視聴率
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2020年から視聴率の調査方法が大きく変化し、より精度の高い指標が登場したことで、2022年現在ではテレビ局とスポンサー間の取引指標としては使用されなくなってきている[7]
個人視聴率

世帯ではなく個人単位でテレビを視聴している割合を表す。個人視聴率の一種に"個人全体視聴率があり、対象世帯に住む全体の人数のうち誰がどのくらい視聴したかの割合を表す。性別、年齢、職業などの特性で区分して集計することができる[8]。2010年代後半以降、スポットCMの新しい取引指標として重視されるようになった[9]
コア視聴率

ファミリー層の個人視聴率を表す用語で、テレビ局によって定義が異なるが概ね13歳?49歳の個人視聴率を指す。行動範囲が広く、商品購買意欲の高い視聴者層として、テレビCMを出稿するスポンサーが重視している[8]。詳細は「#新視聴率調査(2020年?)」を参照
平均視聴率

毎分0秒の時の視聴率(瞬間視聴率)の平均で求められており、一番組中で最も高かった瞬間視聴率をマスコミ用語で"瞬間最高視聴率"として考慮することもある。
瞬間視聴率

瞬間視聴率や瞬間最高視聴率という言葉はマスメディアによる造語で[10]ビデオリサーチではそれぞれ毎分視聴率、毎分視聴率の最高値という。
タイムシフト視聴率

ハードディスク式録画装置に録画しておいて、後から再生して視聴することが一般化したことから、日本では2014年7月に初めて録画率を表す「録画視聴率」が公開された。2022年現在、ビデオリサーチは放送から7日間(168時間内)での録画視聴をタイムシフト視聴率として集計している[11]
総合視聴率

リアルタイム視聴とタイムシフト視聴のいずれかで視聴されたことを示す指標。ビデオリサーチでは、リアルタイムとタイムシフトの両方で視聴した場合、複数回カウントはせず1回の視聴として扱われる[11]
各国の視聴率詳細は「各国でもっとも視聴されたテレビ番組一覧(英語版)」を参照
アメリカ合衆国「アメリカ合衆国で最も視聴されたテレビ番組の一覧(英語版)」および「アメリカ合衆国での年代ごとのテレビ番組視聴率ランキング(英語版)」を参照
調査

アメリカ合衆国では、1950年代以降、視聴率調査はニールセン・メディア・リサーチ社が業務を独占している[12]

ニールセン・メディア・リサーチ社はニューヨークに本社をおくマーケットリサーチ会社である[13]

調査方法は、アメリカ合衆国全国調査は1987年よりピープルメーター方式(それ以前は日記式アンケート)、地域調査は1週間分の日記式のアンケートを郵送する方式に加えて、2003年後半から2004年前半にピープルメーター方式を導入した[12]

アメリカの視聴率はパーセンテージと「○○○万○千人」などといった視聴者数を同時に計測・発表しており、視聴率よりも視聴者数の方が重視される傾向にある。

ニールセン調べにおける全米の視聴率歴代最高は1983年2月28日CBSマッシュ』最終回で記録した60.2%(視聴者数1億597万人)[14]であり、視聴者数歴代最高は2015年2月1日NBC第49回スーパーボウル』で記録した1億1440万人[15](視聴率49.7%[16])である(2017年現在)。2010年以後、それまで視聴者数歴代最高だった[14]『マッシュ』最終回の記録が、『スーパーボウル』のテレビ中継によって次々と更新されている。
視聴率測定における時間帯区分(プライムタイム)

ニールセンの調査では、月曜?土曜の20時から23時及び日曜の19時から23時を特に視聴率の高い「プライムタイム」としている[17]。これは日本の調査での「プライムタイム」とは異なる。
日本
歴史

日本における視聴率は記録に残っているものでは、1954年に「NHK放送文化研究所」が年に2回、訪問面接法による調査を開始したのが最初である[18]。「NHK放送文化研究所」による調査は、1971年に調査方式を配付回収法に変更した。数か月に1回、1週間分の個人視聴率の調査・発表を行っている。

1955年には電通が年に4回、日記式のアンケートによる調査を開始した[19](電通による視聴率調査は1963年1月が最終。以後の調査は「ビデオリサーチ」へ引き継がれる[20])。関西では電通大阪支社と毎日放送朝日放送の3者が「放送調査委員会」を組織して実施した。当時まだ少なかったテレビ所有世帯を探して毎日訪ね、5分刻みで記入できる翌日の番組表を渡して書き込んでもらい、回収した。集計は約一カ月かかった。

視聴率をより早く知りたいというスポンサー企業の要望に対応するため、毎日放送はその後、独自に電話調査を開始した。電話帳千枚通しを突き刺し、穴が開いたページの一般家庭を調査対象としてリストアップ。電話をかけて「テレビはありますか」「どなたが見ていますか」「見てるのは、どのチャンネルですか」の3項目を質問した。「テレビはない」と怒鳴られることもあったという[21]

1958年には社団法人中央調査社[22]が同じく日記式のアンケートによる調査を年に4回開始し、1959年には年12回(毎月)に拡大した[23]1961年4月、ニールセンが日本に進出し測定機械による世帯視聴率調査を開始し、1962年12月からはビデオリサーチ社も調査を開始した[24]。当時は測定器を該当する世帯のテレビに取り付け、情報を紙テープに記録するオフラインメータ方式[25]で、調査員が記録テープを回収[26]した後に集計を行っていたため、前週の視聴率が翌週に判明する状態であった[27]

1962年12月28日、ビデオリサーチによる初のテレビ視聴率の調査結果が発表される。ベスト5は以下の通りだった[28]

1962年12月28日発表の在京局テレビ視聴率・ベスト5(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯・リアルタイム)#番組名放送局視聴率
1位ベン・ケーシーTBS49.0 %
2位ディズニーランド日本テレビ39.0 %
3位若い季節NHK総合36.6 %
4位ジェスチャーNHK総合35.3 %
5位お笑い三人組NHK総合35.0 %

1977年9月26日、関東地区にてビデオリサーチが開発した「ミノル・メーター」[29][30]を使用し、通信回路(電話回線)を経由して情報を自動回収するオンラインメータ方式[25]による調査を開始したことにより、翌日には視聴率が判明するようになった[26][27]

長らく、このニールセンとビデオリサーチの2社が日本国内における世帯視聴率を測定していたが2000年3月、ニールセンが日本国内における視聴率調査から撤退し[31]、それ以後は世帯視聴率はビデオリサーチの測定した結果のみが用いられることとなった。

ニールセン撤退の理由は、機械式個人視聴率調査の導入に関して民放キー局と意見が対立したからだとされる。1987年春に日本民放テレビ業界で起こった視聴質論争をきっかけに機械式個人視聴率調査の導入問題が起こる。1994年11月にニールセンが三井造船系列の企業が開発した「Vライン」を使用した機械式個人視聴率調査を開始したが、Vラインの調査に不安を抱えていたテレビ局側が猛反発し、実際に日本テレビなどがニールセンとの契約解除に踏み切る。1997年にはビデオリサーチも機械式個人視聴率調査を導入するが、これに伴い調査費用が高騰。


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