警備員
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労働争議への介入は法制定の契機で全面的に禁止されている[注釈 5]

警備員が行う、工事現場などにおける人や車両の誘導などの「交通誘導」「交通警備」は、法的拘束力がない。その点で、警察官や交通巡視員の法的強制力を有する「交通整理」とは異なる。それゆえ、仮にある警備員が、(道路交通法第2条1項第14号で定義される)信号機と異なる指示を行い、ある車両運転者がそれに従うと、その運転者は交通違反となる可能性があり、刑事処分行政処分を受ける場合がある。

例外


駐車監視員都道府県警察が民間の警備員のうち駐車監視員の資格を取得した者を、所轄の警察署管内における駐車監視員として業務にあたらせることがある。民間の警備員であっても、駐車監視員の職務を執行している間は「みなし公務員」となり、駐車監視員の業務を妨害した場合、公務執行妨害罪になる。また駐車監視員にも職務上の守秘義務が課される。

在外公館警備対策官外務省が、民間の警備員を外務省職員として出向させて在外公館の警備対策官に任用する事例では、派遣された国により、それぞれ二等書記官、三等理事官、副領事などの官職名が付与される。

服装・装備
制服

警備員は制服の着用義務はなく、私服でも勤務可能[注釈 6]である。実際は万引きの保安警戒[注釈 7]身辺警護などの他は、警備員が制服を着用することで警備警戒の示威による犯罪抑止や、制服で所属を示す身分証明機能、関係者と識別、などの理由がある。

警備員が警備業務にあたり制服を着用する場合は、色彩・形式・標章(ワッペン)などにより警察官および海上保安官と明確に識別できるものでなくてはならない[4][注釈 8]とされている。警備員と警察官や海上保安官の誤認、民間企業従業員の警備員による警備業務と、警察官などの行政警察活動の誤認、警備員の特別権限錯誤、などを防ぐ目的がある。

警備員の制服は多くの場合、肩章付きで両胸にポケットがあるシャツ(主に夏服)または肩章付きの両胸・両脇にポケットのあるシングルジャケット(主に冬服)で、左胸と左上腕部に所属会社のワッペンを付け、右肩からは警笛を繋いだモールまたは鎖を吊り、装備品を下げた帯革(ベルト)をジャケットの上から締めるというスタイル(日本の警察官の旧型制服、または一般的な軍服のスタイルに似た形式)である。警察官や海上保安官と混同されない限りスタイルは自由であるが、多くの警備会社がこのスタイルの制服を使用している(もちろん、ダブルのブレザー型やブルゾン型、ワッペンの位置が警察官と同様の右上腕部、さらにはアメリカンポリス風など、全く独自のデザインの制服を用いている警備会社も存在する)。警察や軍隊の階級を模倣した階級制度を制定している警備会社もあり、制服に階級章を着用していることもある。

これには以下のような理由が考えられる。
その様なスタイルの制服が警備業務を行うのに実務上適している。

「警察官および海上保安官と明確に識別できるもの」の基準として以下のような行政指導がなされていることによる。


当該制服の色彩が警察官などの制服の色彩と明らかに異なるもの

当該制服の型式が詰襟その他警察官などの制服の型式と明らかに異なるもの

警備員であることを示す相当程度の大きさの標章を当該制服の見やすい場所に付けているもの

第3項の標章(ワッペン)については、「警備業者の名称を表示した60平方センチメートル以上のものを、上衣の胸部および上腕部に付けることが望ましい」とされている


護身用具3号警備業務における警戒杖(左)とポリカーボネート製の(右)および防護ベストの使用例。一人が背を向けた姿勢になる時はもう一人が周囲を警戒するのが所定の態勢

護身用具警戒棒[注釈 9]を携帯している程度である。なお、国家公安委員会の定めた基準に基づく都道府県公安委員会規則では(たとえ第三者の護衛であれども)催涙スプレースタンガンなどの携帯は認められていない。また、護身用具の携帯は「禁止の例外」であって「特別に許可されている」ものではないことに注意が必要である[注釈 10]。さらには、護身用具の携帯自体も都道府県公安委員会規則により警備業務の種類や時間帯などによっては禁止や制限がされている場合がある[5]

ただし、強盗などによる警備員の死傷事故も現実に複数発生していることから、治安情勢に鑑み、最近においては警備員の携帯できる護身用具の基準が条件付きながらも従来より緩和された[注釈 11]。具体的には、従来の警戒棒に加えて、対刃物用の「付警戒棒」、「警戒杖[注釈 12]、「さすまた[6]、および非金属製(実際はほとんどポリカーボネート製)のライオットシールド)の携帯が認められるようになった[注釈 13]

これ以外にもボディアーマー防刃ベストヘルメットなどの「防具」を着用している例も多い。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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