裏千家
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明治4年、京角倉家から養子に入ったのが、12代又?斎直叟である。明治の混乱期の中、新しい裏千家の基礎固めに努め、34歳で家督を長男駒吉(後の13代円能斎鉄中)に譲ったのちも側面から流儀の伸長をはかった。円能斎は明治29年まで6年にわたって東京に居を移して協力者を求め、京都に戻ってからも教本の出版や機関誌 「今日庵月報」などの発行を通して一般への茶道普及に尽力した。また女学校教育の中に茶道を取り入れ、かつ教授方針の一致をはかる講習会を催すなど裏千家茶道の組織化にも力を注いだ。その他、三友式の創始や、流し点や大円点の復興などの功績がある。

戦後になって14代淡々斎碩叟が茶道の学校教育への導入を働きかけた結果、学校のクラブ活動で教えられる茶道の大半は裏千家となっている。淡々斎はまた各地の寺院・神社にて献茶・供茶を行ったり、海外への普及に取り組んだりと、茶道振興に功が大きい。全国統一の同門組織として「社団法人茶道裏千家淡交会」を結成し、また家元を財団法人化するなど、裏千家茶道の組織化も引き続き行われ、流派別の茶道人口としては最大規模を誇るようになった。こうした普及・組織化の活動は15代鵬雲斎汎叟にも引き継がれ、特に海外普及に力を注がれた。鵬雲斎はまた社団法人日本青年会議所会頭を務めた。
歴代家元

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千利休の没後、傍系の少庵(後妻の連子)の後を継いだ宗旦が京都に屋敷を構え、三男 宗左が紀州徳川家に茶頭として仕えたのち千家の家督を継いで本家となり表千家となった。その後、次男 宗守は武者小路千家を、四男 宗室は裏千家を興こしたのが三千家の始まりであるが、各家ともに家元は利休を初代として数える。裏千家の家元は四代である仙叟の諱「宗室」を受け継いでいる。

裏千家歴代代道号法諱斎号生没年備考
利休宗易抛筌斎1522年-
1591年2月28日利休忌3月28日
少庵宗淳
1546年-
1614年9月7日利休の後妻宗恩の連れ子で女婿
元伯宗旦咄々斎1578年-
1658年12月19日元叔・寒雲
仙叟宗室臘月庵1622年-
1697年1月23日宗旦の末子 襲名前は玄室
以後代々家督継承者は宗室を名乗る
五常叟宗室不休斎1673年-
1704年5月14日加賀藩松山藩茶道指南初代
指南は幕末まで継続
六泰叟宗室六閑斎1694年-
1726年8月28日宗安と称した
七竺叟宗室最々斎1709年-
1733年3月2日表千家七代如心斎の弟
宗乾と称した
八一燈宗室又玄斎1719年-
1771年2月2日表千家七代如心斎および竺叟宗室の弟
九石翁宗室不見斎1746年-
1801年9月26日寒雲、玄室とも称した
十柏叟宗室認得斎1770年-
1826年8月24日夫人は松室宗江、秀でた茶人

十一精中宗室玄々斎1810年-
1877年7月11日三河国奥殿藩4代藩主(大給松平乗友の子
十二直叟宗室又?斎1852年-
1917年12月8日京角倉家・角倉玄祐の子
隠居後、玄室を称する
十三鉄中宗室圓能斎1872年-
1924年8月5日対流軒・近代化に尽力
十四碩叟宗室無限斎1893年-
1964年9月7日襲名以前は玄句斎永世、玄句斎宗叔と称した
一般に淡々斎として知られている
十五汎叟宗室鵬雲斎1923年-

襲名以前は宗興と称した
2002年に家元を譲り大宗匠「千玄室」と称する
十六玄黙宗室坐忘斎1956年-

襲名以前は宗之と称した
当代
宗史丹心斎1990年-

2020年に「若宗匠」の格式継承
後嗣

茶道総合資料館

一般財団法人今日庵茶道総合資料館は、京都市上京区の裏千家裏千家センター内にある。館長は裏千家前家元の鵬雲斎千玄室

今日庵文庫(こんにちあんぶんこ) - 昭和44年(1969年)、設置。歴代家元が収集してきた蔵書をもとに、資料の収集及び保存、調査研究を目的とした茶の湯の専門図書館。紀要『茶道文化研究』や図録・図書を刊行している。

茶道資料館(ちゃどうしりょうかん) - 年に3・4回展覧会の開催。入館者には無料で呈茶があり、立礼(りゅうれい)式のお茶席で抹茶と和菓子が楽しめる。

茶道資料館友の会 - 開館20周年を迎えた平成11年(1999年)発足。

茶道資料館メンバーシップ - 加入法人内の学校等の学生、生徒、教職員が無料で入館できる制度。

学校法人 - 京都造形芸術大学、 立命館、光華女子学園、京都学園、同志社、平安女学院、京都文教学園、花園学園、京都精華大学、京都外国語大学、京都産業大学

国立大学法人 - 京都大学、京都工芸繊維大学、京都教育大学

京都府公立大学法人 - 京都府立医科大学、京都府立大学




茶道文化検定 - 茶道を通じて日本文化を幅広く学ぶことを目的とする検定で、茶道文化の知識を体系的に学ぶためのもの。平成30年(2018年)が第11回で、4級から1級があり、年齢・性別・茶道経験・流儀等の制限はない。点前(手前)の手順などについての出題は無く、筆記試験のみ(2級まではマークシートによる択一式)。後援は文化庁、都道府県の一部、府県教育委員会の一部、全国高等学校長協会、日本私立中学高等学校連合会。

脚注^裏千家ホームページ 修道のご案内
^学校茶道「奨励証」「おしるし」下付願用名簿について
^学校茶道 社団法人 茶道裏千家淡交会

関連項目

淡交社

裏千家学園茶道専門学校

参考文献

井口海仙「今日庵の代々」『日本の茶家』河原書店


千宗室「裏千家茶道のおしえ」日本放送出版協会

宮帯出版社編集部「茶道家元系譜」『茶湯手帳』宮帯出版社

外部リンク

裏千家 公式サイト
(日本語)

茶道総合資料館 (日本語)

加賀“茶の湯”物語 (日本語) - 石川新情報書府


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