西部警察
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制作費とその捻出方法

銃撃戦やカーチェイス、爆破シーンが毎回のように盛り込まれた本作は、多額の制作費が要求された。その主要資金源は他番組同様にスポンサー収入であったが、本作の場合はそのスポンサー収入の「金の流れ」が通常のスポンサー収入とは異なっていた。

民放では、ほぼ全ての番組でスポンサーと局の間に広告代理店が介在して番組内容に注文をつけるほか、スポンサー料の10%?20%を手数料として徴収する形をとっている[1]。『大都会シリーズ』よりもスケールの大きいドラマを作りたいと考えていた石原プロモーションは、増収のためにテレビ朝日との直接契約という画期的な手法を用いた。この場合、広告代理店から無条件に手数料を搾取されるリスクはなくなり、その分を制作費にまわすことができる。放送局が日本テレビからテレビ朝日に移行したのは、テレビ朝日側がこの契約手法を石原プロに提示したためである。

ただ、石原プロだけでは広くスポンサーを取ることができないため、石原プロは東急エージェンシーにスポンサーのとりまとめなどを委託した。これにより広告代理店が取る手数料やメディア企業に渡る金など、本来制作側(石原プロ)だけでは無理な部分に関わることができる。このため、電通もしくは博報堂が持つ時間枠を「この時期は」東急エージェンシーが持つ事になった。これらの手法を影で支援していたのは裕次郎の兄である石原慎太郎であった[2]。石原プロは番組の長期ヒットに伴い、30億円の資産を形成したという[3]。後述するように車両やロケに使う建物などスポンサーは現物の提供で
主要登場人物

テレビシリーズの登場人物は3作で共通しているが、西部警察 PART-II以降は一部設定が変更されている。「西部警察の登場人物」を参照
スポンサー企業

ここではシリーズ全体にかかわるスポンサーを記載する。地方ロケでの撮影協力等は日本全国縦断ロケを参照。
日産自動車
特殊車両を筆頭とした劇用車の全面提供。他にも撮影場所の提供、地方ロケ時の日産販売会社各社の社長・スタッフの出演など。トラック・バス類も主に当時グループ会社だった日産ディーゼル工業(現・UDトラックス)の車両を使用しているが、ロケ先の都合などで他メーカーの車両が使われることもあった[注 3]。また、後述する犯人車や一部高級車にはキャデラックフォードなどのアメリカ車が起用されている。
東急グループ

東急エージェンシー
前述の通り、広告代理店としてスポンサー企業のとりまとめを行った。
東京急行電鉄
東横線東京メトロ日比谷線(当時は営団地下鉄)・中目黒駅下り線ホーム(横浜・桜木町方面)桜木町駅・東横線ホーム[注 4]
渋谷109

東急文化会館[注 5]

東亜国内航空(日本エアシステム → 日本航空ジャパン日本航空インターナショナル日本航空
地方ロケ時、大門がTDA(東亜国内航空)の旅客機で移動していた。2004年放送の『西部警察 SPECIAL』では経営統合に伴いJAL(日本航空)が協力[注 6]しているが、宮崎空港に着陸した機体はまだ一部で残っていたJAS(日本エアシステム)ロゴの機体(マクドネル・ダグラスMD-90)である。例外としてPART-IIの広島ロケについては当時、羽田-広島線にTDAが就航していなかったため、唯一就航していたANA(全日本空輸)を使用[注 7]
ダイエー

ダイエー
買物客が多数いるダイエーの店内を犯人がバイクで逃走しているシーンもあり。
ローソン
当時のコンビニエンスストアは、深夜も営業している小規模のスーパーマーケットとして認識されていたためか、『スーパー「ローソン」』として劇中に登場していた。
オートバックス
劇用車のオイル交換でオートバックスの店舗に訪れるシーンがあったり、オートバックスの店舗が地方ロケ時の捜査の聞き込み先や事件現場として登場していたほか、最後期(PART-III・第8話以降、最終話まで)のオープニングのキャスト紹介のうち鳩村(舘ひろし)のシーンで、鳩村がオートバイで乗りつけポーズを決めるバックとしてオートバックスの店舗ガレージが宣伝的に用いられている。
宝酒造
北海道ロケと京都ロケで、石原裕次郎の友人である当時の社長・大宮隆が登場した。撮影打ち上げの際には、同社の日本酒松竹梅」の樽酒が使われた。
共豊産業(後の共豊コーポレーション)&エンケイ・アルミホイール
PART-I第59話から、劇中で使用されるほとんどの車両は同社のアルミホイールを装着していた(マシンXは62話まで使用)。スタントに用いられる車にも使用され、毎回新品のホイールが提供されていた。
八重洲無線
マシンX以降の特殊車両に搭載される無線機を全て提供(マシンXのみトリオTS-120V(もしくはTS-120S)だった)。
鈴木自動車工業(後のスズキ
バイクにおける劇用車の協力。
朝日航洋(旧・朝日ヘリコプター
同社の塗色のまま、企業ロゴの上に旭日章や「警視庁」(地方ロケの場合は「○○県警察」)の文字を貼り付けて警察ヘリコプターに仕立てていた[注 8]。なお、PART-I第10話・第45話他で使われた同社所属AS 350B(JA9222)は、1983年2月19日に北海道での取材中に不時着事故を起こし大破している[4]
東芝
第1話・第2話「無防備都市」ではヘッドホン式の無線機やその他の劇中、盗聴した電話や留守番電話を録音したテープを、東芝製のラジカセで再生する場面が幾度も登場する。また捜査課内のアナログ時計や軍団特殊車両に搭載されているモニタも多くが東芝製となっている。
Apple
捜査課内のコンピュータや軍団特殊車両に搭載されているコンピュータ、エンジニアの犯人が使用するマイコンではApple製が使われている。
出光興産
車両走行、爆破シーンに使用するガソリンの提供。地方ロケ時、出光興産のガソリンスタンドも登場していた。それ以前は主に共同石油(後のJOMO、現ENEOS)のガソリンスタンドが登場していた。
田崎真珠
本編で登場する宝石、強盗が押し入る宝石店としてたびたび登場した。
美善交通
調布市が拠点のタクシー会社。本編で襲撃を受けるシーンがあり実際に営業している車両と同じ塗装の車がスタントに使われている。
米澤玩具(後のセガ フェイブ
特殊車両のトイラジコン、当時同社が製造販売していたミニカーシリーズ「ダイヤペット」(現在はアガツマに権利譲渡)、LSIゲーム、エアーガンの発売。
青島文化教材社
特殊車両のプラモデルシリーズの製造販売。
チェスコム
転送電話サービスの企業[5]。PART-III正月スペシャル「燃える勇者たち」から登場。木暮のデスクにかかってきた電話が「スナックセブン」に転送されるようになっている。
日本マクドナルド
SP「燃える勇者たち」において、矢野サーカスの団員が受け取り時間を電話で予約するサービス「ダイヤルM」を利用しているほか、RS-2に乗った北条と南が、放送当時はまだ珍しかったドライブスルーを利用するシーンがある。また、当時のキャンペーン品であったけん玉「マックボール」も登場する。
日本全国縦断ロケ

木暮課長役を演じる石原裕次郎解離性大動脈瘤による長期療養生活からの復帰記念と共に、闘病中に応援してくれた全国のファンに対する謝恩と、自らの健在ぶりをアピールする意味を込め、PART-II?PART-IIIと股にかけて行われた、テレビドラマとしては異例の大規模な地方ロケである。詳細は「日本全国縦断ロケ」を参照
各種データ

1979年から1984年までの放送の約5年間での数字(いずれも公称)。

制作数…238話

平均視聴率…14.5%(関東地区)

出演俳優…1万2,000人

ロケ地…4,500箇所

封鎖した道路…40,500箇所

飛ばしたヘリコプター…600機

壊した車両の台数…約4,680台(1話平均・20台)

壊した家屋や建物…320軒

使用された火薬の量…4.8t

使用されたガソリンの量…12,000リットル

(爆破シーンをより効果的に見せるための火炎を発生させるため)


死者…0人

負傷者…6人

始末書の枚数…45枚


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