薬剤
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この植物はスピリチュアルヒーリング(霊的療法)の場で、幻視的な意識状態を促進するために使用される[22]

シレネ・カペンシス(英語版)は、コサ族では神聖な植物とされており、エンセオジェンとして使用されている。その根は伝統的にシャーマンの導入プロセスにおいて、鮮明な(コサ族によれば予言的な)明晰夢を誘発するために使用されている。この植物は、よく知られているドリームハーブのカレア・テルニフォリア(英語版)に似た、天然起源のオネイロゲン(英語版)に分類される[23]

小さな棘のないサボテンのペヨーテは、幻覚性をもつメスカリンの主な原料であり、おそらくは5000年前からアメリカ先住民によって使用されてきた[24][25]。現在、ほとんどのメスカリンは、不安定なペヨーテからではなく、特にサン・ペドロ(英語版)など数種の柱サボテンから採取されている[26]

また、エンセオジェニックな大麻使用(英語版)も何世紀にもわたって[27]広く行われてきた[28]ラスタファリ運動では、宗教的儀式の聖餐としてマリファナ(ガンジャ)を使用する。

一般にマジックマッシュルームやシュルームと呼ばれる幻覚性マッシュルーム(シロシビンマッシュルーム)は、長い間エンセオジェンとして使用されている。
スマートドラッグとデザイナードラッグ詳細は「スマートドラッグ」、「デザイナードラッグ」、および「向精神薬」を参照

向知性薬(こうちせいやく、nootropics)は、一般に「スマートドラッグ」(smart drugs)とも呼ばれ、人間の認知能力の向上を標榜している薬物である。向知性薬は、記憶、集中、思考、気分、および学習能力を改善するために使用される。学生の間で「勉強薬」[訳語疑問点]として次第に使われるようになった向精神薬は、メチルフェニデート(商品名: リタリン)であり、注意欠陥・多動性障害(ADHD)やナルコレプシーの治療に使われている[29]。高用量のメチルフェニデートは高い依存性を示す恐れがある[30]。深刻な依存症は、精神病不安障害、心臓病につながる可能性があり、この薬物の使用は、自殺や過量服用の増加に関係している。学生用途の外で使用するための証拠は限られるが、それが一般的であることを示唆している[29][30]。メチルフェニデートの静脈内処置は、リタリン肺(英語版)[訳語疑問点]と呼ばれる肺気腫性障害を引き起こす可能性がある[31]

デザイナードラッグ」(designer drugs)と呼ばれる別の薬剤が作られている。今日、デザイナードラッグと呼ばれるものの初期の例は、麦角から合成されたLSDである[32]。他の例としては、身体能力を向上させるために服用される「デザイナーステロイド」(designer steroids)のような能力増強薬(英語版)の類似物があり、この目的のために(合法か否かにかかわらず)プロのスポーツ選手によって使用されることがよくある[33]。その他のデザイナーズドラッグは、向精神作薬の効果を模倣する。1990年代後半から、これらの合成薬の多くが同定されている。日本やイギリスでは、これにより多くのデザイナードラッグが、一時指定薬物(英語版)として知られる新しい規制薬物のクラスに追加されるようになった。

合成カンナビノイドはより長期に渡って作られており、デザイナーズドラッグの脱法ハーブに使われている。
レクリエーショナルドラッグの使用大麻は一般的に使用されるレクリエーショナルドラッグである[34]。詳細は「レクリエーショナルドラッグ(英語版)」および「薬物の使用禁止(英語版)」を参照

レクリエーショナルドラッグ(英語版)(recreational drug、娯楽用薬物)とは、前向きな感情や気持ちを生み出すために、中枢神経系を変化させることで意識状態を変化させることを主な目的とした薬物(合法、規制、または違法)である。幻覚剤のLSDは、レクリエーショナルドラッグとして一般的に使用されている向精神薬である[35]

一部の国内法(英語版)では、さまざまなレクリエーショナルドラッグが禁止されており、また、娯楽目的で使用できる可能性のある医薬品は、しばしば厳しく規制されている。しかし、それらは多くの管轄域で合法(英語版)であり、文化的にも広く受け入れられているレクリエーショナルドラッグは数多くある。大麻は、世界で最も多く消費されている規制対象のレクリエーショナルドラッグである(2012年現在)[36]。多くの国でその使用は違法であるが、いくつかの国で通常は個人的な使用に限定するという条件で合法的に使用(英語版)されている。大麻は、マリファナ(草の葉)の形でも、ハシシ(樹脂)の形でも使用できる。マリファナはハシシよりも穏やかな形の大麻である。

合法的なレクリエーショナルドラッグの消費や購入には年齢制限がかけられる場合がある。多くの地域で合法的に受け入れられているレクリエーショナルドラッグには、酒類タバコビンロウジカフェイン製品などがあり、世界の一部の地域では、カートなどの薬物の合法的な使用が一般的である[37]

娯楽目的で使用される多くの合法的な中毒性物質には「リーガル・ハイ」あるいは「ゲートウェイ・ドラッグ」と呼ばれるものがある。これらの中でも最も広く使われているのがアルコールである。
薬物の投与詳細は「投与経路」を参照

すべての薬剤は、いくつかの経路投与することができ、多くの場合、複数の経路で投与することができる。

ボーラス: 血液中の濃度を効果的なレベルに上げるために投与される、薬剤、薬物、その他の化合物の投与である。投与方法は、静脈内、非経口、静脈外、筋肉内、髄腔内、または皮下注射によって行うことができる。

吸入(英語版)(肺に吸い込む): エアロゾル吸入器蒸気、乾燥粉末などの形で吸い込むこと(物質の薫煙や蒸気の吸引を含む)。

注射: 溶液懸濁液または乳剤として、筋肉内静脈内腹腔内、骨内(英語版)のいずれかに注入。

吹送(英語版): 鼻腔内に噴霧(英語版)または鼻で吸引する。

経口投与: 液体または固体として腸(英語版)から吸収される。

坐薬として直腸に投与し、直腸または結腸で吸収する。

舌下(英語版): 舌下組織を介して血液中に拡散する。

局所的: 通常はクリーム軟膏として使用する。この方法で投与される薬物は、局所的または全身的に作用するように与えられることがある[38]

ペッサリー: 内に挿入し、主に膣内感染症の治療するために用いる。

薬物の規制

多くの国には、薬物の製造や使用を管理および監督し、さまざまな薬物法を施行する政府機関がある。1961年に採択された国際条約麻薬に関する単一条約」では、医療研究(英語版)や治療に用いられるものを除いて麻薬の使用を禁止している。1971年に、新しいレクリエーション用の向精神薬や幻覚剤を扱うために、第二の条約「向精神薬に関する条約」を導入する必要があった。

向精神作用の植物である「サルビア・ディビノルムの法的地位(英語版)」は、多くの国で異なり、さらには米国内の州(英語版)でも規制の程度が異なる。
米国

米国の連邦機関(英語版)の食品医薬品局(FDA)では、食品の安全性、タバコ製品(英語版)、栄養補助食品処方薬および市販薬ワクチンバイオ医薬品輸血医療機器電磁波放出機器、化粧品、動物用飼料(英語版)[39]動物用医薬品規制と監督を通じて公衆衛生の保護および促進する責任を負っている。


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