虹のかなた
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柴田は復讐の意図を問いかけるが、ちひろは、自分の父親と母親を罠にはめた中野に対しての強い怨みや憎しみ、小学生で母親と父親を亡くし、自分の夢までを"亡くさせられた"悔しさや憎さ、悲しみ、怒りの言葉を、涙を流しながら誰かに問い掛けるように話す彼女の姿を見て、復讐に協力することを約束したのだった。

その後、ちひろは、自分の復讐のために巻きこんで入院することになってしまった佳和のために劇団レインボウの公演の主役を引き受ける。ちひろは、芝居の世界に戻ることを期待しているしげ爺にチケットを送った。うどん店「けむりや」の主人・隆は、雑誌の記事の真偽を中野にたずねるが、これをひそかにうるさがった中野は、居留守を使った上、社員である隆の娘・奈緒子を突然解雇した。広報課長であった中野の息子・健一(松田悟志)は、部下で同窓生だった奈緒子を解雇されたことで父である中野に対して不信感を強めた。

そんなとき、真紀(本多彩子)の子供、まひろ(工藤優)が迷子になり、健一に保護されるという「事件」があった。まひろはちひろの子供だと思い込んでいる健一はちひろを中野家に呼び出し、まひろに謝るように言う。まひろは、すっかり健一になついてしまい、次の土曜日に3人で会うことになる。その後、「けむりや」が放火されるという事件が起こる。ちひろは、茜(浅井江理名)が雇われママをしているクラブ「Bitter Sweets」で「チカ」という名のホステスとして働いていたが、客としてやってきた中野の会社の専務である名越がやけどで手に包帯を巻いているのを見て、「けむりや」の放火が中野の指示だと確信する。

劇団レインボウは、無事に公演当日を迎え、会場には、ちひろを「小沢史子」と考えている真紀と健一、ホステスのチカと考えている茜、そして、「しげ爺」が来ていた。未知の原石に会えるかもしれないと考え、たまたま会場に来ていた晶は、「しげ爺」の姿を見て、驚きを覚えていた。

劇団レインボウの「オズの魔法使い」を現代風にアレンジした劇「オズを夢見て」の公演は成功に終り、劇団員たちは口々に喜びを言い表した。

ちひろの演技を見た晶は、ちひろの事務所を訪れ、芸能界へ戻るよう勧めるが、ちひろは、きっぱりと断った。しかし晶は、決してあきらめない意志を言い残してその場を辞した。

ちひろは、復讐の機会を狙う生活に戻る。

放火されたあと、何度か中野の会社を訪れた隆は、そのたびに居留守を使われていたが、ある日名越の火傷を見て、中野への疑いを強めた。うるさがった中野は、渋る名越に隆のことを何とかするよう指示する。火災後の片づけをしている隆が一人になったところを狙って暴漢たちに隆を襲わせるのだった。

クラブ「Bitter Sweets」に来た名越は、悪事に加担させられているのに嫌気がさしていた。チカことちひろは、密かに新商品の横流しを教唆する。

ちひろは、また叔父の隆が暴漢に襲われて大怪我をしたことにショックを受け、耐え切れなくなって行方をくらました。ちひろのいたマンションの一室に真紀の入れた留守電が、明るく、しかし空しく響いた…。
第3部(ちひろ再デビュー)

行方をくらまして1か月、ちひろが現れたのは、なんとブラウン管の中だった。自分を疑う健一のニューヨーク行きを取り消したばかりの中野は驚愕する。「ビタースウィーツのちひろ復活」の番組を見て、レインボウの劇団員、茜をはじめとするクラブ「Bitter Sweets」のホステスと客たち、真紀をはじめとするベビーシッター仲間も驚く。

晶は、ちひろのために、久々にビタースウィーツの感動の再会を企て実行した。真紀と茜は、再会できたことと、ちひろが芸能界に戻れたことについて口々に喜びを言いあらわすが、芸能界に戻れたのにあまりうれしそうでないちひろに二人は、首をかしげるのだった。晶も真紀や茜同様、ちひろの様子を不審に思い、しげ爺のところへ訪れる。

晶は、ちひろが心を開かず、ただ義務的に仕事をしていることについて、どうしたらいいのか、しげ爺に相談を持ちかける。しげ爺は、自分の憶測に過ぎないが、母親の久美子が関係した殺人事件の時効と関係があるのでは、と晶に話す。

そんな折、ワイドショーに出演したちひろは、母親である久美子が、無実の罪を着せられて殺されたこと、そのことについては必ず償わせることを中野が見ている事を半ば意識して発言をするのだった。

ちひろのワイドショーを見ていた中野のところへ、柴田から電話がかかってくる。口止め料を要求する電話だった。佳和は、母・久美子のメッセージを伝えようと水沢オフィスを訪ねるが、そこで晶からちひろが不在であること、連絡は事務所宛にするよう自分の名刺を彼に手渡した。佳和は、健一なら何とかなるかもしれないと晶の名刺を健一にわたすのだった。ちひろは、再びマスコミ取材で、具体的に名前は出さなかったが、中野がオガワの新商品を奪い取って、父を自殺に追いやり、その事情を知る人物(秋場)を殺させて、その罪を母になすりつけたこと、中野の名前は、以前小沢史子の名で取材した記事を読めば分かること、中野がこの情報が広がらないように莫大な広告料で出版社を買収したと証言し、ますます騒ぎは大きくなった。

中野の会社では、自社のことだと気づいた社員たちで大騒ぎになった。健一は、鳴りやまない抗議や疑義の電話に対し、名誉毀損で訴える準備があると答え、社員たちにもそのように応対させた。

一方、名越は、ついに退職願を出す。健一は、ちひろをバーNemesisに呼び出し、佳和が大事な話があるようなので会うようにということ、中野の社員をちひろから守ることを話す。晶は、しげ爺のところへ行き、ちひろに復讐をやめさせるよう相談する。晶は、大原静子のような大女優になってほしかったちひろが、このままでは大原静子本人のように悲惨なことになってしまうと詰め寄り、しげ爺は、悲しみと無力感に思わず頭に手を当ててしまった。晶が謝ると、構わないと答え、何か静かに決心したように、後悔は心に毒だ、と一言呟いた。

一方、人目がなくなる時を狙って始末するようにと、中野から命令されていた「刺客」がちひろを橋の上で一人でいるところを背後から襲いかかって、頸をしめる。それを見つけたのは、佳和だった。彼は思わず叫んで、「刺客」を突き飛ばした。それは、佳和の言語障害が治った瞬間でもあったが、それを見た奈緒子の気持ちは複雑だった。

佳和は、レインボウの楽屋で、母親が拘置所の看護婦だったこと、母親が拘置所で亡くなった久美子のメッセージをちひろに伝えたいと願っていたこと、久美子が苦しい息の下から懸命にちひろに伝えようとしたメッセージ「夢は誰にも盗めない、ちひろの夢は、ちひろだけの宝物なの、ブリキマンの胸にハートの鈴をつけるのよ。」を伝える。

ナカノでは、予定していた新商品を名越の転職したライバル会社・グローバルエコーに出された経済紙の記事で、大騒ぎになった。そんな時、健一は、奈緒子にNemesisに呼び出される。佳和とちひろが関係した、ちひろをボロボロにしてくれ、と吹き込まれるが平常心を装う健一。しかし、ちひろを訪ねて、新商品の設計図の横流しをしたのかと問うと、法的処置を採ったら、と切り返され、思わず彼女を押し倒してしまう。あいつ(佳和)ならいいのかと叫ぶ健一に、あなたがしたかったのはこういうことなのかとちひろが問いかけ、健一は我に返る。ちひろは、あなたのお父さんがやってきたことをそのまま返しているだけ、冷静に考えれば真実が判ると言い、健一は力をなくしたようにちひろの部屋を出て行った。

中野は、柴田から再び脅しの電話を受ける。毒づいて対策を練ろうとする中野であるが心の動揺は隠せなかった。そこへ健一が帰宅して、父親が部屋いっぱいに紙を散乱させて何かを探しているのを見て、小川一家に何をしたのかと問い詰め、中野のやってきたことを一つ一つ取り上げて詰問する。中野は、全ては健一に貧乏の苦しみを味わわせたくなかったからやってきたことだと反論するが、健一は、半泣きで体を震わせながら、返事をするしかなかった。

「けむりや」では、隆が店を再開するために、準備をしようとするが熱湯をひっくり返してしまう。佳和は、店を手伝うと言い、仲間たちには二言目には夢を追いかけると言ってきたが、夢で遊んできただけのような気がしてならない、もう一度考え直したいと劇団を解散したいと伝える。すると仲間たちからは、佳和とちひろのおかげで公演ができたと感謝される。さらにちひろとの関係を問われて、14年前から忘れることができないくらいの大切な仲間だと佳和が答えたのを早合点し、結婚してしまえと仲間たちから声が上がる。皮肉にもそれをドアの外で聞いてしまった奈緒子は、ショックで自暴自棄になり、ふらふらと道路に飛び出し、交通事故を起こしてしまう。

幸いにも奈緒子の怪我は軽傷で済んだが頭を多少打っていた。そのためか、言葉やしぐさが幼児に退行していた。ショックを受ける隆と佳和。

ちひろは、ワイドショーで、ナカノの専務が「けむりや」放火事件の後に手に火傷を負っているのを見たと証言し、また大騒ぎになる。晶は、そんなちひろに復讐をやめさせるための説得をしようとした時、14年前に久美子を取り調べた鳥羽刑事(丸岡奨詞)が「水沢オフィス」にやってくる。鳥羽刑事は、14年前から、久美子の黙秘がどうしても気になって仕方がなかったのだ。警察は悠長だ、とちひろに言われ、確信があるようだが、証拠があるのか、真犯人を知っているのか、と尋ねる。ちひろは、真犯人は中野だと答える。あなたは母親そっくりだ、証拠をもっていながら隠し通すなら、母親同様間違った道を歩むことになる、と言い残して鳥羽刑事は帰っていった。晶は、人生かけて復讐してほしいなんて親がいるか、とちひろを説得しようとするが、ちひろは、言われた仕事はきちんとします、どうせお芝居なんてつくりごと、私にとって復讐の手段で、水沢さんの商売の道具で、私は水沢さんの商品と口走ってしまう。晶は、悲しみのあまりちひろを強烈にビンタしてしまう。

佳和は、子返りをおこしている奈緒子をつれて「けむりや」へ帰るが、奈緒子の相手をしている最中にマスコミ取材が押し寄せ、佳和に質問の嵐を浴びせる。記者の一人が、ちひろがワイドショーでまた証言すると叫び、その声を聞いた記者たちは、潮が引くように去っていた。隆は、家出中の美由紀のところへ行くが、そこで、ちひろが母親の手紙を公開しているのをテレビで見てしまう。これをほうっておくわけにはいかないと、思わず繰り返し自分に言い聞かせてしまい、一度は帰る気になった美由紀は、嫉妬のあまり、私たちのことなんでどうでもいいんだ、帰らない、とごねだしてしまう。隆はちひろの事務所を訪ね、姉の手紙を晒しものにするのをやめてくれ、復讐は自分がするからほかの道を考えてくれと言うが、ちひろに復讐は自分がするから今の家庭を大切にするようにと断られてしまう。力を落とした隆は、「けむりや」へ帰ると佳和にちひろを説得してくれと懇願する。佳和は「水沢オフィス」にちひろを訪ね、芝居を人を傷つけるために使っている、そんなのは女優ではない、人として芝居を愛する者として君を軽蔑する、と言い放つ。ちひろが自宅に戻ると、今度は、健一が訪ねてきた。父の社長解任の動議を考えている、会社が落ちついたら自分も会社を辞める、だから社員を助けてくれとちひろに懇願するが、ちひろは聞き入れない。健一は、ちひろの父とは違う方法で会社を守る、子どもの頃、ちひろが夢を持って明るく生きていることが羨ましく、自分と父にとってはしっぺ返しになっていたと言い残して出ていった。真紀にも、自分が同じ立場だったら必ず復讐すると考えるが、自分の娘には復讐してほしくない、水沢さんは同じことを言いたいんだ、水沢さんは、私たちのことを一度だって商品だなんて思ったことはない、と言われ、ちひろは、晶を訪ねて謝る。晶は、大原静子が自分の娘の敵をとろうとして無実だったお手伝いの女性を自殺に追い込んでしまい、自分自身が心を病んで全てを失ってしまった悲劇を語り、何の関係もない人たちが心の中に憎しみを植え付けられる、復讐はやめてくれと説得しようとするが、ちひろは身体を震わせ、中野への憎しみを募らせるのだった。

健一は、ちひろに復讐をやめてもらうために、児童演劇についての企画書を作り、佳和を呼び出して演出をしてほしいと頼む。しかし佳和は、ちひろに対する想いを悟り、自分で説得してくれと断る。健一は、ちひろのことが好きなくせに、好きでもない遠藤奈緒子の面倒なんか見るな、佳和は、仇の息子だからと好きな女にぶつかっていけないで自分の陰にかくれるなと言い合って乱闘になる。やがて二人は、ちひろのために何とかしなければならないと和解する。
放送リスト放送リスト
オズの魔法使い

クリスマスの悲劇

けむりやへ

夢の国

母の決断

罠(わな)

涙の誕生日

黙秘

ハートの鈴



ちひろの夢

黄色いリボン

ゆびきり

光に抱かれて

祝福

新しい生活

Pure

涙の記者会見

母からの手紙

素顔を隠して

4つの顔

スクープ記事

疫病神

夢の代理人

一進一退

協力者

疑惑

シャボン玉

オズを夢見て

晶との再会

宣戦布告

箱の中から

復讐の女神(ネメシス)

時を越えて

父と子

悪女マリア

人として

大原静子

レクイエム



お前だけは許さない

赤い糸

プロポーズ

人殺し

虹のかなたへ

スタッフ

プロデューサー:登坂琢磨(MBS)、黒沢淳(テレパック)

企画・脚本:登坂恵里香

脚本:楠本ひろみ

演出:竹園元(MBS)、池澤辰也、大久保智己、村上牧人(テレパック)

音楽:渡辺俊幸

協力:フォーチュンフジアール砧スタジオ

制作協力:テレパック

製作・著作:毎日放送

主題歌、劇中歌

「赤い糸」作詞:Sumika,作曲:Yuka(
Les.R

「Over the Rainbow」作詞:H.Arien,訳詞:たかのゆみこ

「Pure」作詞:mavie,作曲及び編曲:渡辺徹 この曲は、ドラマ30「がきんちょ?リターン・キッズ?」でも使用したことがある。

関連項目

狛江市

八王子市(八王子市の施設や企業などがロケ地に使われている。設定は、稲城市内であっても実際には八王子市内の企業などがロケ地に使われている)

ホリプロタレントスカウトキャラバン

がきんちょ?リターン・キッズ?

ロケ地情報

川嶋プロダクションのビルとちひろが申し込み用紙をもって走り去った通り(第11話)→品川クリスタルスクエアのビルとその前の通り(港区港南1丁目6番41号付近)

しげ爺が大原静子を探すために、泊まっていたホテル(第12話、第13話) ⇒
第一ホテル東京シーフォート

奈緒子につきとばされたちひろが腕を洗った公園(第14話)→西河原公園(狛江市元和泉2丁目付近。本文中に写真あり)

八王子市南大沢文化会館(第1話、第13話、第14話、第15話)

江東区佐賀町1-8佐賀町村林ビル(劇団レインボウの稽古場がある建物)

その他

最終回放送後、番組HPのBBSに松田悟志による書き込みが行われた ⇒
(10月4日13:47)

脚注[脚注の使い方]
注釈^ 佳和が遠藤家で転倒した際には心配するどころか「ウチで倒れないでよ!縁起悪い!」と言い放っている
^ 第45回の新聞記事を参照
^ ※この時点ではちひろはまだ中野が自分の母親を罠にはめて間接的に殺した殺人犯だとは知らない
^ 未成年者がオーディションに応募するには保護者の署名や捺印が必要とされる

出典
外部リンク

MBS・ドラマ30『虹のかなた』


虹のかなた - MBS動画イズム

虹のかなた - U-NEXT

虹のかなた - テレビドラマデータベース

MBSCBC ドラマ30
前番組番組名次番組
冗談でしょッ!離婚予定日
(2004.5.31 - 7.30)虹のかなた
(2004.8.2 - 10.1)ことぶきウォーズ
(2004.10.4 - 12.3)










毎日放送(MBS)・中部日本放送(CBC)交互制作
TBS系列 ドラマ30→ひるドラ
ドラマ30

1992年度

いのちの現場から

許されぬ唄

ある日、突然…

迷惑な家族

命の旅路

とびっきり、青春

1993年度

危険な再会

いのちを訪ねて

娘からの宿題

命ささえて

愛のたくらみ

いのちの現場からII

1994年度

婚姻関係

泣かないでママ

野々山家の人々

みちのく温泉逃避行

命いずこへ

詐欺・狙われた実印

1995年度

風たちの遺言

野々山家の人々RETURN

にっぽん国恋愛事件

いのちの現場からIII

トツゼン親娘

愛の産科

1996年度

もう大人なんだから!

ふ?ふ生活

命つないで

愛がほしい

いのちの現場から4

のんちゃんのり弁

1997年度

失業白書

あしたは晴れる


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