言語獲得
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言語学者らでは、チョムスキーらの生成文法句構造文法)を研究した一派は言語獲得についての仮説として、生得的に「普遍文法」という文法を人は持っているのだという仮説を立てた。一方で、そのような言語に特化した生得的なものは無いとする主張もある。認知言語学の研究者はそういった立場であり、言語能力は他の能力と密接に関連しており、専門化された「普遍文法」仮説がいうような遺伝的基盤は無いと考えている。いずれにしろ言語学の立場からは、言語という現象を通して心の理論などを研究しているのであるから、彼らがそういったようにして脳の現象などについて持っている理論はいずれにしろ「脳生理学的なものというよりは仮説」である(ブローカ野ウェルニッケ野など、神経学などの側から「反対側から掘ったトンネル」のようにして仮説ではなくなることもある)。

またコネクショニズムは、主に認知科学などの側から、言語獲得などといった脳の働きを、ニューラルネットワークモデルで研究しようという立場である。
優勢言語

例えば英語を母語とするアメリカ人とフランス語を母語とするフランス人の間に生まれた子供が日本で生まれ育った場合、家庭において日常使用されている言葉(どの言語であるかは家庭の環境によって異なる)を習得し、家庭で使われている言語と日本語をともに獲得することになる。二つ以上の言語を使用できるときに、中心的に使用される言語を優勢言語と呼ぶ。あるいは、そういった特殊事情は無しに、単に両親の生まれ育った環境でその子も育った、という場合も含め、これは専門家であれば第一言語(first language)と呼ぶものでもあり、一般的に俗には母語(mother tongue)などとも呼ばれるものである(日本語話者の一部が使う「母国語」という語は、これらの英称とも対応していないし、言語学的には不正確でもある)。優勢言語がどのようにして決まるかはケースバイケースである[2]。方言については、一例では、ジュディス・ハリスの研究によればアメリカ移民の子供は親が使うブロークンな英語よりも、仲間たちが使う正しい英語を身につけた。したがって家庭よりもそれ以外の環境の影響が強いかもしれない(あるいは、原因と結果の逆転の可能性もある。すなわち単に、言語獲得についてだけでなく、あらゆる面で家庭よりもそれ以外の環境の影響が強かったために、そうなったのかもしれない)。リズム教育は幼児の言語識別能力に一役買っている[5]
脚注[脚注の使い方]^ ANDREW N. MELTZOFF ⇒ORIGINS OF THEORY OF MIND,COGNITION AND COMMUNICATION
^ a b スーザン・H. フォスター=コーエン 『子供は言語をどう獲得するのか』岩波書店 2001年
^ Elizabeth S. Spelke and Katherine D. Kinzler Core knowledge Developmental Science 10:1 (2007), pp 89?96、2014年11月29日時点の ⇒オリジナルよりアーカイブ。
^ Bloom P. and Wynn K. Linguistic cues in the acquisition of number words J. Child Lang. 24 (1997), 511±533.、2015年12月18日時点の ⇒オリジナルよりアーカイブ。
^ Gasparini, Loretta; Langus, Alan; Tsuji, Sho; Boll-Avetisyan, Natalie (2020-09-17). Quantifying the role of rhythm in infants’ language discrimination abilities: A meta-analysis. doi:10.31219/osf.io/rmn5x. https://osf.io/rmn5x. 

関連項目

言語言葉

社会的相互作用

第二言語習得

生得論

イマージョン・プログラム

エンパワメント

臨界期仮説

双子語 - ポトとカベンゴ

話す鳥

言語喪失 - 後に習得した言語が優勢になり、母語を忘れてしまう事。

言語発達遅滞(英語版)

マルチリンガル、ポリグロティスム(英語版)(「多言語を話す人」の意。)

例:en:List of polyglots(過去に多言語を操れたと言われる人々のリスト)

ジュゼッペ・ガスパロ・メゾファンティ(30から72言語を理解出来たというキリスト教の枢機卿)


サヴァン症候群、非言語IQが40?70の人が、16言語を習得した例などが報告されている。

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