西尾維新
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漫画の中では『ジョジョの奇妙な冒険』の熱烈なファンであり、作者の荒木飛呂彦との対談が実現した際には「全人類に読んで欲しい漫画」として同作を挙げた[3]。なお2011年には、上遠野浩平舞城王太郎らと並びジョジョシリーズの公式ノベライズ企画「VS JOJO」へも参加している。

小説では笠井潔森博嗣京極夏彦清涼院流水上遠野浩平らに影響を受けたことを公言しており、この5人を「神のような存在」としている[17][2]綾辻行人の著作もすべて読んでおりデビューした頃は新本格ミステリーも意識していた[18]ライトノベルジュブナイルゲームブックの影響も大きいと語っている[19]

宇野常寛は「セカイ系」から「新伝綺」への移行をただひとりスムーズにこなしてしまった作家と西尾維新を評している[20]

戯言シリーズ」においてはクロスオーバーやリンクを行わないという方針を公言している。これはクロスオーバーやリンクは、尊敬する上遠野が得意とする手法であったため、それとは逆のスタイルを貫こうと決めているためであるが[21]、「人間シリーズ」に関しては、上遠野の著書における「ブギーポップシリーズ」と『ビートのディシプリン』の関係性のオマージュとして書き始めたため、例外であると答えている[22]。現在も一定の執筆ペースを維持し複数のシリーズを同時展開するが、『混物語』までは作品間において世界観を共有する「リンク」などは行なっていなかった。『混物語』の執筆については、約15年もクロスオーバーをしないというスタイルを貫き続けてきたため、そろそろ別のパターンにもチャレンジしようと考えたと述べている[23]

キャラクターの名前の付け方には独特のものがある[19]。本人は名前だけでキャラクターを定義したいと考えており、単純に珍しい名前を付けているわけではなく自身なりのルールを決めて付けているが、あえてルールを外すこともある[19]。ネーミングに関しては「奇天烈[24]」「極めて奇妙[25]」と評されている。

物語執筆の際に取材を行うと、その時点で満足してしまうという理由から執筆時に取材は行わない[26]

藤島康介は西尾との対談で、作風について特徴があり真似しやすいということを指摘している[27]。そのために西尾に影響を受けた作品が増えてきたと語っており[27]、実際に影響を受けたことを公言している作家としては入間人間河野裕さがら総がいる。
西尾とライトノベル

西尾の著作は一般文芸である講談社ノベルスから発行されているが、ライトノベルとして分類されることがある。乙一冲方丁との対談で、西尾について「広義のライトノベルに入ると思う」と述べている[28]。『日経キャラクターズ! 2005年1月号』では「一般文芸とライトノベルの壁を越える新世代の作家」として西尾を紹介している[29]。『西尾維新クロニクル』では「戯言シリーズ」について「ライトノベルと評価されることも多い」としている[30]

ライトノベルのガイドブック『このライトノベルがすごい! 2005』に掲載された2004年度版ライトノベルランキングでは「戯言シリーズ」が2位にランクインしたが、ここでは「戯言シリーズがライトノベルであるか否かは意見が分かれる」とコメントされており[31]、またライトノベルについて「文庫こそライトノベル」「パッケージ」「キャラクターの年齢」など様々な意見があることを考慮し、同書の「ジャンル別ガイド」では「戯言シリーズ」および『きみとぼくの壊れた世界』を文庫以外の「ボーダーズ」として紹介している[32]。翌年に発行された『このライトノベルがすごい!2006』では「戯言シリーズ」がランキング1位を獲得した。これを記念して行われたインタビューで西尾は「戯言シリーズ」について「ライトノベルかどうかは微妙」「『ライトノベルレーベルではない』という意味ではライトノベルではないが、『イラストと小説のコラボレーションがライトノベル』という意味ではライトノベルに含まれる」とコメントし、自身の作品がライトノベルと認識されることについて抵抗はないとも述べている[33]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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