1995年に創刊した東京ストリートニュース!は高校生の間にブームを呼び、妻夫木聡、降谷建志、青木裕子、高島彩、山口眞未子などが登場した[9]。
1997年頃、『25ans』に「スーパー読者」として叶姉妹が登場する[9]。彼女らは女性読者から熱狂的な支持を受け、誌面に登場するたびに編集部に問い合わせが殺到した[10]。彼女らの登場は、読者モデルが一般的に注目されるきっかけになった[11]。
2000年代後半になると、「100億円の経済効果を生み出す」と称された『Popteen』出身の益若つばさ[12][13]、と読者モデルからマルチタレントに成り上がった小森純のようなモデルが注目された。彼女らの特記すべき点は、あらゆるメディアに出演し、人気が出ても読者モデルの地位を守り続けていることである。2000年代に入って読者モデルがトレンドになった背景に加えて、彼女ら自身が自分を生かす場所を理解しているためである[10]。『iza』は、読者モデルが音楽業界で活躍するケースが目立っている事例を紹介した際に、「ネットがなければ、彼女達がこれほど脚光を浴びることはなかったろう」と評している[14]。
かねてより「読者モデルといえばギャル」という状況で、益若や小森、ならびに押切もえのような面々がその顕著な成功例として知られていたものの、きゃりーぱみゅぱみゅなどの台頭で原宿系統、いわゆる青文字系の読者モデルが注目を集めるようにもなっている[15]。 2012年暮れ頃の『日刊スパ!』独自の試算によれば、読者モデルの総数は90誌でおよそ4285名。そこでの“読者モデル”の定義は「ファッション・美容ページに出る人物から芸能人、プロの専属モデル、アパレルのプレス・販売員を除外した一般人」で、結果は次の通りであった[16]。 調査対象誌(とその内訳)雑誌名人数
情勢
『CanCam』22名
『AneCan』52名
『Oggi』19名
『Domani』36名
『美的』14名
『SAKURA』10名
『MORE』100名
『BAILA』40名
『MAQUIA』10名
『LEE』5名
『Marisol』55名
『eclat』3名
『with』11名
『ViVi』79名
『Grazia』10名
『VoCE』27名
『GLAMOROUS』10名
『GLOW』50名
『InRed』16名
『steady』20名
『mini』8名
『CUTiE』14名
『JJ』76名
『CLASSY』29名
『VERY』42名
『STORY』18名
『美STORY』60名
『HERS
『Mart』42名
『Gainer』45名
『Popteen』30名
『BLENDA』30名
『美名百花』10名
『EDGE STYLE』85名
『Ray』30名
『S Cawaii』40名
『mina』50名
『ゆうゆう』7名
『an・an』100名
『古着Mixガールズ』54名
『FYTTE』7名
『Zipper』15名
『nina's』50名
『SEDA』89名
『saita』104名
『JELLY』21名
『Ranzuki』42名
『men's egg』30名
『egg』130名
『MEN'S KNUCKLE』40名
『Used Mix』50名
『streert Jack』26名
『MEN'S CLUB』2名
『ELLE girl』19名
『サムライマガジン』8名
『Samurai ELO』20名
『小悪魔ageha』72名
『I LOVE mama』76名
『Happie nuts』190名
『JSガール』202名[注 1]
『NYLON JAPAN』7名
『CHOKi CHOKi』50名
『CHOKi CHOKi girls』54名
『KERA』20名
『Men's SPIDER』32名
『カジカジ』6名
『カジカジH』104名
『関西 girl's style exp.』110名
『ニコ☆プチ』90名
『CREA』230名
『オレンジページ』6名
批評が望まれています。
読者側から見て、読者モデルの魅力はお手本にできる親しみやすさ、スターというより友達感覚といった「親近感」という点に集約される[10]。逆に彼女らを雇う雑誌、企業からみると「使いやすさ」である。出演料が安いうえに広告や契約の制約がないため、撮影で融通が利く。プロのモデルとは違い等身大の存在で、読者からはマネのしやすい存在である。また、新商品を試してもらえるうえにSNSで宣伝してもらえる[10]。ファッションプロデューサーの植松晃士は、一部の読者モデルが、カメラを向けると必ず「決め顔」をすることを指摘。2000年代後半の読者モデルがトレンドになり始めたことに絡めて、読者モデルの人気と実力が必ずしも比例するわけではないと述べた。また、読者モデルは「読者代表」なので、ショーモデルと比較するのは、無理があると付け加えた[10]。
パリ・コレクションなどへの出演経験を持つIVANは、読者がモデルに転身することの凄さは評価しつつも、自身のようなパリコレモデルと読者モデルが一括りにされることに疑問を呈しており、読者モデルの呼称として「カリスマ読者」を提唱している[17]。
脚注[脚注の使い方]
注釈^ スナップを含む。
出典^ 『最高月収1,500万円! 芸能界で勢力を伸ばす読モたち』 2011年6月12日 メンズサイゾー
^ a b c d e 鈴木嘉彦 (2016-04). “「女性ファッション誌における読者モデルの推奨者効果に関する研究”. 経済科学論究 (埼玉大学経済学会) 13: 37-47. doi:10.24561/00015109.
^ “読者モデル募集”. JJnet (2016年3月1日). 2020年12月8日閲覧。
^ 京都府. “ ⇒相談ファイル4 「読者モデルにならない?」と街で声をかけられて・・・”. 京都府. 2020年12月8日閲覧。
^ “読モ・アイドルの悪質勧誘相次ぐ 登録料など高額請求”. 日本経済新聞 (2013年3月30日). 2020年12月8日閲覧。
^ “ ⇒モデルの勧誘トラブル!”. 独立行政法人国民生活センター. 2020年12月8日閲覧。
^ a b c “芸能人予備軍的な立ち位置に批判も、“読モ”のあり方とは?”. ORICON NEWS. 2020年12月8日閲覧。
^ 小宮京 (2019-01). “「読者モデル」の歴史的源流 1970年代の女性ファッション誌を中心に”. 青山スタンダード論集 (青山学院大学) 14: 303-327. doi:10.34321/20738.