見島
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明治初年 - 「旧高旧領取調帳」には見島地方・見島浦方に分かれて記載され、周防山口藩領であった。

明治4年7月14日1871年8月29日) - 廃藩置県により山口県の管轄となる。

1879年(明治12年)1月6日 - 郡区町村編制法の山口県での施行により行政区画としての見島郡が発足。郡役所が阿武郡萩町に設置。

1889年(明治22年)4月1日 - 町村制の施行により、見島郡見島が単独で自治体を形成して見島村が発足。

1896年(明治29年)4月1日 - 郡制の施行のため、阿武郡・見島郡の区域をもって、改めて阿武郡が発足。見島村の所属郡が阿武郡に変更。

1955年昭和30年)3月1日 - 阿武郡見島村が萩市に編入。同市大字見島となる。

生活環境

みしまむら
見島村
廃止日1955年3月1日
廃止理由編入合併
萩市、
阿武郡三見村大井村六島村、見島村 → 萩市
現在の自治体萩市
廃止時点のデータ
日本
地方中国地方
都道府県山口県
郡阿武郡
市町村コードなし(導入前に廃止)
総人口2,853人
国勢調査1950年
隣接自治体萩市(航路を介して)
見島村役場
所在地山口県阿武郡見島村本村
座標北緯34度45分49.0秒 東経131度9分7.5秒 / 北緯34.763611度 東経131.152083度 / 34.763611; 131.152083 (見島村)
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萩市見島支所島のよろずや ポプラ見島店

2017年(平成29年)3月31日現在の人口は814人(住民基本台帳参照)。郵便番号は島内共通で758-0701であり、電話番号は0838-23-XXXXである。

南側にある本村(ほんむら)地区、北東側にある宇津(うつ)地区の二つの集落に分かれてほぼ全島民が住んでいるが、本村の北側・払子(はらこ)には航空自衛隊の基地(見島分屯基地)があり、そこで生活している島民がいる。

過去には本村と宇津でそれぞれ独自の生活環境が整っていたとみられるが、現在では主要な施設等はほぼ本村に集中しており、宇津には廃止・休止施設がいくつかそのまま残っている。
本村
集落のやや東寄りに位置する本村港が島の玄関となる。その真向かいに駐在所、そこから東50mほどのところに見島(火力)発電所があり、その北側に教育関係の施設が集中している。東から順に、見島小学校、見島保育園、見島中学校があり、同じ敷地内に見島公民館(見島総合センター)がある。港から北西方向に伸びる道沿いにはJA(給油施設もある)、市役所見島支所、NTT郵便局、食堂などがあり、近辺には他に見島診療所、デイサービスセンターなどもある。山口県漁協(JF山口県)見島支店は南に面した漁港(本村港とは異なる)のすぐ際にある。本村港は地形及び防波堤の設計上、2つに分断された入り江を成しており、漁協はその間に挟まれた位置に当たる。2020年(令和2年)4月4日、JA山口県が、コンビニエンスストアチェーンであるポプラとフランチャイズ契約を結び、『島のよろずや ポプラ見島店』をオープンさせた。もともとJA山口県見島事業所に隣接していた購買店舗(佐々木商店)があったが、事業継続が難しくなっていたこと、以前から島民よりJA・萩市に対して生活店舗設置の要望があったことが理由であるが、JAでは単独での事業開始は困難なことから、萩市、JF山口県はぎ統括支店と協議して、支店とともにコンビニ機能と食品の取り扱いが出来る生活店舗を改装し、開店にこぎつけた。営業時間は9:30 - 19:00で、24時間営業ではない[4]。そのほか、本村港から約1キロメートル東にごみ焼却施設も完備されている。
宇津
宇津港は集落の北東の端に位置している。すぐ隣りに宇津唯一の食堂がある。集落の中心的な位置に漁協(JF山口県見島支店宇津支所)が建っており、売店を併設している。また、宇津唯一の給油施設もここにある。スポーツ施設は北西側に見島体育館、南東側にグラウンドとゲートボール場の3施設がある。宇津保育所、宇津図書室、見島診療所宇津分室などは使われていないが、建物は残っている。
産業

島の主たる産業は農業水産業漁業及び海産物加工業)で、観光業にも力を入れている。
農業

希少な日本在来牛である見島牛の飼育はここでしか見られない産業の目玉といえる。見島牛は天然記念物に指定されているため、島内で食肉化することはできず、出荷数も制限されている(そのかわり、本土では、見島牛とオランダの牛を交配した「見蘭牛」を食すことができる)。

一方、作物としてはキュウリの栽培が最も生産額が高く、農業の中心となっている。その他、や葉たばこなども栽培している。
漁業

見島を取り巻く海域は大変潤った漁場であり、漁業が行われてきた歴史は長い。本村・浦地区では専業の漁師が多く、一本釣りに加え、延縄漁、建網漁、又あま漁など、四季を通じて何らかの仕方で漁をしている。土曜を除いて毎日夕方にかけどりが行われる。漁師と同様、農家の人でもサザエアワビを持ってきたら誰でも参加できて、サザエ等を漁協が買い取ってくれる。見島のクロマグロの陸揚げ風景

宇津地区では、農業と兼業している漁師が多い。マグロ釣りなどの一本釣り、あま漁、敷網漁をしている。マグロの一本釣りでは時折300キログラム前後の大物が釣れたと話題になる(宇津港待合所に写真がたくさん飾られている)。

そうした中で衰退してきた漁業もある。まき網、敷網漁業、またブリ餌付漁業といった人手が多く必要になる方式や、トビウオ流刺網漁業のような魚価の低下の影響が大きい漁業分野はすっかり廃れたようである。

2008年(平成20年)7月から8月、見島を含む萩市沖の海水温が異常に上昇し[5]、漁業にもいくらかの異変が見られている。見島沖からほど近い仙崎漁港熱帯性生物であり日本海では極めて珍しいとされるトビイカが水揚げされたとの話[5]に漁業関係者は驚いており、また漁船上で短時間の選り分け作業をしている際に腐敗が見られる状況に、「いままでこんなことはなかった」と嘆く声も聞かれ、もう少し気温が下がるまで休漁して様子を見るという漁師も少なくない。
海産物加工業見島の海苔作りの風景

毎年11月の後半になると、四角い板状に形を整えられた海苔が何枚も干してある風景が見られる。特にこの頃の比較的早い時期に生産されるものが質のよいものとされ、貴重だという。作業は数か月続く。

同様に、イカの干物もあちらこちらで目にすることができる。

あま漁を行っている家庭では、収獲したウニを一家総出で処理する姿も見られる。ウニの種類によって採れるシーズンにずれがあるため、この作業もそこそこの期間続く作業とみられている。
観光業

島内には観光の目玉といえるものがいくらかあり、観光客の需要にある程度応えられるだけの宿泊施設がある。

本村地区には旅館が4件あり、うち3件は地物の海産物をふんだんに用いた料理を楽しむことができる。残りの1件は素泊まり客用だが、徒歩1分のところに雑貨・食品店があるので重宝されている。

宇津地区は旅館・民宿合わせて5件あり、その多くは宇津港や砂見田海岸の近辺に建っているのでダイバーや海水浴客にとって非常に便利な位置といえる。とはいえ、港湾をはさんだ向かい側に位置する民宿も送迎を常時行ってくれるので、大きな支障はない。

おみやげ物の店などは限られている。本村港に隣接したショップ、または各旅館等宿泊施設内で購入する必要がある。あるいは、邪道ではあるが、萩市本土側に戻ってから市内のショッピングセンターで見島の郷土品を購入することはできる。
建設業

公共建設事業は数社によって継続的に行われている。大規模なものとしては、まず自衛隊官舎の新築及び取り壊しの工事がある。2006年(平成18年)から徐々に進んでおり、見島小学校北側の傾斜地に建っていた一階建て長屋造りの官舎を取り壊し、跡地に3階建て24戸の集合住宅型の官舎が一棟建てられた。今後もう一棟建てることになっている。ちなみにすでに建てられたものがB棟、次に建つ予定のものがA棟である。需要の関係で、宇津集落南端の高台に建っていた同様の官舎も取り壊され、更地となっている。

別の工事としては山口県道300号宇津本村線の拡幅工事が徐々に行われている。同県道は二つの集落を結ぶ最重要な道路と言えるが、所々普通車同士のすれ違いが困難なところがあり、対策が望まれている。

もう一つの大型工事として本村港周辺の港湾整備がある。部分的に完成しているが、今後も更なる整備が計画されている。
交通
航路「萩海運」および「ゆりや」も参照

萩港と見島の本村港・宇津港との間に萩海運による定期航路が春夏は1日3往復、秋冬は1日2往復運航されている。高速貨客船「ゆりや」で所要時間は宇津港 - 萩港間が約1時間10分。いずれも見島(宇津)始発で見島(宇津)に戻るダイヤとなっている。繁忙期の混雑を考慮し予約制を採っているが、予約をしていなくても乗船することは可能である。なお、乗船30分前までに港で手続きをしないと予約が無効となる[6]

悪天候の時には欠航になることも珍しくない。さまざまな気候条件に左右されるが、島民の間では波の高さ4メートルが暗黙の目安になっている。
道路

島内には県道が2本通っている。

県道

山口県道300号宇津本村線

山口県道325号宇津払子本村線


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