西村博之
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

ひろゆきの憶測・妄想や決めつけ・思い込みに基づく妄言によって名誉を毀損された経験がある深水英一郎(ひろゆきが取締役を務める未来検索ブラジルの元代表取締役社長)は、ひろゆきの人間性について「インフルエンサーという立場と影響力を悪用し、妄想を根拠にして相手を攻撃する人物」としたうえで「今や、ひろゆき自身が2ちゃんねるであり、2ちゃんねる的な文化、いわゆる『CHANカルチャー』が、社会を巻き込んで新たな姿を形作っている」と警鐘を鳴らしている[39]


東京工業大学教授の中島岳志は、ひろゆきが「論破王」と呼ばれていることについて、「この「論破」は議論ではない。時に優位な立場から相手を傷つけ、自らの設定した定義に基づいて一方的な論を展開する。そして、相手から反論されても笑みを浮かべ、巧みに論点をすり替える。これに多くの人が「いいね」を与えることで、ひろゆきは相手を論破したと見なされる」と批判的に分析している[293]


沖縄タイムス編集委員の阿部岳は、ひろゆきの議論における姿勢に対して、「思い込みを指摘されても、へらへらと笑みを浮かべ、時に嘲笑」するとし、「強い側にいる人間の特権である」と論じ、「自分が多数派の側にいて、反発されても数の力で押し流せることを知っているからこそ、人は安心して対峙(たいじ)する相手を笑いのめすことができる」と笑いのめすことの暴力性を指摘した[293]


東京工業大学准教授の西田亮介は、ひろゆきの論破芸は「いまの時代を象徴している」としており、「彼は回答を迫る側であって、迫られる側に回ることはほぼないんですよ。よく見ると議論にもなっていない。無意味な時間が流れているだけなんです。だけど、マトモな人ほどひろゆきの質問と向き合ってしまう。大学教員とか政治家とか。それでも、怒ったり不貞腐(ふてくさ)れたりした表情が少しでも録れたら「論破」、ひろゆきさんの勝ちなわけですよね。十分喝采なわけです」として議論として成立してないといる。また、テレビの演出は常にMCに有利になっているとして、「仮にうまく論破に至らなかったとしても、「MCがゲストに負けない」編集や演出になるんですよ。MCがボコボコにされてしまったら、番組として格好がつかないですからね。テロップやアングル等でどうにでもなります」と批判的に分析した[294]


東洋大学教授の藤本貴之は、ひろゆきによる統一教会批判の問題点に言及した上で、「熱狂的なファンを持ち、オンライン動画だけで巨額の富を稼ぎ出すひろゆき氏こそ、事実上、カルト宗教の教祖なのではないか、と感じることがある。億単位の損害賠償を支払うことなく『踏み倒す』という非道なことをやっているにもかかわらず、多くの支持を集めるという現状は、間違いなく『次世代のカルト』であるように感じる。」と痛烈に批判している[295]


埼玉工業大学非常勤講師・批評家の藤崎剛人[296]は「ひろゆきの述べるように、皆がそれぞれ人生を楽しく過ごすために好き勝手なことを追求していった場合、皆が幸福になる、というのは幻想で、責任概念が失われている限り、あらゆる問題が放置され続ける社会となり、そのしわ寄せは、結局は弱者へと向かうだろう」「ひろゆきの説く幸福になる技術は、世の中を非効率的なものにし続けている『バカ』を仮想敵にしたうえで、その『バカ』をいかに出し抜くか、というもの」「今日のメディアでの振る舞いから受ける印象では、ひろゆきは『意識高い系』と呼ばれる人たち、つまり『向上心』に溢れ、日々『成長』のための『自己研鑽』を欠かさないような人たちのカリスマのように思える。」などと批判的な見解を示している[297]。この記事に対して、ひろゆきは「隙あらば生活保護を勧めてるおいらですが、何を見ておいらが意識高い系だと思われてるのが不思議です。」と返答している[298]


ひろゆきと同じくフランス在住の言語学者小島剛一は、ひろゆきについて「フランス語の能力は極めて低い」「フランスに住みながら、実際は日本からの仕事に依存している」とした上で、「パリに建つアパートの一室に住んでいるのは事実なのかもしれません。しかし、それはフランス語を使ってフランスで働き、フランスで生計を立てているのとは違います。結局、ひろゆき氏は北海道や沖縄で暮らしているのと大差はない」と指摘している。また、小島はひろゆきがウスマン・デンベレアントワーヌ・グリーズマンの差別発言を擁護するために詭弁を弄したとして、「教養が完全に欠如した、嘘を平気でつく人間と言わざるを得ません」と痛烈に批判している[43]。詳細は「小島剛一#人種差別に対する批判」を参照

肯定的な評価

一方、ひろゆきの第一印象について
竹熊健太郎は「感情を表に出さないし、自慢めいたことは一切言わないけど、ものすごい自信家だということが言葉の端々から感じられた。あそこまで徹底したアナーキスト個人主義者というのは、俺、初めて見たね。でも暴力革命起こすとか、誰かと運動起こすとか、そういう部分はまったくないのが新しい。見た目、渋谷を普通に歩いている若者と違わないし、いたってまともなの。しかもアナーキズムなんだけどいたずらな理想主義に走らないで、すごく醒めた現実的な判断を一方ではする」と回想している[299]


元総務相でパソナグループ取締役会長経済学者竹中平蔵は「ひろゆきさんとは詳しく話したことはなかったんですけども、ネットで発信しておられるのは時々見てて、はっきり言いまして『本当に上から目線で、人の批判ばっかりしてる人なんだな』と思ってました」というのが第一印象だったが、実際に話した後は「はっきり言ってものすごくよく勉強してる人ですね。よくいろんなことが分かってる人です。頭のいい人です。その上でああいう言い方としているというのが、彼の大変面白いところなんだな、と思いました」「彼は違うと言うかもしれないが、私が例えば経済や社会を見ている見方と、ひろゆきさんが経済や社会を見てる見方は実はかなり似てると思います」「願わくば、それだけいろんなこと勉強してわかってるんだから『じゃあどうしたらいいか?』という知恵もたまにはちょっと出して、提言みたいなのをしてくれたら、もっとありがたいなと思う」と評価を改めている[300]


大阪府知事弁護士橋下徹は「この番組(NewsBAR橋下)に何回か出てくれているひろゆきさんの、爆発的に売れている1%の努力。ひろゆきさんが今度来たら騙したらアカンでと(言いたい)。1%の(努力な)わけないから」「彼の情報の収集量と整理の仕方、コメントというか意見の出し方は相当磨いてますからね」「ひろゆきさんの1%って、そのほかの余分なことはやらなくていいよと。世間で言われている不合理な、不毛なことはやらなくていいけど、というところで、彼の言っている1%というのは、それは確かに全体の中での1%かも分からないけど」「相当努力を積んで磨かないと、ああいうふうになれない」「楽してそこっていうのは、達成できている人はいないんじゃないですか」と評している[301]。ただし、前述したように『1%の努力』はひろゆきが口頭で話した内容をダイヤモンド社の編集の種岡健がまとめた本であるため、それほど努力はしていない[302]


ITmediaビジネスオンラインの記者である古田拓也はひろゆきが人気になったことに対して「『お悩み相談』というコンテンツそれ自体は昔からあったものの、コロナ前の段階ではその注目度はほとんどなかった。コロナ禍によってリアルな人とのつながりが減少した。悩みをスーパーチャットしている相談者は、2ちゃんねるやニコニコ動画に触れて育った20代以降の大学生から社会人が多い。チャンネルの伸びが緊急事態宣言の時期と概ね一致しているため、外出自粛やリモートワークといった新たな生活様式を取り入れざるを得ない都市部の人が、その多くを占めると考えられる。また『無能』をテーマにして相談を受けるとき、ひろゆきは『有能になるためにはどうすればいいか』ではなく『無能を受け入れた上で、どう生きるか』という観点で回答することが多い。ひろゆきは、言葉こそ毒舌・辛辣に見えるが、実は優しいお悩み相談コンテンツである。」と評している[303]


サイゾーウーマンの記者である村上春虎は過去にも有吉弘行マツコ・デラックスのように毒舌で成り上がった著名人はいるが、ひろゆきは新しいタイプの毒舌だという。「知性と毒舌を兼ね備えた、新しいタイプの毒舌家といえるでしょう。わかりやすく言えば、東大出身の伊沢拓司松丸亮吾が辛口になったような形態」「毒舌が薄まったとささやかれる有吉、マツコに代わって、今後もその弁舌に期待したい」と評している[304]

その他

ひろゆきの持つ独特のフィロソフィー(哲学)について清義明は「アメリカの西海岸
ヒッピーカルチャーがサイバー化した反体制的ニューレフトイデオロギーと、ヤッピーの経済リバタリアニズムのふたつが合流した極めて80?90年代的なもの」と評している[305]


ニコニコ動画の創設メンバーである川上量生は、ひろゆきについて「虫の足を引きちぎって楽しむような子供」と評した[272]


実業家堀江貴文とはかつて共著を出すなど良好な関係だったとされるが、堀江が広島県の餃子店とトラブルになったことをきっかけに決別した。堀江は「仲悪いっていうか、僕が縁を切っただけです」と言い、「一部始終を知ってるくせにさらに俺を窮地に追い込むので性格悪すぎと思って嫌になりました」「よくよく考えてみて、去年餃子事件で、めちゃくちゃ何か叩かれて。あいつが炎上させたようなもんなんで」と語っている。さらにかつての共演についても、「生まれてこれまでひろゆきと親友だったことは一度もありませんよ。お仕事をしたことはありますが。いわゆるプライベート的な場所でも会うことはありませんし」とし、堀江が収監される前に撮られたツーショットに関しても「これ、刑務所に入る俺を面白がってるだけでしょ完全に」とした[306][307]
次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:520 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef