英語の場合、質量名詞と抽象名詞が複数形をとる例は少ない。by the waters of Babylon(バビロンの流れのほとりで)というフレーズは単なる詩的な言い回しだが、質量名詞 water が複数形をとると、その水が他所の土地から、他所の土壌と共に流れてきたという意味を持つ[2]。同様のことが Different waters make for different beers(水が違えば出来るビールも違う)というフレーズにも言える。同じく、抽象名詞 physics(物理現象)は茫漠とした単一の概念だが、近年のコンピュータゲームの一機能という意味においては、(物理シミュレーションによる)物理現象の異なった動作を指すものとして、語形変化を伴うことなく、複数扱いが可能である。例えば Throughout the history of the game series, the physics have improved(このゲームではシリーズを通じて、物理シミュレーションの進歩が見られる)という具合である。 品詞タグ付け
品詞タグ付け
英語の-sのように同類の集合を指す同質複数 (additive plural) に対して、同質でない集団を指す複数を連合複数 (associative plural) と呼ぶ[3][4]。日本語 (東京方言) の「たち」はこの両方を表すことができるが、宮古語 (伊良部方言) では異なる形式が使い分けられる[4]。
日本語
「鳥たち」 (同質複数: 指示対象は全て鳥)
「ジュンジたち」 (連合複数: 指示対象全員が「ジュンジ」ではない)
宮古語
tur-mmi (同質複数: 「鳥たち」)
dz?undzi-ta (連合複数: 「ジュンジたち」)
関連項目
数
数 (文法)
尊厳の複数
絶対複数
典拠管理データベース: 国立図書館
ドイツ