なお、訓令・通達は形式上、行政組織内部での規範(行政規則)に過ぎず、行政法の法源とはなりえない。しかし、実務の上では必要性が高く大きな影響力を持っているため、現代行政を「法律による行政」ならぬ「通達による行政」と揶揄することもある[14]。
行政法の分類
行政組織法「行政#行政組織法」を参照
行政主体に関する法。国家行政組織法、内閣法、地方自治法、国家公務員法、地方公務員法などである[15]。
行政作用法「行政#行政作用法」を参照
行政作用に関する法。行政代執行法、警察官職務執行法、土地収用法、財政法、会計法、国税通則法、国税徴収法、行政手続法などである[15]。
行政救済法「行政#行政救済法」を参照
行政救済に関する法。国家賠償法、行政不服審査法、行政事件訴訟法などである[15]。 英米法では政府の行政活動を統制する法の一部門を行政法という[16]。 英米法においては行政法が成立する以前にコモン・ローが権威を獲得していたため、行政法の特質や、そのような特質のある規律を受けるに値する行政とはいかなる活動か、といった議論は大陸法系におけるほど重要ではない。例えば、あるアメリカ行政法の教科書[17]は、行政や行政法の定義からではなく、行政にはいかなる権限が与えられ得るかという問題から説明を始めている。 英米法での行政法は、行政機関に与えられた権限に関する法、行政機関の権限行使に課される要件に関する法、不法な行政活動に対する救済に関する法の3分野からなる[16]。 本文中で引用したもののほか、
英米法における行政法
脚注[脚注の使い方]
出典^ 芝池義一『行政法総論講義第4版』2頁?3頁、8頁(有斐閣、東京、2001年)、ジャン・リヴェロ著、兼子=磯部=小早川編訳『フランス行政法』20頁?21頁(東京大学出版会、東京、1982年)
^ a b 南博方『行政法第6版補訂版』有斐閣、2012年、2頁。
^ a b c 南博方『行政法第6版補訂版』有斐閣、2012年、9頁。
^ 前掲芝池総論2001年38頁
^ a b c 南博方『行政法第6版補訂版』有斐閣、2012年、12頁。
^ a b c d 南博方『行政法第6版補訂版』有斐閣、2012年、3頁。
^ 前掲芝池総論6頁、前掲リヴェロ9頁?14頁
^ 前掲芝池総論2001年7頁、前掲リヴェロ26頁?29頁
^ 原田尚彦『行政法要論』(学陽書房、1976年10月)第7版補訂二版19?21頁
^ 前掲リヴェロ日本語版への序文、17頁
^ 前掲原田2012年 20頁
^ 前掲原田 28?36頁
^ 最高裁判所昭和32年12月28日 刑事判例集11巻14号3461頁。
^ 前掲原田 37?40頁
^ a b c 室井力『新現代行政法入門』法律文化社、2005年、13頁。
^ a b 室井力『新現代行政法入門』法律文化社、2005年、17頁。
^ ゲルホーン=レヴィン著、大浜=常岡訳『現代アメリカ行政法』(木鐸社、東京、1996年)
参考文献
橋本博之「行政訴訟に関する外国事情調査結果(フランス)」(首相官邸トップ > 会議等一覧 > 司法制度改革推進本部 > 検討会 > 行政訴訟検討会
ウェール=プイヨー著、兼子=滝沢訳『フランス行政法』(三省堂、東京、2007年)ISBN 9784385322926
外部リンク