欧米のネット上では、日本文化に執着する人々を侮蔑的にウィアブー(weeaboo)と呼ぶことがある。
この言葉は当初はWhite JapaneseやWestern Japaneseを省略したWapaneseという言葉で表されていたが、差別用語としてインターネットの英語圏の日本関係フォーラムで使用禁止となり、Wapaneseと書き込むと自動的に意味のない間投詞ウィアブーに置き換えられたことからウィアブーそのものが英語圏の親日家や日本被れの者を指すようになった[8]。短縮してweebとも言う。 日本が明治維新以降、政治・経済における地位を急速に高め、日露戦争における勝利などを経て、アジアで、また有色人種国家としても唯一の「五大国」の一員に数えられる列強となったことや、1945年における第二次世界大戦の敗戦後も、戦後の荒廃から復興を始め、高度経済成長を経て、再び四半世紀強という短期間で世界第2位の経済大国となったことに加え、国内には輸出対象となるような資源をあまり持たないながらも、加工貿易で経済的な成功を遂げたことに対する日本と日本男性への憧れ・尊敬が聞かれる。また後年の輸出品である高度な技術製品は、日本語を解さない人たちにも強い印象を与えた。 江戸時代のオランダ貿易や明治時代のイギリスを始めとしてヨーロッパやアメリカ間で貿易が行われた際に輸出されつづけた日本文化は、当時驚きと新奇性を持ってブームを巻き起こした。 これをジャポニスムという。その後も日本文化への憧憬は廃れず、世界中に日本に関心を抱く愛好者がいる。 書や絵画や工芸、尺八や箏曲や雅楽などの邦楽、能や歌舞伎や日本舞踊などの伝統芸能、俳句や源氏物語などの文学、盆栽や日本庭園、寺や社や城郭建築などの建築、華道や茶道といった日本独自の伝統芸術、また柔道や剣道や相撲などの武術、禅、芸者、寿司など、様々な分野の伝統的な日本の文化に対する熱心な愛好者がいる。 たとえば盆栽展に行くと米国やフランスの若者の愛好家をよく目にするし、外国人の尺八演奏家もいるなど、伝統文化・伝統芸能分野で日本人以外がそういった文化の吸収に積極的なケースも見出せる。 日本の武道に関しても、スポーツなどとして競技人口は膨大な数にのぼり、国技であるとされる相撲でも外国人力士は数多い。 歴史的な国家間の交友に起因するケースも存在する。たとえばトルコの場合は、1890年のエルトゥールル号遭難事件があげられる。オスマン帝国時代に国家の威信を掛けた親善航海の帰路に発生したこの遭難事故は、これら遭難者を助け、また亡くなった者を慰霊した日本側の態度が美談として同国内で受け継がれ、トルコ共和国となった今日でも、同国との国交にこの遭難事件とそのエピソードが度々引き合いに出されるとも伝えられる。ただし、柏崎トルコ文化村倒産後にトルコ側から寄贈されたムスタファ・ケマル・アタテュルク像のぞんざいな扱いに関連し、「エルトゥールル号の遭難以来、115年を超える信頼関係を裏切る行為だ」とのコメントが関係者から寄せられている[9]。 1980年代-2000年代以降の親日感情には、日本製の漫画やアニメ、テレビゲーム等のサブカルチャーを始めとしたソフトコンテンツ産業による影響が見られる。台湾の「哈日族」(ハーリィズゥ)や韓国、中国の若者達などがいる。 さらに、「キャッツ・アイ」や「ドラえもん」、「ルパン三世」などの数多くのアニメや漫画が輸出されたフランスやイタリア、香港やタイでは、若年層を中心に日本のアニメや漫画の愛好者が多い。サッカーイタリア代表選手のファビオ・カンナヴァーロをはじめとする多くのプロのサッカー選手が、サッカー漫画「キャプテン翼」を愛読書であると明言している。 この他、J-popなどの日本の音楽やテレビドラマも盛んに外国に輸出されるようになり、その作品から日本男性に好意を抱く女性もいる。 2017年 BBCワールドサービスの国際世論調査 2013年 ピュー・リサーチ・センターの国際世論調査 2011年 BBCワールドサービスの国際世論調査
背景.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}}『花咲く梅の木』, ゴッホによる広重の模写(1887年)
経済と技術
伝統文化
過去の経緯・国交
新興文化
歴史的経緯
調査対象国別の対日本観[10]
調査対象国肯定否定どちらでもない肯定-否定
中国22%75%3-53
スペイン39%36%253
トルコ50%32%1818
パキスタン38%20%4218
インド45%17%3828
ロシア45%16%3929
ペルー56%25%1931
ナイジェリア57%24%1933
イギリス65%30%535
メキシコ59%23%1836
ケニア58%22%2036
ドイツ50%13%3737
インドネシア57%17%2640
アメリカ65%23%1242
ギリシャ52%9%3943
フランス74%21%553
ブラジル70%15%1555
オーストラリア78%17%561
カナダ77%12%1165
日本に対する印象(アジア・太平洋のみ)[11]
調査対象国肯定否定どちらでもない肯定-否定
中国4%90%6-86
韓国22%77%1-55
パキスタン51%7%4244
フィリピン78%18%460
オーストラリア78%16%662
インドネシア79%12%967
マレーシア80%6%1474
調査対象国別の対日本観[12]
Size:111 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
担当:undef