蕭美琴
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

2012年の第八回中華民国立法委員選挙では不分区(比例制)名簿7番目で当選[31]。その後も花蓮での活動を継続した。

2015年、翌年の第九回中華民国立法委員選挙では花蓮県選挙区(中国語版)で中国国民党候補王廷升(中国語版)の三選阻止の刺客となり、当選した[32]

立法院の超党派議連『台美国会議員聯誼会』の発言人(スポークスパーソン)として訪米もしている[28][33]。また、『台日国会議員聯誼会』(台日交流聯誼会の前身)で幹事長として対日議員外交にも積極的だった[34]

専門の外交や安全保障分野だけではなく、花蓮を拠点とするようになってからは、地元の観光業振興にも注力した。一定の条件を満たせば税軽減の措置が得られ、在住外国人によるインバウンド向けガイドを可能とする「発展観光条例」修正法案を提出し、2016年12月に立法院で三読審議を通過させたほか[35]、花蓮と沖縄県を結ぶ日台間のフェリーや航空便の誘致などでも精力的に活動した[36][37]

2020年の第十回中華民国立法委員選挙では「花蓮王」の異名をもつ元花蓮県長傅??(中国語版)に敗北[38]。去就が注目されていたが、第15代中華民国副総統に当選した頼清徳の訪米に同行[39]、4月より国家安全会議の諮問委員に就任していた[40]
チベット問題立法院でチベット亡命政府/ガンデンポタンの財務相と会談(2013年)

2012年6月、世界各国の立法府が「フレンズ・オブ・チベット」を結成していたことを受けて、美琴も数名の委員とともに立法院内で「立法院圖博之友會」を結成し[41]、抗議の焼身自殺が相次ぐチベットの人権問題への関心と亡命政府首相ロブサン・センゲへの支持を社会に訴えた。
太陽花学運

2014年3月18日に発生したひまわり学生運動(太陽花學運)期間中は呉秉叡(中国語版)や呉宜臻(中国語版)ら民進党の政治家とともに海峡両岸サービス貿易協定の早期可決を目指していた国民党への抗議表明として70時間にわたる断食デモを実行した[42][43]
同婚問題

長きにわたり同性婚支持を表明し、2006年には立法委員として初めて同性婚姻法案を提出した[44]。当時は台湾社会でも抵抗が強く、(ねじれ国会で議会多数派だった)国民党の反対により法案通過は叶わなかったが[45]、その後蔡英文政権で合法化が実現している。

自身のブログでも、「婚姻は2個人間の人間関係や1つの儀式というだけではなく、パートナー関係の当事者が社会の中でどう扱われるかという問題にも及ぶ。2人の同性カップルも男女カップルと同等の価値をもち、平等な尊厳や権利、自由を享受できるべきだ。また、社会がもっと(この問題を)オープンに、寛容的に、議論に対して尊重することができると信じているし、台湾の同性パートナーたちの権利が社会的に認められ、受け入れられるようにしましょう。そうすればこの社会はもっと多元的で豊かでカラフルなものになると信じている。」と綴っている[46]
駐米代表AIT代表クリステンセンを迎えて政権閣僚らとともに米国独立記念日を祝福 (前列左から4番目。2020年7月4日、台南市立棒球場にて)総統府での駐米代表就任宣誓式典(2020年7月20日)

2020年6月16日、総統府は新駐米代表に美琴を指名し、7月以降の着任を発表した[47]。翌日米国在台協会(美國在台協會、AIT)や[48]、民進党も参加している自由主義インターナショナル(Liberal International)が祝福のメッセージを寄せた[49]。女性としてだけではなく、民国60年代生としても初の駐米誕生となった[8]。なお、中華民国外交部による公式呼称は「大使」である[50]

7月20日、71名が加入した第10期立法委員による超党派議連『台美国会議員聯誼会』結成大会にAIT代表ウィリアム・ブレント・クリステンセン(英語版)とともに出席し、前期会長としての送別を受けたほか[51]、AITに対し米国連邦議会の台湾旅行法や台湾同盟国際保護強化イニシアチブ法(中国語版、英語版)(通称:TAIPEI Act、台北法案)可決に謝意を述べるとともに、1週間以内に予定されている駐米代表着任への抱負を語った[52]

7月24日、ワシントンの駐米代表オフィスに出勤し、正式に着任[53]。中国政府の戦狼外交に対峙する「戦猫外交」を掲げた[54]

2020年9月20日、本人公式アカウントのTwitterでプロフィール欄を「Taiwan Ambassador to the US」(台湾駐米大使)に変更し、物議を醸した[55][注 3]。外交部長の呉サ燮は『正式名称は代表』と公式に表明しているものの、蔡英文は黙認ともとれる意思を示している[57]。立法委員の鄭運鵬(中国語版)は「これまでも正式な国交がない国に派遣した代表が大使と呼ばれることもあったし、米国外交筋がアカウントの表記に表立って反対意見を表明していないことは支持を仄めかしているもの。」としている[58]。後日『戦猫(Cat Warrior)』とも付記しているが[59]、元外交官の劉仕傑(中国語版)は、中国政府が主にオンライン上で繰り広げる戦狼外交に反撃する手段の一つと分析している[60]。米国ではその後、米連邦議会上院議員スコット・ペリー(英語版)が駐米代表処やAIT台北事務所をそれぞれ大使館に昇格させる法案制定を主張している[61][62]

2020年11月末、駐米代表処で職員9名が新型コロナに感染したため、陽性者と接触のあった美琴本人も在宅隔離となり業務停止に追い込まれたが[63]、11月30日に関係者全員の陰性を確認、隔離解除後の12月11日より業務を再開した[64]

成長促進作用のあるラクトパミンが含まれる米国産豚肉の輸入解禁が台湾で問題となっていること(zh:臺灣進口美國肉類問題)を受けて、自身も米国の肉料理を食して安全性を訴えた[65]

2021年1月20日(現地時間)、ジョー・バイデンの第46代大統領就任式に正式に招待され、政府代表として出席した。駐米代表が招待されたのは米台断交の1979年以降初めてとなる[注 4][66]米国上院外交委員会も公式Twitterで美琴の投稿を引用し、バイデン政権に対し米台関係のより一層の進展を促す旨の投稿をしている[67]。同年末、バイデンが開催した民主主義サミットでは台湾も招待されたが、バイデン政権は蔡英文や外交部長の出席は中国を刺激することを避けるため蔡英文や外交部長の呉サ燮は出席ぜす[68]、その代役として駐米代表である美琴がIT閣僚の唐鳳とともに出席し、「台湾で民主主義が存続することは国際社会にとっても利益であり、重要」と訴えた[69]

2023年11月20日、 蕭美琴はAPEC会議後に台湾に戻り、?サ燮外相に辞表を提出した。
ワクチン

米国政府が2021年に2度にわたり合計約400万回分のモデルナ製ワクチン(mRNA-1273)を台湾に寄贈した際[70]、美琴は民主・共和両党の上・下院議員や米国内のシンクタンクなどと協議し、台湾の窮状を伝え支持を取り付けるなど短期間でのミッション達成に奔走した[71]


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:121 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef