誘導障害
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日本で最初に鉄道による誘導障害が観測されたのは1925年大正14年)の豊川鉄道水銀整流器であり、フィルタの挿入などの対策が行われている[1]。交流電化区間においては通信への障害を抑制するためにBT饋電方式AT饋電方式などの饋電方式が工夫されている。

鉄道では信号保安システムや踏切制御システムへ与える影響が大きな問題である。信号保安システムや踏切制御システムは安全の根幹を支えており、仮に誘導障害によりこれらのシステムの動作が不具合を起こすと事故につながりかねない状況になる。

PWM制御が導入されるようになった頃から、制御装置から出る高調波のノイズが信号保安システムや踏切制御システムへ与える影響が問題化してきた。特に軌道回路が車両の位置を検知するために用いている信号電流にノイズが入って妨害されると、信号保安システムや踏切制御システムの誤動作を招く恐れがあり、軌道回路の信号電流周波数との関係を慎重に試験して対策を施す必要がある。車両側では制御器筐体の接地や遮蔽など、地上側ではHMCR装置(higher harmonic resonance suppressor with CR equipment)により特性インピーダンスに等しい抵抗で回路を短絡するといった対策が行われている。

このために新型車両は深夜などの営業時間外に入念な試運転を行ったうえで、営業運転に入ることが一般的である。

鉄道における電磁両立性(EMC)は、ヨーロッパ規格EN 50122シリーズをもとに制定された国際規格IEC 62236で基準が定められている。
脚注[脚注の使い方]^ 『電気鉄道ハンドブック』p.375

参考文献

電磁誘導障害と静電誘導障害 社団法人 日本電気技術者協会

電気鉄道ハンドブック編集委員会 編『電気鉄道ハンドブック』(初版)コロナ社、2007年。ISBN 978-4-339-00787-9。 

関連項目

電磁誘導

静電容量

電波障害

交流電化

チョッパ制御

可変電圧可変周波数制御(VVVF)


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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