薬剤師
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前号に該当する者を除くほか、薬事に関し犯罪又は不正の行為があった者

薬剤師は、2年ごとの年(西暦の偶数年)の12月31日現在における氏名、住所その他厚生労働省令で定める事項を、当該年の翌年1月15日までに、その住所地の都道府県知事を経由して厚生労働大臣に届け出なければならない、とされ(薬剤師法第9条)、有資格者は、厚生労働省の「薬剤師資格確認検索システム」にて氏名を確認できる[2]
薬剤師資格に付与される資格


無試験・講習(薬剤師であることで付与される資格、選任されることができる資格)

毒物劇物取扱責任者(選任)

食品衛生管理者(選任)

食品衛生責任者(選任)

船舶に乗り組む衛生管理者(資格の認定)

麻薬取締官(厚生労働省 任用)

麻薬取締員(都道府県 任用)

第一種衛生管理者(試験免除)

第一種作業環境測定士(全科目免除・登録講習受講のみ)


有試験(受験資格が付与される資格)

臨床検査技師(特定の科目の履修も必要)

労働衛生コンサルタント


有試験(選択科目が免除される資格)

弁理士

この他に薬学部における一定の単位の取得により受験資格が得られる資格もある(甲種危険物取扱者など)。また認定薬剤師、専門薬剤師の分野として薬剤師認定制度がある。
薬剤師の就業

薬剤師の業務は多肢に渡る。なかでも薬剤師法で一番にあげられる「調剤」は基本的な薬剤師の業務である。薬局等における医療用医薬品の処方監査・投薬業務のほか、一般用医薬品(OTC漢方薬など)の購入相談業務など内科医的な側面も併せ持つ。

一方で、病院・診療所勤務の薬剤師は、医師の指示のもとに業務を行うコ・メディカルとしての側面ももつ。特に2010年からチーム医療が推進され、医療の質および医療安全の確保から、積極的に薬学の専門家として薬物療法に参加し[3]、医薬品に起因する問題を防止することがより一層求められている[4][5][6]

保険薬局において健康保険をはじめとする公的医療保険の調剤に従事する薬剤師は、厚生労働大臣の登録を受けた薬剤師(「保険薬剤師」)でなければならないとされ(健康保険法第64条)、日本の公的医療保険制度は国民皆保険であるため、必然的に医療機関・薬局に勤務する薬剤師の大半は保険薬剤師となり、保険者が決めたルール(保険適用)の中で調剤を行っている。基本的に一部例外的に医師に認められている以外は薬剤師でなければ調剤することはできない。海外で導入されている例があるテクニシャン制度も日本にはない。詳細は「無資格調剤」を参照

薬機法および薬剤師法では、「薬剤師法人」「製薬法人」など、社員を薬剤師に限定する合名会社に準じた特別の法人形態の設置を認めていないため、下記に記す薬局・製薬業は株式会社形態により設置されるケースが多い。他の医療資格や、いわゆる「士業」とは異なり、有資格者の大半が株式会社の従業員・役員として業務に従事している点が特徴でもある。

なお、薬局や製薬会社などで薬事業務に従事する薬剤師は独立した専門職である。例えば、薬局等の管理者は薬剤師でなければならず製薬会社や医薬品卸売販売業にも管理薬剤師を置かなくてはならない(薬機法第7条第2項:医師等他の資格ではできない)。独立した医療系資格の医師、歯科医師、薬剤師を医療3師と呼ぶこともある。

「医薬品の供給」に関する業務においては、開発・製造から、流通、販売におけるまでほぼすべての分野で関与している。また「その他薬事衛生」に関する業務においては、医薬品以外でも世界各国で推進されているセルフメディケーションに関与する唯一の国家資格者としての責任を負っている。

以下、厚生労働省の医師・歯科医師・薬剤師調査[7]薬剤師#統計)での薬剤師従事者分類に準拠して薬剤師業務の概要を述べる。
薬局
調剤専門薬局
在宅患者向けに
無菌室を備えた薬局も増えつつあるなど調剤も幅が広がっている。薬局における処方箋調剤において薬剤師から、医薬品についての説明のほか、場合によっては疾患についても聞かれる場合もあるが、薬学的見地から医薬品の適性使用に不可欠のものである。服薬指導等を開放的な窓口で行う薬局は多く、そのため他の患者に会話が聞こえるという懸念を抱く患者もいることから、プライバシーの問題等にどのように対応していくかが今後の課題である。なお、薬機法上は調剤専門薬局の定義は存在せず、薬局に分類される。
漢方薬局
患者の訴えに応じて調合した漢方薬・西洋薬を、薬局製造販売医薬品として製造販売する。
かかりつけ薬剤師・かかりつけ薬局
2016年4月よりかかりつけ薬局、かかりつけ薬剤師制度の仕組みを創設することが答申された。かかりつけ薬剤師は、患者から同意を得た薬剤師が、市販薬も含めて患者の服薬状況を把握し、24時間体制で相談に応じる。必要に応じて患者宅を訪問して残薬の整理もする[8]。2016年2月10日の中央社会保険医療協議会(中医協)で、2016年度診療報酬改定において、「かかりつけ薬剤師指導料(70点)」「かかりつけ薬剤師包括管理料(270点)」を新設するほか、基準調剤加算を一本化し、施設基準を改める答申が示された[9]。かかりつけ薬剤師の算定要件は

患者から署名付きの同意書を得る

1人の患者につき1人の保険薬剤師のみ算定できる

患者の同意を得た次回来局時以降に算定可能で、必要な指導等を行った場合に処方箋受付1回につき1回
かかりつけ薬剤師指導料を算定できる保険薬剤師の要件として、以下を満たしている旨を地方厚生局長等に届け出ていること。


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