街路樹
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成長すると、交通信号機道路標識の視認を確保するため、を払う必要が出てくるが、これにも耐性の違いがある。さらに気候の適性があり、木の寿命の長さも考慮の要素である。以上のように様々な要素が組み合わさるが、結果として現代では落葉樹広葉樹が好まれている。

街路樹の寿命は7年から13年ともいわれている。公園や自生林よりも寿命が短い原因として、化学物質の多さ、栄養分・微生物・酸素・水分の不足などがあげられる。水分や養分を吸収するひげ根の多くが地下30センチ以内にあるため、それが痛むと枯れ始める。このため、街路樹に適している樹種は水や酸素の少ない環境に適応しているものが多い。欧米で古くから街路樹となっているモミジバスズカケノキ、モミジバフウヌマスギ、アメリカハナノキ(英語版)などは、本来は氾濫原に生息しており酸素不足の状態に適応している。河川域で生息していたイチョウが街路樹に向いているのも、同様の理由が考えられる[10]

ただ、樹種選択のせいで直ちに失敗する例は少なく、たいていの木はある程度の負荷に耐えうる。また、いずれにせよ樹木とて不老不死ではない。そこで、不利な種を厳しく排除することなく、様々な街路樹を認める考えがある。21世紀初めには、その土地に昔から自生してきた樹種を優先しようという考えも登場している。

また、後述のように街路樹には効果弊害が存在する。効果自体が、裏返せば、弊害そのものであることもある(例:風を防ぐ→風通しが悪くなる→汚れた空気においがこもる、熱がこもり暑くなる)。効果の大きい木ほど弊害(被害)が大きくなることもある。従って、効果を大義名分に樹種を選択し植栽すると、後に大きな弊害をもたらし、各種公共事業で批判されているように、効果以上の多大な弊害、税金の無駄遣い、維持費不足などの問題が発生する恐れがある。そのため、将来を見据え弊害を回避した選択・植栽を心がけることは、その木が効果を本当に発揮することにもつながる。
日本での街路樹東京都国立市の大学通りの桜並木(2018年3月25日撮影)
法的な位置付け
日本の道路法(第二条)では街路樹は道路標識などと同じ「道路の付属物」と位置づけられている[11]。街路樹の維持管理には道路特定財源が使われていた[12]
樹種
2007年現在、最も多く用いられている樹種はイチョウで57万本。次いでサクラの49万本、ケヤキの48万本と続く[13]。国土交通省国土技術政策総合研究所の「わが国の街路樹」によれば、2022年の街路樹(高速道路会社管理分を除く)の高木は561種。イチョウとサクラ類がそれぞれ52万本(8%)で最多、ついでケヤキ45万本(7%)、ハナミズキ35万本(6%)、トウカエデ30万本(5%)とつづく。以下クスノキ4%、日本産カエデ類3%、ナナカマド3%、モミジバフウ2%、クロガネモチ2%、その他52%[14][15]
落葉樹


ハルニレ、トゲナシハリエンジュ(トゲナシニセアカシア)、セイヨウハコヤナギナナカマドトチノキ

メタセコイア、シナサワグルミ、イチョウ、プラタナスシダレヤナギ

ニワウルシ(シンジュ)、ケヤキ、ユリノキソメイヨシノハナミズキ

サトザクラトウカエデエンジュモミジバフウアオギリ

ナンキンハゼセンダンホウオウボクポプラ

常緑樹


クロガネモチヤマモモマテバシイクスノキガジュマル

アカギコバテイシ

椰子


カナリーヤシ(フェニックス)、シンノウヤシワシントンヤシ
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街路樹の機能
街路樹の効用街路樹のある歩道と街路
(大阪市北区茶屋町街路樹のある道路
福岡県道24号(福岡市東区香椎)街路樹の例(仙台市・定禅寺通り

街路樹には交通安全、修景効果、環境保全などの機能がある[16]。街路樹の主な効用を以下に挙げる。これら効果の中には、国・地域などに特有のものや、落葉樹で葉がない時期には効果が低減する場合がある。

景観向上[17]

良好な景観の形成[17]

美しい並木道の造成

街・通りのシンボルランドマーク

目隠し効果


生活環境保全[17]

騒音の低減[17]

大気の浄化[17]

ヒートアイランド現象の緩和



緑陰形成[17]

直射日光を遮る[17]

暑さを防ぐ[17]

冷房費などの軽減


降雪を防ぐ[17]

強風を抑える[17]

砂塵を防ぐ[17]

雨を防ぐ


交通安全[17]

眩しさを遮る[17]

前照灯の影響を防ぐ[17]

支柱・ガードレール効果

歩道と車道の分離、識別の補助

歩道への車の進入を防ぐ

路上駐車防止



自然環境保全[17]

土壌浸食を防ぐ[17]


防災[17]


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