血小板減少
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全血球算定検体管に含まれる抗凝固剤EDTAを原因とする検査値誤差[要出典]。クエン酸添加血漿を用いた血小板測定が有用[17]

蛇咬傷[18]

ナイアシン毒性[19]

ライム病[20]

血小板成分献血(英語版)[要出典]

ニーマン・ピック病[21][22]

*コロナウイルスワクチン[23]
診断

血小板減少症を診断する為の臨床検査としては、全血球数(英語版)、肝酵素(英語版)、腎機能(英語版)、ビタミンB12濃度、葉酸濃度、赤血球沈降速度、末梢血塗抹標本などが考えられる。血小板数減少の原因が不明確である場合は、血小板産生低下の場合と末梢での血小板破壊亢進の場合とを区別するために、通常、骨髄生検が推奨される[24]

入院中のアルコール依存症患者における血小板減少症は、脾臓の肥大葉酸の欠乏の他、そして最も頻繁に見られるものとしては、血小板の産生・生存時間・機能に対するアルコールの直接的な毒性作用が原因であると考えられる[25]。血小板数は、2?5日間の禁酒後に上昇し始める。この状態は一般的には良性で、臨床的に有意な出血は稀である[要出典]。

重度の血小板減少症では、骨髄検査で巨核球の数、大きさ、成熟度が検査される。この情報で、血小板減少症の原因としての血小板産生非効率の理由を特定すると同時に、悪性疾患のプロセスを除外する事が出来る[26]
治療

治療は、疾患の重症度と原因に基づいて施行される。治療は、原因と疑われる薬剤の中止、基礎疾患である敗血症の治療など、根本的な問題を取り除く事に重点が置かれる。血小板の産生を高める為にコルチコステロイドが使用される事がある。また、骨髄での血小板産生を促進する為に、炭酸リチウム葉酸を使用する事もある[27]
血小板輸血

血小板数の少ない患者に対して、血小板輸血が実施される事がある[28]
血栓性血小板減少性紫斑病「血栓性血小板減少性紫斑病」も参照

血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)の治療は、それに伴う溶血性貧血や血小板の活性化により腎不全意識レベルの変化を引き起こす可能性がある為、医療上の緊急課題となっている。TTPの治療は、1980年代に血漿交換法が適用され、革命的な進歩を遂げた。Furlan-Tsai仮説によると[29]、この治療法は、ヴォン・ヴィレブランド因子を切断するプロテアーゼADAMTS-13(英語版)に対する抗体を除去する事で効果を発揮する。また、血漿交換法は、活性のあるADAMTS-13プロテアーゼタンパク質を患者に与え、ヴォン・ヴィレブランド因子のマルチマーを正常な濃度に回復させる。ADAMTS-13に対する持続性の抗体を持つ患者が必ずしもTTPを発症するとは限らず、これらの抗体だけでは血漿交換法によるTTPの治療を説明するには不充分である[30]
免疫性血小板減少性紫斑病詳細は「免疫性血小板減少性紫斑病」を参照口腔内点状出血・紫斑病 ― 免疫性血小板減少性紫斑病

特発性血小板減少性紫斑病としても知られる免疫性血小板減少性紫斑病(ITP)の多くの症例は、治療せずに放置する事が可能であり、自然寛解(特に子供の場合)も珍しくない。しかし、血小板数が50,000/mm3以下の場合は、定期的な血液検査で経過を観察し、10,000/mm3以下の場合は、重篤な自然出血のリスクが高い為、通常は治療を行います。また、重篤な出血症状がある場合は、通常加療する。1990年代以降、ITPの治療基準は低下している。血小板数が10,000/mm3を超えていれば自然出血を起こす患者は殆どいないと認識されているが、この観察結果には例外もある[31][32]

トロンボポエチン類縁物質は、ITP治療のために広く試験されている。これらの薬剤は以前から期待されていたが、内因性トロンボポエチンに対する抗体を刺激したり、血栓症を引き起こすことが知られていた。ロミプロスチムは、難治性のITP患者、特に脾臓摘出後に再発した患者の治療に安全かつ有効である事が判明した[33]
ヘパリン起因性血小板減少症詳細は「ヘパリン起因性血小板減少症」を参照

ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)の場合、ヘパリンの投与を中止する事が重要である。しかし、それ以降は、一般的に血栓症を避ける為の治療が行われる[34]。治療には、レピルジン(英語版)やアルガトロバンなどの直接トロンビン阻害薬(英語版)が使用される。その他の血液希釈剤として、ビバリルジン(英語版)やフォンダパリヌクスが使用される事もある。出血ではなく血栓症が主な問題であるため、血小板輸血(英語版)はHITの治療には日常的には使用されない[35]ワルファリンは、血小板が正常化するまでは推奨されない[35]
先天性無巨核球性血小板減少症(CAMT)

骨髄/幹細胞移植は、この遺伝子疾患の唯一の治療法として知られている。移植を行う前に患者が出血多量で死亡しない用に、頻繁に血小板が輸血されるが、これは必須とは限らない[36]
ヒト誘導多能性幹細胞由来血小板

ヒト誘導多能性幹細胞由来血小板は、現在、民間企業が米国生物医学先端研究開発局米国保健福祉省と共同で研究している、人体外で血小板を製造する技術である[37]
新生児血小板減少症

血小板減少症は少数の新生児が罹患する疾患であり、新生児集中治療室での有病率は高くなっている。通常、血小板減少症は軽度であり、何の影響もなく快癒する。殆どの症例は早産児で、胎盤の機能不全や胎児の低酸素症が原因である。その他の原因としては、同種免疫、遺伝、自己免疫、感染などがあるが、頻度は低い[38]

生後72時間以降に発症する血小板減少症は、多くの場合、基礎疾患である敗血症壊死性腸炎の結果として生じる[38]。感染症の場合は、PCR検査が病原体の迅速な同定や抗生物質耐性遺伝子の検出に有用である。想定される病原体としては、ウイルス(サイトメガロウイルス[38]風疹ウイルス[38]HIV[38]など)、細菌(ブドウ球菌[39]腸球菌[39]など)が挙げられる。B群溶血性レンサ球菌(英語版)[38]Listeria monocytogenes[38]大腸菌[38][39]インフルエンザ菌[38]Klebsiella pneumoniae[39]緑膿菌[39][40]、Yersinia enterocolitica(英語版)[40]など)、真菌(カンジダ[39]など)、トキソプラズマ[38]などがある。


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