解体
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第一次戦略兵器削減条約 (START I)

鉄道車両解体中の電車(JR西日本下関総合車両所)。窓ガラス・冷房装置・ドア・内装材などが取り外されている東武鉄道北館林荷扱所。大手私鉄でも専用の車両解体場を持つ事業者は多くない

鉄道車両の場合、廃車手続がなされた車両は、その鉄道事業者車両基地などに回送の上、専用の解体線に移されて重機やガスバーナーで解体される。

例えば、JRなどではいくつかの車両工場に解体線がある。また東武鉄道では館林市内の北館林荷扱所に専用の解体場がある。

古い鉄道車両では石綿が使用されているものがあり、環境上の問題などから、最近は大手私鉄であっても自社に解体設備はもたず、専門の解体業者に委託して、車両を陸送して解体工事を行う場合も多い。なお東武鉄道の北館林荷扱所では、自社車両以外に他社局の廃車車両の解体も請け負っている。

解体の際に発生した部品や設備は、部品取り車として他の車両に転用したり、運転台などの車体の一部をそのまま他の車両に移設することもしばしば行われる。その他の部材は廃材・くず鉄として再利用されたり、廃棄物として処分される。また鉄道ファン向けの一般公開イベントで、愛好家向けに廃品が販売されることもある。
関連項目


廃車 (鉄道)

北館林荷扱所

車両基地

自動車バンパーワイパーバックミラー、前方降車口ドア、一部の座席などが取り外された状態の西鉄バス
バスの日記念イベントの部品即売会での様子解体屋で切断された輸出用の自動車カットボディ

自動車の場合、抹消登録と呼ばれる廃車手続を行った後の解体となる。自動車は鉄道車両と比較して輸送が容易であるため、解体業者が所有する専用施設に運び込まれた上で解体処理される。

自動車の場合はパーツの流用も容易であるため、解体車両の再利用も頻繁になされる。部品取りとして金属部分やエンジンなどの有価物は中古(リユース及びリビルド)部品として流通したり、取り外したシートなどのパーツが中古品として販売される。また解体した車両の部品から再生車両を組み上げることもある(ニコイチ)。流用できない部分もくず鉄などの形で再資源化され、残滓は廃棄物として処分される。

またバス車両の場合は鉄道車両と同様、近年バスファンの増加にともない、愛好家向けにイベントなどで方向幕などの廃品が販売されることが増えている。
関連項目


廃車 (自動車)

解体屋

部品取り

ニコイチ

使用済自動車の再資源化等に関する法律(自動車リサイクル法)

スクラップインセンティブ (自動車)

船舶バングラデシュにおける船舶解体作業

船舶解体はスクラップアンドビルドの規制により、20世紀の終わりまでは先進国、とりわけ日本造船所などで行われていた。内航船については現在も国内において解体されている。国内には100m以上の船を解体できる業者は6社ある。自衛隊潜水艦海上保安庁大型船も国内の解体業者により解体される。その殆どが瀬戸内地方に集中している。

GT1,000以上の大型船は、使用価値のある状態で海外へ使用する船として売却される場合が多く、国内において解体されることは稀である。

GT20,000以上の超大型船は、インドおよびバングラデシュチッタゴンなど)の遠浅で干満差の大きい砂浜において、無数の未熟練労働者によって解体されている。船主は解体に伴うコストを軽減・忌避するためバングラデシュなどに船を輸出し、現地の解体業者は解体した船の残骸をスクラップとして各国に売却している。これら危険作業や有害物質の途上国への輸出には批判も多く、船舶は2004年11月のバーゼル条約で有毒廃棄物と規定された。
関連項目


船舶解体

バーゼル条約

生物築地市場での鮪包丁を用いたマグロ解体作業

生物における解体は、生物の体を切断し各部分に分けること。「捌く(さばく)」とも言う。食用を目的とした大型の動物を市場に流通させる際、原型のままでの輸送が難しい場合に包丁などを使用し、輸送しやすい大きさに解体する。

解体の方法は、動物など種類によって多岐にわたる。家畜の解体については、屠殺屠畜場の項などを参照。屠殺された家畜の食肉とならない部分は、化製場と呼ばれる工場で油脂ペットフード原料などの製品に加工される。特に魚の解体に関して、日本は他国にない特有の技術を持つ。

生物学医学方面では、同様の行為を解剖という。日本初の解剖学書である解体新書はこの語を使っているが、その後は使われなくなっている。
関連項目


鮪包丁

魚市場

築地市場 / 豊洲市場

屠殺 / 豚の屠殺

屠畜場 / 化製場

社会集団

人間の社会集団における解体は、集団としての性質を失うこと。「解散」という語と似ているが、解散は自発的に行われることが多く、解体は第三者の手によるものが多い。組織解体や財閥解体など。
精神医学
精神疾患

アメリカ精神医学会による精神障害の診断と統計マニュアル (DSM) では、統合失調症におけるある種の症状(「解体した会話」「解体した行動」と定義される)、および感情・意志の鈍麻による人格荒廃に至る病態を指す。

なお、世界保健機関 (WHO) による国際的な分類である疾病及び関連保健問題の国際統計分類 (ICD) では、統合失調症の定義において「解体」という表現を用いていない。日本において厚生労働省が正式に採用しているのはICDである。

近年では精神医学の進歩と向精神薬(特に抗精神病薬)の発達などにより、統合失調症でも人格荒廃にまで至らない比較的軽症な症例が増加している。
関連項目


統合失調症

精神障害の診断と統計マニュアル (DSM)

疾病及び関連保健問題の国際統計分類 (ICD)

洗脳の解除

@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}諜報機関テロリストゲリラカルト団体などに洗脳を施された人間に対し、元の状態に戻すために施される行為。[要出典]

「逆洗脳」「脱洗脳」とも言われるが、そちらの語を用いる方が一般的である。


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