練りつぶし魚肉を細断して繊維状にした物。又はこれを棒状等に成形し、加熱してたんぱくを凝固させた物。その形状・香味及び食感がかに肉、ほたて貝柱等に類似した物を言う。 練りつぶし魚肉またはこれに種ものを加えたものをケーシングに充填し、またはフィルムで包装した後、加熱してたんぱくを凝固させた製品を言う。 鯛や水引などの形に蒲鉾を整形した物で蒲鉾細工とも言う。富山県などで作られている食紅などで色付けしたすり身を絞り袋を使って成形する絞出しかまぼこ、福岡県などで作られている色ごとに絵柄を重ねる刷出しかまぼこ、神奈川県などで作られている色のすり身を金太郎飴のように重ねて同じ絵柄を切り出す切出しかまぼこがある[15]。 結婚式の引出物など冠婚葬祭の引出物として作られている。本格的な製品は、鯛型で実物大程度の大きさがある。また、松竹梅の形にし、縁起物としても作られている。島根県の大社地方を中心に古くから作り伝えられてきた細工蒲鉾は、婚礼(披露宴)の引出物として有名である。他に富山県や京都府舞鶴市の細工蒲鉾が知られる。中国の影響を受けた飾りなので、長崎県などでは鯛ではなく、鯉をかたどったとされる。富山の細工蒲鉾は多様で、大きい製品では体長60 cmほどの尾頭付きのタイや鶴、亀、富士山や松、宝船、末広、巾着などが描かれた製品もある。 切り方や切る厚さを変えることで、食感を変えることができる。また、技巧を凝らした細工物にも使われる。 蒲鉾は加熱済み食品であるため、そのまま食べることができる。また、醤油やマヨネーズとの相性が良い。なかでも、おろしわさびを添えて一緒に食べることを板わさという。そば屋でしばしば提供されているが、家庭でも食されている。居酒屋で「酒の肴」として提供されており家庭でも晩酌の「酒の肴」にする人もいる。板わさは味もよいが、わさびには殺菌効果がありその意味でも評価されている。 厚めに切って、真ん中に切れ目を入れて、中に様々な具材を挟めば、オードブルの一品となる。 薄く切って、うどんや蕎麦のトッピング、雑煮など汁の実とすることも一般的である。煮物の具材や、玉子丼の具にも用いる。茶碗蒸しに入れることも多い。 変わり種としては、薄くスライスして、ハムの代わりにも使われる。蒲鉾の和風サンドイッチなど。賽の目に切って、サラダの具にしたり、卵焼きの具にしてもよい。 また、生を避けて、焼いたり、炙ったりして食べることを好む人もいる。他にも、炒めたり、素揚げやてんぷら、フライなど、様々な調理を行うことも可能である。 福井県敦賀市周辺の食堂には、蒲鉾をメインのおかずとした「かまぼこ定食」というメニューがある[19]。 紅白の蒲鉾を「紅白は縁起が良い」とか「見栄えがする」としておせちに入れることも多い。ただし、おせちに入れる食品というのは一般に味を濃くしたり酢を加えるなどして「日もち」のする状態にしたもの(保存性が良いもの)が選ばれ、数日に分けて食べられることがしばしばなので、そこに蒲鉾を開封して切ってしまった状態で入れると、例外的にとびぬけて「日もちのしないもの」になってしまうので、他の食品と同じように見なすのではなく、蒲鉾だけは別扱いして、1日目(元日)に食べきることが勧められる。
特殊包装かまぼこ
ケーシング詰かまぼこ - 練りつぶし魚肉をケーシング(肉をつめる袋)に充填し、密封した後、加熱した製品[13]。
リテーナ成形かまぼこ - 練りつぶし魚肉をフィルム包装した後、型枠に入れて加熱した製品[13]。
細工かまぼこ細工蒲鉾(鯛蒲鉾)
食べ方