メーターを記述する上で、異なった「韻脚」の多重性がどれほど有用なものであるかについては議論がある。例えばロバート・ピンスキーは、ダクテュロス(長短短格)は古典詩では重要であったが、英語のダクテュロス(強弱弱格)詩は強弱弱格を極めて不規則にしか用いておらず、ピンスキーによれば英語にとってより自然であるところの弱強格と弱弱強格のパターンに基いた方がより良く記述できると論じている[36]。実際のリズムは先述のような解析されたメーターよりもずっと複雑なものであり、多くの学者がこの複雑性を分析できる体系を開拓しようと努力してきた。ウラジーミル・ナボコフは、詩行における強勢・非強勢の音節の規則的なパターンには話し言葉の自然なピッチから生まれるアクセントの別のパターンが重ね合わされていると指摘し、アクセントのない強勢をアクセントのある強勢から区別するために scud という用語を用いることを提言した[37]。.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}.mw-parser-output .listen .side-box-text{line-height:1.1em}.mw-parser-output .listen-plain{border:none;background:transparent}.mw-parser-output .listen-embedded{width:100%;margin:0;border-width:1px 0 0 0;background:transparent}.mw-parser-output .listen-header{padding:2px}.mw-parser-output .listen-embedded .listen-header{padding:2px 0}.mw-parser-output .listen-file-header{padding:4px 0}.mw-parser-output .listen .description{padding-top:2px}.mw-parser-output .listen .mw-tmh-player{max-width:100%}@media(max-width:719px){.mw-parser-output .listen{clear:both}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .listen:not(.listen-noimage){width:320px}.mw-parser-output .listen-left{overflow:visible;float:left}.mw-parser-output .listen-center{float:none;margin-left:auto;margin-right:auto}}英詩の強弱八歩格例エドガー・アラン・ポー『大鴉』(*)仏詩のアレクサンドラン例シャルル・ボードレール『美への讃歌』。a-b-a-bの交韻。(*)この音声や映像がうまく視聴できない場合は、Help:音声・動画の再生をご覧ください。 シェイクスピアの弱強五歩格やホメロスの長短短六歩格から多くの童謡で用いられている弱弱強四歩格まで、異なった詩の伝統やジャンルでは異なったメーターが用いられる傾向にある。しかしながら、特定の韻脚や詩行を強調したり単調な反復を回避したりするために、確立されたメーターから変化させることもまた一般的である。例えば、韻脚内で強勢が倒置されたり、カエスーラ(休止)が(時として韻脚や強勢の代わりに)置かれたり、行の最後の韻脚に和らげる目的で女性行末
メーターのパターン
一般的なメーターのパターンの例を、それを用いた代表的な詩人や詩作品の例と共に以下に挙げる:
弱強五歩格 - ジョン・ミルトン『失楽園』[注釈 12]
長短短六歩格 - ホメロス『イーリアス』[39]、ウェルギリウス『アエネーイス』、オウィディウス『変身物語』
弱強四歩格 - アンドリュー・マーヴェル『はにかむ恋人へ』、アレクサンドル・プーシキン『エヴゲーニイ・オネーギン』[注釈 13]
強弱八歩格 - エドガー・アラン・ポー『大鴉』[40]
弱弱強四歩格 - ルイス・キャロル『スナーク狩り』[41]、ジョージ・ゴードン・バイロン『ドン・ファン』[42]
アレクサンドラン - ジャン・ラシーヌ『フェードル』[43]
漢詩における五言や七言、日本の五七調や七五調もここに加えうるであろう。漢詩には声調に「平仄」と呼ばれる規則がある。
脚韻、頭韻、類韻古英語の叙事詩『ベーオウルフ』は頭韻法により書かれている。詳細は「押韻」、「頭韻法」、および「類韻」を参照
脚韻、頭韻、類韻、子音韻は音声の反復するパターンを作り出す方法である。