見坊豪紀
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中でも見坊が重視したのは、現代語の変化を素早く映し出す「鏡」の側面であった[注 2]。また、「ことばの写生[注 3]」という語義記述に特色がある[10]

一方、国立国語研究所在職中の1962年から、雑誌『言語生活』(筑摩書房)にコラム「ことばのくずかご」の連載を開始した[注 4]。「なまの資料に語らせる現代日本語の実態」と副題にある通り、見坊自身の現代語用例収集の一端を紹介するコラムであり、特に「辞書には入りそうもない、放っておけば捨てられる運命の言葉(および言葉に関する事例)」を取り上げ、原文の文章をそのまま引用して示すところに特徴があった。流行語や言い間違いの事例などが多く含まれ、おのずと言葉のユーモラスな実例集になっていた。同誌の中でも人気のページとなり、1979年1983年に、このコラムを選りすぐった単行本も出た。
著作
辞書

明解国語辞典』(三省堂 1943年

改訂版 - 1952年


三省堂国語辞典』(三省堂 1960年[注 5]

新装版 - 1968年

第2版 - 1974年

第3版 - 1982年

第4版 - 1992年


単行本

『ことばの海をゆく』(
朝日新聞社 1976年

『辞書をつくる―現代の日本語―』(玉川大学出版部 1976年

『辞書と日本語』(玉川大学出版部 1977年

『ことばのくずかご』(筑摩書房 1979年

『ことばの遊び学―ワード・ハンターが行く―』(PHP研究所 1980年

『ことば さまざまな出会い』(三省堂 1983年

『〈'60年代〉ことばのくずかご』(筑摩書房 1983年

『新ことばのくずかご '84?'86』(筑摩書房 1987年

『現代日本語用例全集』〔未完・3巻まで刊行〕(筑摩書房 1987年 - 1989年

『88年版ことばのくずかご』(筑摩書房 1988年

『89年版ことばのくずかご』(筑摩書房 1989年

『日本語の用例採集法』(南雲堂 1990年

脚注[脚注の使い方]
注釈^ 「辞書編纂者」は「レキシコグラファー」といい、三省堂国語辞典第3版に立項してあり、「辞書編集者(=著者)。「レキシコグラファーは弁解せず」と書いてある。一部にしか使われない語を立項したのはサミュエル・ジョンソンの英語辞書のlexicographerが‘A writer of dictionaries; a harmless drudge, that busies himself in tracing the original, and detailing the signification of words.’(辞書の作者;無害な努力家、言葉の元と意味を追うのに忙しい)となっていることを意識している。
^ 『明解国語辞典』で「ノックアウト」「フレンチドレッシング」「プロレタリアアト」「ブロンド」や「抗日」「細菌戦術」「戦傷死」「敵性」など[7]、『三省堂国語辞典』で「ウルトラマン」「エッチ」「エー」などをいち早く立項したことで知られる[8]
^ 説明を読んだ人が、その語を自然に思い浮かべることができるよう、日常語で具体的に記述することを指す[9][10]。例えば「」について、多くの辞書は「水素酸素からなる化合物化学式はH2O」のように学術的な説明を施しているが、見坊は「生活するのに欠かせない、透き通った冷たい液体」といった一般的認識を説明するように工夫した[9][10]
^ 1981年まで。その後1984年に協力者とともに「新ことばのくずかご」として再開、雑誌廃刊の1988年まで継続、のち雑誌「ちくま」に移った。
^ 見坊没後も辞書の改訂は継承され、編者としてその名が記されている。

出典^ 山口高等学校 (1936), p. 191.
^ 東京帝国大学 (1939), p. 566.
^ 武藤康史 (2001).
^ 『三省堂国語辞典』第4版序文
^ 佐々木健一 (2014), pp. 184?192.
^ 『三省堂国語辞典』第3版の序文
^ 佐々木健一 (2014), pp. 86?88.


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