血圧
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高血圧、グレード1140?159?130かつ/または90?99?80
高血圧、グレード2160?179N/Aかつ/または100?109N/A
高血圧、グレード3?180N/Aかつ/または?110N/A

*N/A: 該当なし小児における欧州心臓病学会および欧州高血圧学会の分類と基準範囲を比較した拡張期血圧と収縮期血圧の比較表

心血管系疾患のリスクは115/75mmHgを超えると漸増するが[17]、これ以下ではエビデンスが限られている[18]

観察研究では、これらの血圧範囲の下限に動脈圧を維持する人は、長期的な心血管系の健康状態がはるかに良好であることが示されている。高血圧、特に高齢者の血圧を低下させる薬剤を使用する際に目標とすべき最適な血圧レベルについては、現在も医学的な議論が続いている[19]

血圧は分単位で変動し、通常は24時間の概日リズムを示し[20]、早朝と夕方に最高値を示し、夜間に最低値を示す[21][22]。夜間の血圧の正常な低下が無くなることは、将来の心血管疾患のリスクと関連しており、夜間の血圧が昼間の血圧よりも心血管イベントの強力な予測因子であるというエビデンスがある[23]。血圧はより長い期間(数ヵ月から数年)にわたって変動し、この変動から有害な転帰を予測できる[24]。 血圧はまた、温度、騒音、感情的ストレス、食物または液体の摂取、食事因子、身体活動、姿勢の変化(立ち上がりなど)、医薬品、および疾患にも反応して変化する[25]。血圧の変動性と自由行動下血圧(英語版)のより優れた予測値により、英国国立医療技術評価機構(NICE)などの一部の当局は、高血圧の診断に望ましい方法として自由行動下血圧の使用を推奨している[26]デジタル血圧計

年齢や性別など、他のさまざまな要因もヒトの血圧に影響を与える。左腕と右腕の血圧測定値の差は小さい傾向がある。しかし、末梢動脈疾患、閉塞性動脈疾患、大動脈解離などでは、10mmHgを超える一貫した差があり、追加検査が必要な場合もある[27][28][29][30]

低血圧の診断基準は認められていないが、90/60未満の血圧は一般的に低血圧とみなされる[31]。臨床では、実際に血圧が低すぎると多くの医師が判断するのは、低血圧による症状が現れている場合だけである[32]
血圧と年齢の関係
胎児の血圧「Fetal circulation#Blood pressure」を参照

妊娠中、胎児循環を通して血液を駆動するために胎児血圧を高めるのは、母親の心臓ではなく胎児の心臓である。胎児大動脈の血圧は、妊娠20週で約30mmHgであり、妊娠40週で約45mmHgまで上昇する[33]

満期産児の平均的な血圧は以下の通りである[34]

収縮期 65?95 mmHg

拡張期 30?60 mmHg

小児

小児の血圧基準値[35]Stage年齢収縮期血圧

mmHg 拡張期血圧

mmHg
乳児0?12 ヶ月75?10050?70
幼児1?5 才80?11050?80
学童6?12 才85?12050?80
思春期13?18 才95?14060?90

小児の血圧の正常範囲は成人よりも低く、身長によって異なる[36]。各国の小児の血圧の分布に基づいて、それぞれの国の小児の血圧の基準値が作成されている[37]
加齢の影響

ほとんどの社会の成人では、収縮期血圧は成人期早期以降、少なくとも70歳まで上昇する傾向がある[38][39]。拡張期血圧も同時に上昇し始める傾向があるが、中年期、約55歳で、より早く低下し始める[39]。平均血圧は成人期早期から上昇し、中年期でプラトーとなるが、脈圧は40歳以降にかなり顕著に上昇する。その結果、多くの高齢者では、収縮期血圧が成人の正常範囲を超えることが多く[39]、拡張期血圧が正常範囲であれば、これは収縮期高血圧(英語版)と呼ばれる。加齢に伴う脈圧の上昇は、動脈硬化の進行に起因するものである[40]。加齢に伴う血圧の上昇は健康的なものとは考えられておらず、孤立した未開の地域社会では観察されないこともある[41]
静脈の血圧

部位正常
範囲
単位 (mmHg)
[42]


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