血液
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肺で酸素を取り込んだ血液は血液循環で末梢組織に循環するが、体組織の細胞周囲の酸素分圧は20 - 30mmHgであり動脈血と酸素分圧に差があることと、組織液内で発生している二酸化炭素を赤血球内に取り込み炭酸脱水酵素が炭酸に変換することによる酸性化でボーア効果が起きることによって、酸素が血液から組織液に移る[2]。こうして酸素が体組織に運ばれている。酸素を運び終えた静脈血の酸素分圧は、40mmHg程度である。血液は一般的な液体に比べると、同じ酸素分圧でもはるかに多くの酸素を含んでいる。これは赤血球内に高密度で存在する血色素ヘモグロビンが酸素と結合することによる。

二酸化炭素
酸素とは別に3種類の方法で運搬される。炭酸脱水酵素で変換された炭酸水素イオンの状態が85%、ヘモグロビンと結合したカルバミノヘモグロビン(英語版)の状態が10-20%、残りが血漿に溶解した形で運ばれる[3]
栄養の運搬(脂質アミノ酸タンパク質等のエネルギー基質)[1]
小腸の毛細血管から血液に取り込まれ、栄養を保存する役割を持つ肝臓に移動し、必要な時に血液によって栄養が運ばれる[4]
各種ホルモンなど作用物質の運搬(全身の情報・指令伝達)[1]

防御(凝固・線溶系免疫)
外傷に対しては血小板の凝集や血液凝固因子によるフィブリン塊を形成し止血や傷を塞ぐ作用を起こす。細菌への免疫機能発露や異物に対する抗体生成も行う[1]
体温調整[1]

排出[1]
組織で産生された代謝老廃物を肺、腎臓肝臓皮膚腸管などの器官に運搬する[1]
代謝産物運搬[1]
体内に分布する化学受容器圧受容器に適合刺激を与える。
体内の塩基平衡を維持してpHを調節する[1]

水分代謝を調整し、血圧や組織液の浸透圧などをコントロールする[1]

組成・成分

ヒトの血液成分(Enzyklopadie 1979から[5])成分血液100cm3
あたりの量(mg)赤血球100g
あたりの量(mg)
8100063000
ヘモグロビン1500033000
タンパク質1900035000
脂質560600
中性脂肪13595
リン脂質245350
コレステロール175
グリコーゲン5
ブドウ糖9075
非タンパク質窒素30
尿素15
クレアチン3.98
クレアチニン0.91.8
RNA64
ナトリウム19042
カリウム190370
カルシウム72
マグネシウム3.86.2
48100
塩素290270
非有機態リン2.54
リン数3566
重炭酸塩220

血球成分(細胞性成分、血液細胞)と血小板、これらを浮遊させる血漿成分(液性成分)からなり[1]、その比率は およそ40 - 45:60 - 55である[6]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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