葵_徳川三代
[Wikipedia|▼Menu]
これは「戦国時代に比較し、光圀の時代の武士骨格が華奢になっていた事を表現するためである」とジェームス三木は語っている。なお、大河作品で女性が男性を演じたのは本作が初めてではなく、『太平記』における後藤久美子北畠顕家)の先例がある。

家康を演じた津川雅彦は、家康の癖であると伝えられている「爪を噛む」仕草として、「嫌らしく見せよう」と噛んだ爪を近習が持ってきた懐紙の上にプッと吐き出す芝居を頻繁に演じたが、視聴者から「食事時に気分が悪い」と抗議が続出した。これに対し津川は「行儀云々を言う前に、テレビを見ながら食事をするのを止めたらどうだ」と反論した。だがこの抗議にNHK側が折れ、まず「プッ」という吐き出す音が消され、やがて爪を噛む演技自体が封印させられた[注釈 2]。15話では家康のかかった病について解説した際、「寸白」「口から虫を吐く」といった表現が用いられたため、光圀が「失礼。お食事はお済みでござったか」と述べるシーンがある。

音楽は岩代太郎が手掛けた。オープニング映像は戦闘を強調するものではなく(戦闘の描写は中盤に少し登場するのみ)、春夏秋冬を表現して、時の流れを表現するものとなっている。群馬県利根郡利根村(現・沼田市)の吹割の滝奈良県宇陀市瀧桜日光東照宮などの風景が使われている。
あらすじ

慶長3年8月18日1598年9月18日)、太閤豊臣秀吉は巨万の富と幼い遺児・秀頼を残しこの世を去る。五大老筆頭・徳川家康は自らに権力を集中させてゆく。

これを阻止しようとする石田三成との対立が生じ関ヶ原の戦いに至る。

家康の孫にあたる水戸光圀は父祖の正しい歴史を伝えるべく、秀吉の死後から徳川三代の物語を語る。
登場人物
徳川家
徳川将軍家
徳川家康(とくがわ いえやす)
演:津川雅彦[注釈 3]第1回から第19回[3]までの主人公。短気かつ神経質で謀略に長けた面が強調されていたが、同時に家族思いの側面も描かれる。また、『徳川家康』などのように秀吉の遺志を特に慮ったわけではないが、かつて織田家豊臣家の配下となったように、豊臣家が徳川家に屈服することを期待して大坂の陣を極力避けようとはしており、夏の陣で秀頼と淀殿が自害した折は悄然としていた。少々口が悪いところもあり、また戦国武将としての用心深さと非情さから、温厚だが曲がったことを嫌う秀忠と対立することもあったが、実際は2人の関係は良好で、臨終の床では、秀忠の「へたくそな鼓」を聴くことを所望し、息を引き取った。
徳川秀忠(とくがわ ひでただ)
演:西田敏行第20回[4]から第48回[5]までの主人公。家康の三男。正室・お江の尻に敷かれる頭の上がらない恐妻家だが、妻のことを心から愛している。関ヶ原の戦いには中山道を通って西に向かうも遅参する。その後も武将として頼りない性格ゆえに父・家康を悩ませる。将軍職を継いだ当初は大御所・家康や重臣たちに支えられてなんとか政務をこなす有様だったが、徐々に将軍としての威厳を身に付け、乱行の収まらない忠輝忠直や自分の意に従わない朝廷に対して断固たる態度をとるようになる。その一方で、死の直前まで家光と忠長の不和に心を痛め続けた。
徳川家光(とくがわ いえみつ)
(竹千代→徳川家光)演:尾上辰之助(幼年期?少年期:内田雅楽→吉永和真→佐藤圭祐→酒井長輝→山田孝之)最終回[6]の主人公。秀忠の次男。将軍家の世継ぎとして家康の命により母・お江とは引き離され、お福や傅役に養育される。幼少時から変わり者で女装するなど奇行も目立ち、青年期には頼房と夜の街に繰り出して辻斬りをしたり、侍女に乱暴して孕ませるなど素行も悪かった。お江には将軍家の世継ぎにはふさわしくないと思われ、疎まれていたが、最終的には三代将軍を継承する。プライドが高く、当初は公家の増長ぶりに反発し、御台所孝子を遠ざけたり後水尾天皇江戸行幸を迫ったりしたが、秀忠の死後は朝廷への歩み寄りを見せた。
徳川一門とその家臣
結城家(越前松平家)
結城秀康(ゆうき ひでやす)
演:岡本富士太家康の次男。秀忠の異母兄。母は、於万の方。秀吉の養子を経て下総結城城主・結城晴朝の養子となり、結城家の家督を相続したため徳川家の家督を継げなかった。加藤清正ら七将に追われ、徳川屋敷に逃げ込んだ石田三成を近江佐和山城へ送り届ける。関ヶ原の戦いでは小山に留まり、上杉軍に備える。江戸に家康が幕府を開くと、江戸に参集を命じられるが碓氷峠で幕府役人に鉄砲隊を連れていることを咎められ、家康と秀忠に訴え出る。家康は秀忠に兄でありながら徳川家を継ぐことができなかった秀康に配慮し、大事に扱うよう諭した。病死した際は家康だけでなく秀忠も「私がいなければ将軍になれたものを」とその死を惜しんだ。
松平忠直(まつだいら ただなお)
(長吉丸→松平忠直)演:北直樹(幼年期:中林大樹、少年期:梅沢勇太)秀康の長男。家康の孫。大坂冬の陣では真田丸の攻防で真田幸村に翻弄され、家康の叱責を受ける。しかし、夏の陣後は、家臣がその幸村を討ち取ったこともあり、正室・勝姫の父・秀忠に功を賞せられる。しかしその後、乱行を繰り返すようになり、秀忠に流罪に処された。
虎松(とらまつ)
演:田山辰三秀康の次男。
河内丸(かわうちまる)
演:清水修二郎秀康の三男。
仙千代(せんちよ)
演:小沼蔵人忠直の長男。母は勝姫。秀忠とお江の外孫。家康の曾孫。乱行を繰り返し参勤しない忠直に代わり母・勝姫と共に江戸に赴く。第41回「御対面」では勝姫の息子、秀忠の孫として紹介されている。
喜佐姫(きさひめ)
演:今関愛美秀康の娘。秀忠の養女。
本多成重(ほんだ なりしげ)
演:不破万作忠直の傅役、家老。永見右衛門佐の母・順照尼を所望する忠直に困り果て諫める。その後、参勤を拒む忠直を何とか説得しようと努めるが、そのことで多くの近臣が手打ちにされたため匙を投げ、土井利勝に忠直を幕府の名のもとに処分してほしいと訴え出る。
西尾久作(にしお きゅうさく)
演:菊池敏昭忠直の家臣。大坂夏の陣で真田幸村を討ち取る。
順照尼(じゅんしょうに)
演:阿部朋子永見右衛門佐の母。忠直に所望されるが、落飾する。
永見右衛門佐(ながみ うえもんのすけ)
演:福田賢二母を所望する忠直を見限り、出仕を辞める。しかし、軍勢を差し向けられる。
藤島(ふじしま)
演:峯岸みくさ
岡田源左衛門(おかの げんざえもん)
演:番哲也
東条松平家
松平忠吉(まつだいら ただよし)
演:寺泉憲家康の四男。秀忠の同母弟。関ヶ原の戦いでは、初陣であったが井伊直政と共に先鋒の福島正則を出し抜き、先陣を切る。戦いの終盤、島津勢を追尾し、島津豊久を討ち取るが、銃弾に負傷する。やがて傷が原因で病に倒れ、兄秀康の後を追うように病死する。
長沢松平家
松平忠輝(まつだいら ただてる)
(辰千代→松平忠輝)演:阪本浩之(幼・少年期:岩渕幸弘→山田一統)家康の六男。母は、於茶阿の方正室伊達政宗の長女・五郎八姫。家康から邪険に扱われ、冷遇されている。信濃川中島を与えられるが、乱行でお家騒動が起き、家康に叱責される。その後、越後高田を与えられるが、大坂の陣の際の軍律違反を問われ、勘当される。内心彼を不憫に思い、また大坂の陣で身内同士の戦にうんざりしていた秀忠は、家康に対して「政宗を怒らせて戦を起こすために忠輝を粗略に扱うのか」と詰って大喧嘩を繰り広げるも、処分が覆ることは無かった。家康の死後、蟄居中の態度を秀忠に罪に問われて改易、間もなく出家した。
五郎八姫(いろはひめ)


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:151 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef