹夫1941年
(昭和16年)1972年6月24日
(昭和47年)(社)日本自動車連盟会長/正三位勲二等
8あさぬま/淺沼清太郎1942年
(昭和17年)1974年10月9日
(昭和49年)阪神高速道路公団理事長
(財)都市交通問題調査会理事長
(財)関西空港調査会理事長正四位瑞宝重光章
9やまもと/山本鎭彦1943年
(昭和18年)1978年6月1日
(昭和53年)ベルギー大使従三位勲二等
10みつい/三井脩1946年
(昭和21年)1981年6月2日
(昭和56年)日本道路交通情報センター理事長/正三位勲二等
11すすき/鈴木貞敏1948年
(昭和23年)1984年9月25日
(昭和59年)参議院議員
参議院農林水産委員長従三位勲二等
12やまた/山田英雄1953年
(昭和28年)1985年8月27日
(昭和60年)(財)公共政策調査会理事長勲二等
13かなさわ/金澤昭雄1954年
(昭和29年)1988年1月22日
(昭和63年)自動車安全運転センター理事長
(社)全日本指定自動車教習所協会連合会会長勲二等
14すすき/鈴木良一1956年
(昭和31年)1990年12月7日
平成2年)警察共済組合理事長勲二等
15きうち/城内康光1958年
(昭和33年)1992年9月18日
(平成4年)ギリシャ大使瑞宝重光章
16くにまつ/國松孝次1961年
(昭和36年)1994年7月12日
(平成6年)スイス大使
救急ヘリ病院ネットワーク会長
17せきくち/関口祐弘1963年
(昭和38年)1997年3月31日
(平成9年)警察共済組合理事長従三位瑞宝重光章
18たなか/田中節夫1966年
(昭和41年)2000年1月11日
(平成12年)日本自動車連盟会長瑞宝重光章
19さとう/佐藤英彦1968年
(昭和43年)2002年8月2日
(平成14年)警察共済組合理事長
20うるま/漆間巌1969年
(昭和44年)2004年8月13日
(平成16年)財団法人交通事故総合分析センター理事長
内閣官房副長官(事務担当)旭日大綬章
21よしむら/吉村博人1971年
(昭和46年)2007年8月16日
(平成19年)日本生命顧問
警察共済組合理事長瑞宝重光章
22あんとう/安藤隆春1972年
(昭和47年)2009年6月26日
(平成21年)三井住友海上火災保険顧問
ニトリホールディングス取締役
東横イン取締役、アミューズ取締役
ゼンショーホールディングス取締役
デジタルデータソリューション取締役
日本ゴルフツアー機構理事瑞宝重光章
23かたきり/片桐裕1975年
(昭和50年)2011年10月17日
(平成23年)(財)公共政策調査会理事長
第一三共監査役、東京商工会議所顧問瑞宝重光章
24よねた/米田壮1976年
(昭和51年)2013年1月25日
(平成25年)神戸市顧問、日本取引所グループ取締役
(財)公共政策調査会理事長瑞宝重光章
25かねたか/金雅仁1978年


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:43 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef