裸のランチ
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カナダ
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原作を忠実になぞったものではなく、ウィリアム・バロウズの作品を元に再構成された、デヴィッド・クローネンバーグ監督のオリジナル作品というべきものとなっている。
あらすじ

1953年のニューヨーク。ビル(ウイリアム)・リーは、作家を志したが麻薬に溺れ、今は害虫駆除の仕事で生計を立てながら、作家志望の友人たちと交流していた。麻薬所持の疑いで警察に連行されたビルの前に、彼の上司だと名乗って現れる巨大な喋るゴキブリ。ビルの妻であるジョーンは「インターゾーン商会」の回し者だから殺せと命令され、ゴキブリを叩き潰して帰宅するビル。

ビルの妻・ジョーンは、ゴキブリ駆除の薬を麻薬として使い、中毒になっていた。誘われたビルも薬物中毒がぶり返しており、ベンウェイという医師を訪ねて治療薬が処方された。ビルが帰宅すると、作家志望の男とジョーンがセックスを試みている。気にもとめない様子のビル。だが、処方薬を混ぜた駆除剤を注射したビルはゲームと称して銃でジョーンを撃ち殺した。ベンウェイ博士が処方した薬もまた麻薬だったのだ。

妻の遺体を残して酒場に入ったビルは、マグワンプ(異形の怪物)から逃亡用の旅行チケットを渡され、インターゾーン商会の所在地である北アフリカのインターゾーン市に向かえと指示された。報告書を書くことが条件で、クラーク・ノヴァという機種のタイプライターを勧めるマグワンプ。

インターゾーン市で報告書をタイピングするビル。気づくとクラーク・ノヴァ(タイプライター)は警察で会ったゴキブリと融合し、口をきくようになっていた。クラーク・ノヴァを残して街に出たビルは、ジョーンと瓜二つの女性を見かけた。トム・フロストの妻のジョーンだと聞いて、パーティーで接近するビル。夫のトムは、妻を殺したいとビルに打ち明けた。

自分のタイプライターを試してみろとビルに貸すトム。2台のタイプライターを並べて置くと両方が昆虫化し、クラーク・ノヴァがトムのタイプを食い殺した。ジョーンを誘惑して情報を聞き出せと命じるクラーク・ノヴァ。トムの家にはインターゾーン商会の若者たちが出入りしているのだ。

トムの留守宅を訪れ、ジョーンにアラビア語のタイプライターを打たせながら誘惑するビル。タイプは性的な生物に変形した。そこに現れて二人を引き離し、タイプの生物を窓から追い落とす家政婦のファデラ。帰宅したトムは、アラビア語のタイプが壊れたのを見て、ビルに貸したタイプを返せと迫り、ビルの部屋まで押しかけてクラーク・ノヴァを奪い去った。

アメリカから短期旅行でビルを訪ねて来る作家志望の友人たち。ビルが書いているのは処女作の小説「裸のランチ」であり、出版社が待っているから早く書き上げろと励まされるビル。

男娼のキキの紹介で、壊れたトムのタイプライターを鍛冶屋に持ち込むビル。炉で溶かされたタイプはマグワンプ(怪物)型に生まれ変わった。タイプライターのマグワンプは口をきき、医者のベンウェイ博士こそインターゾーンの黒幕だとビルに伝えた。

トムの家の家政婦・ファデラがベンウェイと親しいとの情報を得るビル。ファデラとジョーンがいるという古い麻薬工事に潜入すると、マグワンプたちが吊り下げられ、触角から出る麻薬を搾り取られていた。憔悴したジョーンを見つけて、ファデラの元に案内させるビル。ファデラが老婆の皮(着ぐるみ)を脱ぎ捨てると、その中身はベンウェイ博士だった。

従来の麻薬より利益率の高いマグワンプの麻薬で儲ける為に、知己の多い北の国「アネクシア」の販路を任せたいとビルを誘うベンウェイ博士。ジョーンを開放することを条件に引き受けるビル。

ジョーンと共に旧式なキャンピングカーでアネクシアの国境まで辿り着くビル。国境警備隊員に職業を聞かれ「作家」と答えると、何か書いて見せろと要求された。迷わずに銃を抜き、後部に乗車していたジョーンを射殺するビル。驚きもせずに通行を許可する警備隊員に、ビルは涙を流しつつも満足げな表情を浮かべた。
キャスト

※括弧内は日本語吹替

ビル・リー - 害虫駆除員:
ピーター・ウェラー堀勝之祐

ジョーン・フロスト - インターゾーンの作家/ジョーン・リー - ビル・リーの妻で麻薬中毒者:ジュディ・デイヴィス一城みゆ希

トム・フロスト - インターゾーンの作家:イアン・ホルム麦人

イヴ・クローケ - インターゾーンの富裕な青年:ジュリアン・サンズ仲木隆司

ベンウェイ医師 - ”ブラックミート”を与える医師:ロイ・シャイダー寺島幹夫

ファデラ - 家政婦、本職は呪術師:モニーク・メルキューレ(鈴木れい子

ハンク - 作家仲間:ニコラス・キャンベル(若本規夫

マーティン - 作家仲間:マイケル・ゼルニカー(大滝進矢

ハンス - インターゾーンの実業家:ロバート・A・シルヴァーマン(青森伸

キキ - インターゾーンの男娼:ジョセフ・スコーシアニー(堀川りょう

マグワンプ - リーにインターゾーンに行くように強要する怪物:ピーター・ボレツキー(神山卓三

クラーク・ノヴァ - タイプライター:ピーター・ボレツキー(辻村真人

評価

レビュー・アグリゲーターRotten Tomatoesでは36件のレビューで支持率は69%、平均点は7.00/10となった[1]Metacriticでは16件のレビューを基に加重平均値が67/100となった[2]
参考文献^ “Naked Lunch”. Rotten Tomatoes. Fandango Media. 2022年7月21日閲覧。


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