大きなアクシデントを乗り越えて『仮面ライダー』で全国的に知名度が上がったものの、藤岡はあまりの人気ぶりに、当初は自分自身がそのイメージで固定されてしまうのを怖れたほどだった[要出典]。こうした理由もあり、後の仮面ライダーシリーズでは、本郷役での客演は少ない[注釈 18]。
ただ、本人は自分の役者としての飛躍が『仮面ライダー』をきっかけにしたものであることは当時から忘れておらず、俳優として地歩を築くことに成功した現在では、「『仮面ライダー』は僕の青春でした」と語り、ゲームソフトなどでも本郷を演じている。また、「自分の代わりに怪我をしてくれたアクションチームの裏方のみんなを差し置いて、ヒーロー役だったということで今さら自分だけが表に出るわけにはいかないと思った」とも後年語っていた[43]。
2001年、映画『劇場版 仮面ライダーアギト PROJECT G4』では、本郷とは明示されていないものの警視総監役で出演し、主人公・津上翔一らに「今の俺にできないことをやってくれ」と激励するという、仮面ライダー1号からのメッセージともとれる意味深な台詞で話題となった。
2005年9月、11月11日から13日まで福岡市で開催されたイベント「FUKUOKAヒーローフェスタ2005 国際ヒーロー映画祭」[44]の実行委員長に就任する。イベント前の記者会見では「子供たちに夢と希望と生きる勇気を与えてきたヒーローの復権を訴えたい」と語った[45]。開催期間中に行われた屋外ステージでのセレモニーでは真剣で8本の巻藁を切り落とし[46]、トークショーでは盟友ショッカーO野の進行で往年の映像を交えながら自らの人生を熱く振り返り、最後には「レッツゴー!! ライダーキック」を熱唱した[要出典]。
2011年4月1日公開の『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』では、1号の声を担当する。声のみとはいえ、映像作品で1号を演じるのはテレビスペシャル『全員集合!7人の仮面ライダー』以来35年ぶりとなった。丸の内TOEIにて行われた舞台挨拶にも登壇してコメントを述べたが、壇上で同じく声の出演となった佐々木と宮内洋(風見志郎 / 仮面ライダーV3 役)がそれぞれ変身ポーズを披露した流れで、観客から「変身ポーズをみせてほしい」とのリクエストが出され始める。藤岡はうつむいて困ったような仕草を見せたが、ちょうど隣にいた1号(のスーツアクター)が機転を利かせ、藤岡に代わってポーズを披露して事なきを得る一幕があった[47]。
2011年に発売された『ウルトラマンVS仮面ライダー』のBD/DVD版では、1993年のビデオ版発売当時には実現できなかった、ハヤタ隊員 / ウルトラマンを演じた黒部進との対談および記者会見の模様が収録された。
2014年3月29日公開の劇場版『平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊』では、『全員集合!7人の仮面ライダー!!』以来38年ぶりに本郷役を演じた。変身シーンでは「自分の歴史がよみがえり、血が騒いだ。不思議なもので体は覚えていたんですね。演じるというより、本郷はそのままの自分。何とも言えない感動がありました」と感慨深げに感想を語っている[48][49]。
2016年3月26日公開の映画『仮面ライダー1号』では、本郷役で44年ぶりに出演したうえ、企画から参加した[50]。撮影当時には69歳にしてスタントマンを使わずにアクションを演じており、本編冒頭で暴漢を返り討ちにしている[51]。
2016年3月30日・4月8日に日本テレビで放送されたトーク番組『(秘)荷物!開封バラエティー ビックラコイタ箱』では、「歴代の仮面ライダー俳優」として藤岡が佐野岳(葛葉 紘汰 / 仮面ライダー鎧武 役)や竹内涼真(泊進ノ介 / 仮面ライダードライブ 役)と共に2週に渡って出演し、藤岡については『仮面ライダー1号』や45年前のバイクスタントにまつわる話題、ガンアクション作品や漫画家・村枝賢一との交流にまつわる話題が紹介された。なお、4月8日放送分の最後では、藤岡が佐野と竹内に「仮面ライダーの火を消すんじゃないぞ」と告げている[52][53]。