西東京市の地域が属する武蔵国が設置されたのは飛鳥時代である。田無地域は多摩郡、保谷地域は新羅郡に属していた。なお、市内の西原遺跡から奈良時代の土器が、坂下遺跡からは平安時代の建物跡や土器類が出土している。 市内北部を流れる白子川(大泉堀)の流域に下保谷、中部を流れる新川の流域に上保谷と田無の集落が形成された。保谷の地名は熊野那智大社文書(1504年?1555年)に「ほゝや」の文字が、小田原衆所領役帳(後北条役帳)(1559年(永禄2年))には「保屋」「田無」の文字が見られ、この頃には保谷・田無の地に集落が成立していることがわかる。また、14世紀の後半には、宮山(谷戸町付近)に尉殿権現が、16世紀には下保谷村総鎮守の三十番神社(現天神社)が建立されている。(その後、尉殿権現は17世紀に上保谷の尉殿権現(現尉殿神社)と田無の尉殿権現(現田無神社)に分祀されている。) 1600年頃、江戸城造営のための石灰運搬のため青梅街道が開削され、田無にはこの街道の宿駅が置かれた。この際、谷戸などの住民が宿駅周辺に移住し、以後、田無は青梅街道の宿場町、交通の要所として栄えていく。一方、保谷では享保期(1716年?1736年)以降に下保谷新田(現在のひばりが丘周辺)と上保谷新田(現在の新町周辺)が開墾された。特に玉川上水の分水である千川上水の整備により開墾された上保谷新田は順調に開発が進み、後に上保谷新田村として上保谷村から独立している。 1889年(明治22年)4月1日、町村制の施行に伴い、当時の下保谷村、上保谷村、上保谷新田村が合併し保谷村が成立した。この際、旧村域はそれぞれ保谷村の大字「下保谷」「上保谷」「上保谷新田」となっている。一方、田無では、これに先立ち1879年(明治12年)に田無村が町制を施行し田無町となっている。 1889年に開通した甲武鉄道(現在のJR中央線)は、当初、青梅街道沿いに敷設する計画だった。しかしながら、田無の農民・商人の反対により、そのルートは町内を大きく外れた。このことで、田無は次第にその優先的な地位を失う。[注 1]一方、保谷では地元の有力者が駅舎などの土地を寄付するなど積極的に武蔵野鉄道池袋線(現在の西武池袋線)を誘致し、池袋?飯能が1915年(大正4年)が開通した際に保谷駅が開設された。[注 2]また、1922年(大正11年)の池袋?所沢間の電化の際には保谷車庫が開設されている。その後、1924年(大正13年)に池袋線にひばりヶ丘駅(開業当時は田無町駅)が設置、1927年には西武鉄道村山線(現在の西武新宿線)開通と同時に東伏見駅(開業当時は上保谷駅)、西武柳沢駅、田無駅が設置された。保谷市内の4駅、田無駅ともターミナル駅である池袋、新宿から15-25分程度と比較的近いこともあり、後に両市とも東京のベッドタウンとして発展した。 昭和初期、田無町には中島飛行機発動機試運転工場が開設され、1937年(昭和12)の日中戦争開始前後から軍需工場の進出が本格化した。中島飛行機田無鋳鍛工場(後に中島航空金属に改称)、豊和重工業、東洋鍛工田無工場などが相次いで開設された。戦時中は、旧田無市内の軍需工場が空襲を受け、旧保谷市南部も中島飛行機武蔵野工場に近いため空襲を受けている(但し西東京市、東久留米市にまたがっていた中島航空金属田無工場はほとんど空襲は受けなかった)。そのため南部で隣接する武蔵野市とともに不発弾が発見されることがある。他に1936年(昭和11年)にはシチズン時計が田無工場を開設(その後、2001年(平成13年)には本社も西東京市に移転)、1941年(昭和16年)には保谷町に東洋光学硝子製造所(現HOYA)が創業と、この時代に企業の市内への進出が続いている。この頃、保谷では1940年(昭和15年)に町制を施行している。 戦後は、1959年(昭和34年)に日本住宅公団最大の公団住宅であるひばりが丘団地が保谷町・田無町(および久留米町)にまたがる地域に造成されるなど両市とも順調に人口が増加し、1967年(昭和42年)には保谷町、田無町とも市制を施行して、それぞれ保谷市、田無市となっている。
中世
近世
近現代
鉄道誘致
産業化・軍需工場進出
戦後
年表合併以前の年表については、田無市および保谷市の項を参照
2001年(平成13年)1月21日 - 田無市・保谷市が新設合併して西東京市が発足。
2001年(平成13年)2月18日 - 旧保谷市長の保谷高範初代市長就任[5]。
2002年(平成14年)1月21日 - 市章を制定。
2002年(平成14年)3月23日 - はなバスを運行開始。
2003年(平成15年)4月1日 - 保谷駅北口駅前広場完成。
2005年(平成17年)2月18日 - 坂口光治市長就任。
2005年(平成17年)4月29日 - 西東京いこいの森公園開園。
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