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芭蕉の句とその英訳例(6-5-5の16音節となっている)[57]:富士の風や扇にのせて江戸土産the wind of Mt. FujiI've brought on my fan!a gift from Edo

五七五形式で、季語や切れ字の規則もなくより庶民的な内容を扱うものを川柳と呼ぶ。
ルバーイイ

ルバーイイアラビアウルドゥーペルシアアゼルバイジャンの詩人たちに用いられる4行(四行連)の詩である。ペルシアの詩人ウマル・ハイヤームはその『ルバイヤート』(「ルバーイイ集」を意味する)で高名である。ウマル・ハイヤームのルバイヤートのエドワード・フィッツジェラルドによる英訳も有名であり、日本へもまずフィッツジェラルド訳からの重訳により紹介された。ハイヤームのルバイヤートから一例:

ペルシア語原文[58]日本語訳[59]
?? ??? ?? ????? ?? ?? ??? ????‎ジャムシードが酒盃を手にした宮居は
??? ??? ??? ? ??? ???? ????‎狐の巣、鹿のすみかとなりはてた。
????? ?? ??? ???????? ??? ???‎命のかぎり野驢を射たバハラームも、
???? ?? ????? ??? ????? ????‎野驢に踏みしだかれる身とはてた。

時調詳細は「時調」を参照

時調朝鮮の詩人が用いる短い音楽詩である。およそ14-16音節から成る3行で書かれ、合計44-46音節となる。各行の中間で休止が置かれるので、英語などでは3行ではなく6行で印刷されることもある。尹善道 (1587 - 1671) の作品から:

中期朝鮮語[60]現代朝鮮語日本語訳
??? ??? ??? ??? ????? ?? ????? ??? ????僕に友達が何人いるかって? 水に石に、竹に松。
??? ?????? ??? ??????? ???? ? ?? ????東の丘に昇る月も楽しい仲間。
??? ??????? ????? ????????, ? ?? ?? ? ??? ????この5人の仲間の他に、どんな楽しみが要るというんだい?

頌歌ホラティウス詳細は「頌歌」を参照

頌歌(頌詩、オード)はピンダロス[61]などの古代ギリシア詩人やホラティウスなどのラテン詩人によって作り出された。ギリシア・ローマの影響を受けた数多くの文化で頌歌の形式が見出される[注釈 23]。頌歌は通常ストロペーアンティストロペーエポードの3つの部分から成る。アンティストロペーは類似した韻律構造と、伝統にもよるが、類似した押韻構造を持つ。対比的に、エポードは異なった配置と構造で書かれる。頌歌はフォーマルな詩語を持ち、概して厳粛な主題を取り扱う。ストロペーとアンティストロペーは主題を異なった(しばしば相反する)視点から見ており、エポードでは両視点からより高い水準へと移行し、あるいはその根底にある問題を解決する。頌歌はしばしば2組の合唱隊(または2人)で朗読もしくは詠唱されることを意図しており、一方がストロペーを、もう一方がアンティストロペーを語り、両者がエポードを語る。時代と共に、頌歌の形式と構造には相当なバリエーションが発達したが、概してピンダロスとホラティウスの頌歌の影響を残している。西洋以外で頌歌に類似したものとしてペルシアのカスィーダ (en:qasida) がある。
ガザル

ガザル(en:ghazel; アラビア語: ghazal‎, ペルシア語: ghazel‎, トルコ語: アゼルバイジャン語: gazel, ウルドゥー語: gazal‎, ベンガル語: gozol〔シレット方言を含む〕)はアラビア、ペルシア、トルコアゼルバイジャンウルドゥー語ベンガル語の詩で共通して用いられている形式である。古典的な形式では、ガザルは2行目の終わりに共通のリフレインを持つ押韻した5から15の二行連で構成される。このリフレインは1音節もしくは複数の音節から成り、その直前で押韻する。各行は同一のメーターを持つ。二行連はそれぞれが完結した思考を持ち独立しており、ガザル全体が「叶わぬ愛」や神性などの主題を試案する形になっていることが多い。最後の二行連に作者の署名が書かれるのが普通である。

多くの言語で長い歴史を持つ他の詩型と同様に、ガザルにもさまざまな変種が形成され、その中にはウルドゥー語のほとんど音楽にも等しい詩語を持つ形式も含まれる。ガザルは伝統的にスーフィズムとの親和性があり、数多くのスーフィズム宗教の作品がガザル形式で書かれた。比較的規則正しいメーターとリフレインの使用は呪術的な効果を生み出し、これがスーフィズムの秘教的な主題を良く補完している。この形式の達人としては、13世紀ペルシアのコンヤ(現在のトルコ)の詩人であったジャラール・ウッディーン・ルーミーがいる。
アクロスティックΙΧΘΥΣ と彫られた石詳細は「折句」を参照

アクロスティック(後期ギリシア語 akrostichon < akros「先頭」 + stichos「詩行」)、「折句」はアルファベットなどで書かれた詩やその他の書き物で、各行/段落/その他の反復構造の最初の文字/音節/単語を合わせると別のメッセージとなるものである。この窮屈な形式は、想起を簡単にするための記憶術として使われたものであるのかもしれない。有名なアクロスティックとして、ギリシア語での神を称える文句 Ιησο?? Χριστ??, Θεο? Υι??, Σωτ?ρ「イエス・キリスト、神の子、救世主」がある。最初の文字を綴り合わせると ΙΧΘΥΣ となり、これはギリシア語で「魚」を意味した。よって、初期のキリスト教徒は頻繁に魚を用い、今日でもイエス・キリストのシンボルとなっている[62]

日本の折句としては「かきつばた」を折り込んだ伊勢物語の和歌「からころも きつつなれにし つましあれば はるばるきぬる たびをしぞおもふ」が高名である。今日では「縦読み」としても親しまれている。
カンツォーネ詳細は「カンツォーネ」を参照

イタリア語で文字通り「歌」を意味するカンツォーネ(複数形カンツォーニ)はイタリアもしくはプロヴァンスの歌・バラッドである。


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