読売新聞
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

しかし、1962年から1965年朴正煕政権との日韓国交回復交渉において、金鍾泌と日韓国交回復に反対していた党人派大野伴睦を引き合わせるなどして、軍事独裁国家に対する経済協力を実現させた黒子役は、読売新聞の渡邉恒雄記者(当時)であった[34]

2003年3月、米英によるイラク戦争の開始にあたって、「湾岸戦争から十二年後の今もなお、大量破壊兵器の廃棄義務を履行していない」(3月9日社説)「大量破壊兵器を廃棄した、というフセイン政権の主張は、まだ立証されていない」(3月14日社説)「問題の本質は、イラクの大量破壊兵器がテロリストの手に渡る危険性をどう排除するか、である」(3月19日)など、イラク攻撃に賛成する論陣を張った。しかし2004年の米政府調査団による最終報告にて、大量破壊兵器がイラクに存在しなかったことが結論付けられた[56]

2004年4月8日に起こったイラク日本人人質事件報道において読売新聞は、「三人の行動はテロリストの本質を甘く見た軽率なもの」(4月9日)「三人にもこうした事態を招いた責任がある」(4月10日)「人質の家族の言動にもいささか疑問がある…政府や関係機関などに大きな無用の負担をかけている。深刻に反省すべき問題である」(4月13日)等、人質とその家族を批判する「自己責任論」の火付け役となる。また4月19日付社会面では、本人の日本帰国費用のほか、政府自治体関係者の活動費まで細かく算定して「自己負担論」を唱えた。だが読売新聞は、自衛隊イラク派遣サマーワから記者を撤退させた際、「現地の治安が悪化し、外務省から航空自衛隊の輸送機で撤退を求められたため、利用」(4月15日)した事実を公表したが、帰国費用や政府自治体関係者の活動費を「自己負担」したかどうか、未だ明らかにしていない。

2004年5月26日、「アル・カーイダ幹部新潟潜伏」の見出しで記事を掲載。新潟で会社を経営しているバングラデシュ国籍の男性が、国際テロ組織アルカーイダと関連があるかのように報道した。警察の捜査の結果、男性はアルカーイダとは無関係と判明。男性は名誉を傷つけられたとして読売新聞東京本社に330万円の損害賠償を求めた。読売新聞側は「記事は警察当局の見方や方針を報じたもの」などと主張したが、1審、2審では読売新聞側の裏付け取材が不十分なうえ、記事の見出しは原告がアル・カーイダ幹部であると読者に誤解させるものと判断、原告の名誉棄損を認めた。2008年11月25日、最高裁は読売側の上告を棄却したため読売新聞に220万円の支払いを命じた2審判決が確定した。

2005年デンマークの新聞「ユランス・ポステン」が、預言者ムハンマドに関する風刺画12枚を掲載、イスラム教徒の反発と抗議行動を招いた。ヨーロッパの新聞が、風刺画を転載するなど、「表現の自由」を訴える中で、2006年2月11日、読売新聞は、社説「風刺漫画騒動 『表現の自由』には責任が伴う」の中で、「風刺漫画という表現方法で、権力者や社会事象などを皮肉るのも、報道の範疇だろう。だが、それによって、敬虔な信仰心を傷つける権利までは表現の自由にはない」とし、これ以上信教の自由を侵してはならないという論陣をはって、どのような風刺画だったのかを一切明らかにしなかった。一見、「信教の自由」を重視したようにみえるが、実は、イスラム教徒の暴力やテロを極度に恐れた日本新聞協会日本雑誌協会による、風刺画を転載しない申し合わせに従っただけにすぎないことが明らかにされており、暴力への弱腰が厳しく批判された[57]。 詳細は「ムハンマド風刺漫画掲載問題」を参照

2007年2月16日、アサヒビールサッポロホールディングスに経営統合を提案したとの報道がなされたが、両社ともにそのような事実は無いとして否定した[58][59]

2007年6月2日、朝刊の連載小説「声をたずねて、君に」の同年5月28日掲載分について、挿絵が雑誌に掲載された写真を無断使用して描かれていたことが判明。即座に挿絵の掲載を中止し、他にも無断利用がないか調査した結果、7月2日には新たに35点に著作権侵害の疑いがあることが判明した。挿絵を担当したのはイラストレーターの中島恵可であり、写真の無断使用を認めている。使われた写真は高知新聞に掲載された32点と読売新聞に掲載された3点。高知新聞の掲載写真のうち、13点は共同通信、5点は時事通信、2点は主婦と生活社の配信であり、読売新聞社は各社に謝罪した[60]

2007年11月、自民党民主党の間で大連立内閣を組む構想が持ち上がったが、読売新聞主筆の渡邉恒雄が仲介役として関与していたことが読売新聞以外の各紙報道により伝えられた。読売新聞自体も大連立を推進する報道を行い、構想頓挫について民主党を批判する報道を行った。詳細は「読売新聞の大連立構想関与」を参照

2008年1月27日、石川県版に掲載されたある大学教員の学位を巡る記事に対して、大学から「取材を受けていないのにコメントが掲載されている」という抗議があり調べたところ、金沢支局の記者が大学側に取材を行わず他紙の報道や大学、文部科学省の公表資料などを参考にして記事を執筆し、コメントも「土曜日で電話がつながらなかったから」という理由で捏造していたことが発覚。記者は休職1カ月の懲戒処分となった[61]

2008年7月28日、青森県版に掲載された全日本吹奏楽コンクール青森県大会関連の記事で、掲載された八戸市代表楽団長の談話は“岩手県中部の地震被災地関連の記事が必要だ”と考えた青森支局の記者が、楽団名を検索エンジンで調べて執筆した捏造記事だった(コメントした団長は先任者で楽団とは既に無関係)[62]
次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:303 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef