識別_(クルアーン)
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識別
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Al-Furqan
アル・フルカーン
識別
啓示マッカ啓示
章題の意味全章を通し、明と暗、正邪善悪英知と暗愚、精神の作興と退廃などの識別に関して記される[1]
詳細
スーラ第25章
アーヤ全77節
ジュズウ18 - 19番
ルクー6回
サジダ節1回(第60節)
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『識別』とは、クルアーンにおける第25番目の章(スーラ)。77の節(アーヤ)から成る[1]
内容

1. 何故ムハンマドは使徒であるのか。アッラーが彼を万民への警告者として遣わされたからである。

2. アッラーは天地の大権をお持ちの方であられる。アッラーは自ら尊く、アッラーに並ぶものは他にない。大権に参与する子もなければ、その大権を維持するための協力者もいない。アッラーは自らの大権により、一切を創造され、それらを規則正しく秩序づけられる方である。

3. 多くの者たちは、アッラーの外に神々を立て、それを《信仰せよ》と語る。たとえば、《アッラーのみ》と語るイスラム教徒も、ムハンマドをアッラーと並べ、彼ら自身の思いアッラーと並べ、《これを信仰せよ》と語る。しかし、ムハンマドもアッラーの被造物であり何も創る事は出来ない。ムハンマドも自分を害することも益すること出来ない。つまり、死も生も復活も、彼の意志通りにはならないのだ。

4. 不信心な者たちは「これは虚言に過ぎない。他の者たちが協力して創り上げた物語に過ぎない。」と言う。しかし、彼らに「そのように語る汝がアッラーなのか。」と問い詰めれば、彼らは「そうではない」と答える以外にない。アッラーでない被造物が、どうして創造主の真偽を見分ける事ができようか。彼らこそ、明らかに無法と虚偽の徒である。

5. また彼らは言う。「これは昔からある物語で、それを彼が書き下したのである。それを朝夕、口で言って書き取らせたのだ。」

6. もし、そうであるならば、どうして一つひとつの物語に奥義があり、それが明かされているのか。人が伝承で聞いたものに人が奥義を書き足したとでも言うつもりなのか。これは不可能であろう。唯一可能なのは、天地の奥義を知っておられ、本当に寛容で慈悲深い方が下された場合だけである。

7. また、彼らは言う「これはどういう事だ。食べ物を食べ、町を歩き回っている。どうして天使が遣わされないのか。天使が彼と一緒に警告者となるべきではないか。

8. 彼は財宝もなく、どうして、いくらでも食べられる果樹園を持たないのか。アッラーであられれば、このような事は簡単なはずである。」そして、信じる者たちに顔を向けてこのように語る「あなた方は、憑かれた者に従っているだけである。」と。

9. 彼らがどのような譬えをあなたに語るのか、よくよく検証してごらんなさい。アッラーがあなた方に《求めよ》と語られたものなのか。それとも、それは彼ら自身が求めているものなのか。彼らはこのように最初から迷って、道を見失っているのだ。

10. あなたがアッラーの望みに叶うならば、アッラーはあなたのためにそれよりも遥かに優れたもの、すなわち川が下を流れる永遠の楽園と宮殿をあなたに与えられよう。

11. 彼らはアッラーよりも自分自身を重んじる。これゆえ、口先で信じると語っても、心の底では審判の時を虚偽であるとしているのだ。アッラーは彼らのために燃え盛る炎を用意されている。

12. 彼らは、遥かに離れたところから、その怒声と咆哮を聞くであろう。

13. 彼らは縛られ火獄の狭いところに投げ込まれる。その時、彼らは死を、滅びてしまう事を、望むであろう。

14. その時彼らは言われよう。「今、一度きりの滅亡を嘆願しても駄目である。あなた方には永遠に繰り返す火獄が定められている。これは永遠に続く滅亡である。繰り返される死、滅亡が永遠に続くことを嘆願するならば、あなた方の願いは聞き届けられよう。」

15. この火獄が良いのか、それとも主を畏れる者に約束されている永遠の楽園が良いのか。これらは、報酬であり人が行き着くところなのだ。

16. 今のあなたには、このどちらを選ぶ事も出来る。そして、その選んだ先はあなたの永遠の住処となる。これがあなた方が望む主からの約束である。

17. アッラーは、一斉に召集される。ムハンマドやクルアーンなどを崇拝する自称イスラム教徒たちと共に、ムハンマドやそれらを招集されて、彼らにこのように尋ねられる。「これらわたしの僕であるはずの者たちを迷わせたのはあなた方なのか。それとも、彼らが自ら道を踏み外したのか。」

18. 彼らはこう言う。「あなたに讃えあれ。あなたの外に守護者を定めそれを崇める事は、我々が《こうしなさい》と語るはずはありません。あなたは彼らと彼らの先祖に享楽を許されました。彼らは、これゆえ訓戒を忘れて破滅の民となったのです。」

19. アッラーはムハンマドやクルアーンなどを崇拝する者たちに向かって、こう語られる。「今、ムハンマドもクルアーンも《あなた方の言った事は嘘である》と立証した。あなた方は懲罰を免れず、助けるものもない。わたしは、あなた方の内、悪を行う者に懲罰を味わわせよう。

20. わたしが遣わした使徒は、皆、食べ、皆、町を歩き回った。一人として、このように行わなかった者はいない。どうしてなのか。人の試練となるのは人であるべきだからだ。」あなた方は耐え忍ぶ者なのか、主はそれをご覧になられている。

21. アッラーとの会見を望まない者たちは言う。「なぜ天使が我々に遣わされないのか。なぜ、わたしたちの主がわたしたちの目の前に見えないのだろか。」彼らは《わたしを導きたいのならば天使を寄こせ。アッラーよ、わたしの眼前に現れよ。》と言っているのだ。彼らは自惚れて高慢であり、非常に横柄な態度をとっているのだ。

22. アッラーは彼らの許に天使を御遣わしになられる。しかし、それは彼らにとって歓びとはならない。天使は彼らにこのように語るからである。「あなたはわたしに近づく事は許されない。遠ざかりなさい。」

23. 彼らの行ったことは、砂塵が風で飛ばされるように隅々まで知れ渡る。

24. その日、楽園の仲間は心地よい昼寝をする。

25. その日、天は雲と共に裂け、無数の天使たちが遣わされる。

26. その日、真の大権は慈悲深き御方の許に帰る。不信者にとっては多難の日となる。

27. その日、悪を行った者は自分の手を噛み言うであろう。「あぁ、わたしは使徒と同じ道を歩んでいれば。

28. あぁ、わたしがあんなものを友としなければ。

29. 本当に、彼らが訓戒の下った後にわたしを迷わせたのです。悪魔はいつも人を裏切りに導くのは本当の事でした。」

30. 使徒は言う。「主よ、本当にわたしの人々は、クルアーンを唱え諳んじながら、自らの行動でクルアーンを忌むべきものとして拒否するのです。」

31. アッラーはこのように、それぞれの預言者に、罪深き者たちを敵としてお与えになられる。彼らは人の数を誇り、人の力を誇る。しかし、指導者・援助者として必要なのは、そのような人の数や、人の力なのか。いや、違う。ただ、主だけである。指導者・援助者としてあなたの主があれば、それで十分である。

32. 信仰のない者は、このように思う。『クルアーンの訓戒は、ある部分は異教徒に対する訓戒であり、ある部分は、我々に対する戒めである。だから、すべてを読み知らなければ、我々もアッラーの定めに違反する事となるかも知れない。』いや、そうではない。すべてがあなた自身に対する訓戒なのだ。なぜ、繰り返すのか。アッラーがあなたの心を堅固にする為に繰り返すのである。なぜ、同じような話が各所に出てくるのか。あなた自身がその意味を整理し、自分のための訓戒とするためである。

33. なぜ、多くのたとえ話が示されているのか。その譬え話の中の各々の人物により、あなた自身が真理を得、最善の解釈を得るためである。

34. 自分で、最善の解釈を得ようともせず、真理を探そうともしない者。たとえば、たとえ話を聖書と比較し、どちらが真実なのかと議論するような者たちは、顔を俯けて地獄に集められる。彼らは、最初からひどく道に迷い、その道に迷っている事にすら気づかない者たちだからである。

35. あなたは、このたとえ話をどう聞くのか。《アッラーはムーサーに啓典を授けられ、その兄弟ハールーンを挙げて彼の補助者とされた。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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