蜘蛛の糸
監督秋原正俊
脚本秋原正俊
原作芥川龍之介『蜘蛛の糸』、『煙草と悪魔』、『アグニの神』
出演者平幹二朗
音楽山路敦司
配給カエルカフェ
公開2011年9月24日
上映時間71分
製作国 日本
言語日本語
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映画『蜘蛛の糸』は上記小説を主に、芥川の『煙草と悪魔』と『アグニの神』をも原作としてストーリーに盛り込み、新たな解釈を加えて現代劇としたファンタスティックな劇映画である。監督は秋原正俊。主演はスクリーン主演が34年ぶりとなる平幹二朗、助演に高畑こと美が2役を演じ、母の高畑淳子が特別出演した。生前の行いによって、各人が全く異なる形態の地獄に落ちるという設定で、野山や畑などを含めた幻想的な映像が撮影された。ロケは主に長野県上田市、長野市、静岡県焼津市、静岡市で行われ、地域住民もエキストラで参加しており、エンドロールには全員の名前が記載されている。
キャスト
カンダタ(食品会社取締役社長) - 平幹二朗
垣内総子、鬼 - 高畑こと美
軍人 - 鳥肌実
悪魔 - 松田洋治
魔女 - 初嶺麿代
恵蓮 - 菖蒲理乃
十一面観音菩薩 - スティーヴ エトウ
救世観音菩薩 - 江口のりこ
垣内千枝(ピアニスト) - 高畑淳子(特別出演)
次の魔女 - 江頭ひなた
深田加奈子 - 橋本麗奈
三沢恵子 - 今村祈履
本作を元にした同名のバレエ作品『蜘蛛の糸』では、芥川龍之介の息子で作曲家の芥川也寸志が音楽を作曲している。
翻案
小説
『蜘蛛の糸』(小松左京)[9]サイエンス・フィクション作家小松左京の作品にパロディである同名の掌編小説がある。彼はまず、「カンダタが糸を放せと言ったのは当然」と評してこの作品を批判した上で、別世界の話として、同様の話を書く。そこでは、地獄に堕ちたカンダタは蜘蛛の糸を降ろされ、それを伝って上がり、ふと下を見ると、他の者も上がってくるのを見る。しかし、彼は彼らを追い落とすより、慌てて伝い上がることを優先、しっかり極楽に上がる。釈迦の方がこれに驚き、他の亡者の登上を阻止しようとして失敗、代わりに地獄に堕ち、亡者たちは極楽へ。しばらくたった後、カンダタが地獄を覗くと、釈迦が血の池で苦しんでいる。彼は以前のことを思い出し、蜘蛛の糸を降ろす。釈迦がそれに気がついて昇り始めるが、ふと下を見ると、何と地獄の鬼や閻魔まで昇ってくる。「お前たちそれは駄目だ」というと、蜘蛛の糸は切れ、釈迦は地獄へ真っ逆さま。
テレビドラマ 以下の楽曲は、いずれもこの物語を元にしている。
近鉄金曜劇場「いのちの糸」(1962年、朝日放送)脚本・茂木草介 主演・南原宏治
楽曲
筋肉少女帯「蜘蛛の糸」
PIERROT「蜘蛛の意図」
中島美嘉「蜘蛛の糸」
FLOW「KANDATA」 - 蜘蛛の糸の物語を恋愛に置き換えている。
スキマスイッチ「糸ノ意図」