日本の観覧車の歴史では1907年(明治40年)4月、東京・上野で開催された東京勧業博覧会のものが有名である。これが日本初の観覧車とされていたが、福井優子の研究により、1年前の1906年5月に大阪・天王寺公園で開催された日露戦争戦捷紀念博覧会で観覧車が設置されていたことが確認された[25]。その後の調査でさらに、天王寺の観覧車(蒸気動力で動き、直径15メートル、ゴンドラ14個を設置)は、1か月半で解体され、翌年、上野の東京勧業博覧会に移設されたことが判明した。この博覧会では大阪から移設された1台に加え、電動式観覧車1台も設置されていた[26]。
日本では明治末期の1906年?1911年、上記を含む5基の観覧車が設置された。かつて、これらは全て輸入されたと見られていたが、福井は全基が国産だった可能性が高いとの見解を示している。理由としては、1907年7月の『東京日日新聞』に、観覧車を製造した石川島造船所と営業人の間での訴訟を伝える記事が掲載されていること、1910年に福岡市で開催された共進会を図柄とした絵葉書で、観覧車の支柱に「若松徳永鉄工所製造」という文字があること、ゴンドラ内に椅子がない構造が5基に共通していることを挙げている[27]。
イルミネーション点灯機能を備えた観覧車は、神戸ハーバーランド・モザイクガーデンの「ワンダーホイール(1995年)」が世界初である。現在この機能は多くの大口径観覧車に搭載されるようになった。
世界初のビル一体型の観覧車が登場したのは1998年、大阪の「HEP FIVE」であり、10階建ビルの7階が乗り場になっており、ビル屋上を越えて最高点(106m)に達する。他に横浜モザイクモール(最高点75m)、アミュプラザ鹿児島(最高点91m)、みらい長崎ココウォーク(最高点70m)にも同じタイプの観覧車が存在する。
2024年の時点で、営業している観覧車で日本最大のものは、2016年に開業した大阪府のEXPOCITY内にある「REDHORSE OSAKA WHEEL」(高123m)である。
日本最大の観覧車の変遷Sky Dream Fukuoka(エバーグリーンマリノア)。営業当時日本最大であった。
1981年3月20日 - 神戸ポートアイランド博覧会(通称ポートピア'81)に「ジャイアントホイール」(高63.5m、径61m)が完成し、現役で[28]世界最大となる。
1984年3月 - 姫路セントラルパーク「ジャイアントピーター」(高85.0m、径82.5m)が完成。
1985年3月17日 - 国際科学技術博覧会(通称科学万博、つくば'85)に「コズミック・スペース」(高85m、径82.5m)が完成(閉幕後エキスポランドに移設)。
1989年3月17日 - 福岡市で開催されたアジア太平洋博覧会(通称:よかトピア)に、かつてパリにあった「Grande Roue de Paris」を上回る、世界最大の観覧車(高105m、径100m)が完成(閉幕後遊園地「グリーンランド」に移設)。
1989年3月25日 - 横浜博覧会(通称:横浜博、YES'89)に「コスモクロック21」(高107.5m、径100m)が完成。直径はアジア太平洋博覧会の観覧車と同一。
1992年4月26日 - 滋賀県大津市のびわ湖タワーに「イーゴス108」(高108m、径100m)が開業。
1997年7月12日 - 大阪市港区の天保山ハーバービレッジに「天保山大観覧車」(高112.5m、径100m)が開業。
1999年3月18日 - 横浜市中区の「コスモクロック21」が移設され、その際に台座を高くされて全高が112.5mとなり、高さ、直径ともに天保山大観覧車と並ぶ。