葬式
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プロテスタント

プロテスタントの葬儀は欧米では日中の葬儀・埋葬礼拝のみであることが多い。

キリスト教(特にプロテスタント)では、人の死は忌むものではなく、人の霊が地上の肉体を離れ、天にいる神とイエス・キリストのところに召されることであり、イエス・キリストの再臨において復活するための準備に過ぎない(このことからプロテスタント諸教派では信徒の死を「召天」と呼ぶことがある。したがって、死とは、天国において故人と再会できるまでの一時の別れであり、地上に残された者(遺族などの生存者)にとっては、その別れが寂しく慰められるべき事であるが、死そのものは悲しむべき事ではないと説明される。

日本では通夜の代わりに「前夜式」を行なうことがある。
イスラーム教(イスラム教)

この節の加筆が望まれています。
「en:Islamic funeral」も参照グラム・アザムの葬儀の様子(2014年、バングラディッシュ、ダッカにて)

イスラーム教における死は、神アッラーへの服従と一時的な別れとし、アッラーの審判の日に復活をすると信じられているため、土葬される。死後なるべく早く葬儀を済ませるべきであるという考えから、死亡の翌日には執り行われることが多い。死亡した場所の法律にもよるが、同性の遺族または専門の業者が遺体を洗浄し、縫い目のない白い布に包まれ、ミンバル(説教壇)の前にある台に設置される。その前にイマーム(導師)が立つ。礼拝はイマームに従い、参列者が起立したまま行われる。遺族が葬儀中に泣き叫ぶことは禁止されている一方で、泣き女として雇われた女性が「オルルル!」という声を響かせる。礼拝が終わると遺体が墓地へ運ばれ、頭部をメッカの方向を向かせて、右腕が下になるようにして埋葬される。遺族は男性は3日間、女性は4ヶ月10日間を喪に服し、派手な生活は控えるよう規定されている。
道教台湾の葬儀の準備

中国台湾では道教風水の影響を強く受けた葬儀が行われている。葬儀にはを基調とした色が用いられ、「白事」とも呼ぶ(逆に婚礼は赤を基調とし「紅事」とも呼ぶ)。まず、遺体を整え、洗い清めた後に「寿衣」と呼ばれる白い死に装束を着せる儀式「小?」を行う。葬儀の手配をした後、葬儀の日程や場所を親戚や知人に知らせる「報喪」を行う。知らされた人は花輪(花圏)を用意したり、「対聯」と呼ばれる葬送にふさわしい言葉を書いて贈ったりする。葬儀の場所は葬儀場(「殯儀館」)を使う場合の他、自宅前の道路にテントを立てて行うことも多い。死者は葬儀が行われるまで「霊棚」などと呼ばれる祭壇に安置される(「停霊」)。祭壇には死者の遺影(「遺像」)を飾り、死者が好んだ食べ物などを供物(「供品」)として供え、線香や蝋燭の他、「紙銭」(紙幣状の冥銭)や「紙紮」と呼ばれる紙で作った日用品や家が用意される。通夜に当たる縁者による訪問を受けることは「守霊」と呼ぶ。この際、近親者は薄い色の生成りの布で作られた「孝服」と呼ばれる喪服を着て、藁縄で結んで留め、草鞋を履く。道士による読経の他、楽隊を用意して、チャルメラ(「?吶」)などの吹奏、鼓舞が行われる。

葬儀は「大?」と呼び、家族の前で遺体を布団を敷いた棺に入れ、釘を打つ。裕福な家庭では遺体を入れた内棺を外棺に入れ、間に副葬品を入れる。やはり、道士による読経、楽隊の吹奏、鼓舞が行われる。

出棺は「出殯」といい、喪主(主に長子)が「?盆」という陶器のを割る儀式を行う。土葬が行われることが多く、棺を担いで墓地まで送り届ける。「引魂幡」と称して、旗を掲げて葬列を先導し、楽隊が演奏を行い、爆竹を鳴らしながらついて行くが、現在は自動車に地味な色の飾り付けをして用いることも多い。埋葬の場所や、時間は風水師に決めてもらうことが多い。

埋葬後、7日毎に墓に出向き、「紙銭」を焼いて読経する「焼七」を7回行い、「断七」の四十九日まで行い葬儀は終わる。その後、伝統的には3年間は喪中とするが、現在は短縮化されている。後に遺骨を洗い、骨を「金塔」と呼ばれる陶器のや塔状納骨器に納め直すことが行われる。
儒教

儒教の葬礼は上記道教の葬礼と重なる部分も多い。

儒教においては親の葬儀を盛大に営む事が何より大切な事とされる。元々儒教教団はそう言った葬儀に関する様々なしきたりを教授するための人から生まれたものである。

儒教の死生観では人は死ぬと魂(こん)と魄(はく)と言う二つのたましいに分かれる。魂は精神を、魄は肉体をつかさどるたましいであるとされる。魂は天の陽気からのたましいであり魄は地の陰気からのたましいである。魂は天に昇って神になり、魄は地に返る。残された者たちは魂を祀る為に位牌を作ってに祀り、魄の戻る場所として地中に遺体を埋める。

葬儀では死者の魂を天国や地獄など7つの世界を巡らせる儀式を行う。この儀式で死者の魂が最後に到達する世界はこの世であり、再びこの世に生まれ変わってきて欲しいとの願いを込めている。

また、死者との関係ごとに定められた作法で慟哭することが求められる(哭礼)。朝鮮半島では、葬儀に出席して声を上げて泣く事でお金を貰う泣き女が存在する。
バリ島のヒンドゥー教バリ島の葬儀。葬列ではにぎやかなガムランが演奏され、晴れやかな儀式であるため人々の表情は一様に明るい。

水辺で火葬にし、そのまま水に流す。海が近ければ海まで、そうでなければ川まで、を運ぶ葬列を仕立てる。葬列では、楽器を運びながらガムラン音楽を演奏する。費用がかかるため、没後すぐに行えない場合も多い。貧しい村では数人の他界者が出るまで待ち、まとめて葬儀を行う。天国へ行くための晴れやかな儀式であり、葬儀へ参加する人々の表情は、一様に明るい。
葬礼の様式ヨーロッパで行われていた権威が死亡した場合に、教会などの権威がある建物の傍に臨時に設置された葬儀場Castrum doloris(ドイツ語版)(ラテン語で嘆きの城の意)。可動式の棺Catafalque(英語版)や棺に添えられる肖像画コフィン・ポートレイト(英語版)などで構成される。
葬儀

密葬

家族葬

大喪の礼国葬

市民葬・区民葬

福祉葬

企業葬

社葬とも呼ばれ、故人が所属していた企業が中心となって行われる葬儀。お別れの会とも冠されることもある。家族葬や密葬の後に行われることも多い。


ペット葬

ペットの為の葬儀で、家族として飼われてたペットの葬儀。


生前葬

遺体の処理法・葬送「葬送」も参照

鳥葬

獣葬

埋葬

土葬

風葬

火葬

水葬

樹木葬

冷凍葬

遺体を冷凍して粉砕することでエコロジーの観点から火葬にかかるエネルギーを節約するもの[10]


宇宙葬

エンバーミング

遺体の血液を防腐液と交換し、また必要に応じて修復する技術。衛生的な長期保存が可能になる。


プロメッション

別名はフリーズドライ埋葬法で、遺体をフリーズドライにして、堆肥にして、土に撒くようにして自然に返す。


堆肥葬(有機還元葬)

遺骨の処理法

納骨

分骨

洗骨

散骨

日本の葬儀現代日本の葬式の祭壇の一例 出棺前のお別れに際して、棺桶手紙が添えられる。香典袋の一例
「御霊前」は禅宗、浄土真宗、キリスト教では用いられない。

通夜は古代の(もがり)に発するもので、葬儀の前夜祭の形態をとる。誰かが寝ずの番をして(交代でもよい)、夜明けまで灯明線香の火を絶やさないようにしなければならない。これには魔除けの意味がある。近年では消防署などにより、式場では夜間の火は焚かないよう指導が入ることもあり、都市部の式場では夜通しではなく「半通夜」と呼ばれる形態で、夜は遺族が帰ってしまう場合もある。僧侶などによる葬儀が終わると出棺が行われ、多くの参列者とは別れるのが一般的である。
葬儀の風習

出棺の際に、故人が使っていた属人器であるご飯茶碗を割ったり[11]、座敷を掃き出したり、カゴやを転がしたりする風習が残っている地方がある。地方によっては、埋葬した死霊が付いて来ないよう、火葬場に向かう道と帰り道は同じ道を通らず、一本道で難しい場合であっても可能な限り同じ道を通らないようにする風習がある。逆に同じ道を通らなければならないとする風習の地方もある。

葬儀終了後に「振り塩」と呼ばれる清めを撒く。


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