金佐鎮の子孫である親朴連帯国会議員金乙東は、親日的人物の子孫は政府機関の要職に任命してはいけないと主張しており、韓国のインターネット上では公論化され実現されるべきであると支持されている[26]。
共に民主党のナンバー2の洪永杓議員も祖父洪鍾轍が爵位を日本から受けている。中央日報は、韓国の右派を親日派と批判する左派が「民主化運動などで先祖の罪を十分に反省したので全く問題として見ない」としていることを批判している。右派政党の自由韓国党の政治家が安倍晋三首相との面会時に頭を深く下げたとして「親日派DNAはどこに向かうのか」と批判したが、共に民主党のルーツである金大中大統領(当時平和民主党の総裁)は昭和天皇の焼香所で頭を深く下げて哀悼の意を表している。そのため中央日報は、昭和天皇哀悼の姿勢、天皇呼称の公式化など金大中による対日姿勢が、民主党の定義だと「スーパー親日派」になってしまうと指摘している。中央日報は、民主党をつくった金大中が韓国の安保と国益につながるために日本や天皇に対して行ってきたのとは逆に、民主党の後輩たちは「金大中が残した偉大な韓日関係の遺産を壊している」と批判している[7]。
在野においては、1960年代に在野研究者林鐘國の『親日文學論』で明確な親日行為と親日派の定義を与えているのが韓国出版物での初見である。なお、林鐘國の遺志を継ぎ設立されたのが民族問題研究所、及び統一時代民族文化財団とその傘下の親日人名辞典編纂委員会[27]であり、盧武鉉大統領指名の政府委員会である親日反民族行為真相糾明委員会とも構成人員で重複している部分がある。また、同委員会の与党側構成員の中に父親が旧陸軍の憲兵なのに親日派糾弾していたという余りに杜撰すぎる編成、そして事後法ではないかという批判も根強い。
朝鮮語においては親日は日本語における字義どおりの意味ではなく、意味としては日本語でいう売国奴や非国民に近い意味を伴う[28][29]。
韓国では公的、狭義には日露戦争以降、日本統治時代における開化派や一進会のメンバーなどを親日反民族行為者とし、また、より広義、一般的な意味としては、韓国と日本が戦うとき、日本の肩を持つ日本びいきの人のことを指す[30] とされる。前者の意味するところは日本語の売国奴に等しいが、後者の場合でも通常反民族的行為と捉えられる。
日本統治時代以降の人物でも日本の統治を肯定・賞賛・賛美したり、領土、慰安婦、教科書、海外遠征売買春など日韓で問題となっている事柄について、日本寄りの意見や、韓国・北朝鮮においてみなされる日本人の右派と同様の発言をしたり(『良心的韓国知識人』)、韓国の冷静さに欠ける行為を批判し、日本と比較して意見すると親日行為ととられ批判の対象となる。特に、同族統治である李氏朝鮮や北朝鮮と比較して、日本の統治を韓国主流の全面否定するということはしない意見を述べた、金完燮、呉善花、韓昇助といった人たちは新親日派と攻撃されていれる[31][32][33]。
韓国政界において、政敵を攻撃する場面がしばしば見られる[34][35]。先祖によるものであっても実際に親日反民族行為が確定すれば失脚は免れない[36]。北朝鮮系WEBサイト「我が民族同士(ウリミンジョッキリ、??????)」は、2006年に自民党の招きで来日した朴槿恵を、「日本の歴史歪曲と独島への野望などに言及しなかったことは親日売国行為である」と批判した[37][38]。また、「東海を『平和海』とすることも検討できる」と述べた盧武鉉大統領も親日と批判された[39]。
韓国政界だけでなく、芸能界でも親日や倭色は避けるべきタブーとされる[40][41]。『殴り殺される覚悟で書いた親日宣言』を著した趙英男は、産経新聞とのインタビューで竹島や教科書問題の対応は「日本の方が一段上」と述べたことや、2005年に制定された島根県の竹島の日でさらに高まっていた反日感情のあおりを受け、テレビの司会を降板し親日発言を謝罪した[42][43]。
さらに、2008年韓国蝋燭デモにおいてデモ隊に反対し一人デモをした学生が親日派と罵られるなど、反民族行為とみなされれば日本に関連していなくても用いられる[44]。